第5話 月の裏側
異変に気付いたのは3分くらい経ってからだろうか。
その飛行物は明らかにこちらの方向に向かっているし、先程は月と重なっていたために分からなかったが、光を放っている。
ここで頭をある考えがよぎった。
これはちまたで言うところの、ユーフォーってやつじゃないか?
"僕"が発見したことに気がついて、殺しに向かってきてるのでは?
妄想は加速する。
このままじゃ家族全員皆殺しだ。どうせこの世とは思えないようなおぞましい生物が降りてきて、頭から丸呑みされるのだ。そしてそれを偶然目撃していた近所の人も殺されてしまい、駆けつけたお巡りさんも殺され、しまいには宇宙戦争が勃発する……。月の裏側には宇宙人の基地があったんだ!なんてことになってさ。
一瞬の内に色々と想像は膨らんだが、頭は極めて冷静だ。
あれはただの飛行船か何かで、うちのはるか上空を過ぎていくだけさ。
光っているのも宣伝のためだろう。なんともつまらない。
そう思っていたんだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます