恋人たちよ

僕が愛しているのは誰か。

僕が本当に愛しているのは誰か。

僕は誰と付き合えばいい?


長い間迷ってきた。

選り好みしている場合じゃないぜ、女たらしめ、と言われれば、

僕は胸を痛めて黙っている他ない。


僕が本当に愛しているのは誰か?

誰のことも愛していない。もしくは、

全員を、本気で愛している。

要するに寂しいだけなんだ。

僕が寂しいときに隣にいてくれればそれで嬉しい。

僕を愛してくれるなら誰だっていいんだ。


昔、好きだった人に、彼氏のどこが好きなんだと聞いた。

答えは、「私のことを好きでいてくれるところ」だった。

僕はその人のことを、そのときの彼氏以上に愛していると、

とても言えなかった。

僕の恋は子供じみた無力なものだった。


あれから3年経った。

僕は素敵な女の子を、1、2、3、4、

少なくとも4人、多ければ、5、6、7、8、

もう数えたくない、本当に好きなんだ。

何人もの女の子に、思わせぶりな態度をとって、

それで僕のことが好きだと、一言でも言ったとき、

そっぽを向いて離れた。

どうしてこんなことをしたのかはわからない。

でも罪だとは思う。


一番好きだったのはあなたです。

読んでいるだろうか。

きっと読んでいないと思う。

よほど熱心に調べなければここへ辿りつくわけがない。

いや、それでも駄目かな。わかるわけがない。

書いてしまおう。

古川さんです。

好きです。あなたも俺のことが好きだった。

でも離れてしまった。似た者同士。

そもそも、まともに愛し合えた時間がどれだけあったか。

短いものです。

心はいつもそばにあった気がする。

でもうまく付き合えなかった。どうしてだろう……。

やはり僕が悪いような気がしてきた。

もし次に会って、あなたがまだ、僕の眼に輝いて写るようなら、

そのときの彼氏がどんな奴でも、ひっぺがして、

あなたを僕のもとへ連れてきたいと思う。

思うだけだけど。

実際にはやらない、こうして思い出を文章にして、

気を紛らわせて、

あなたのいない日を過ごしている。

僕の心にはそのうち新しい恋の炎が宿るのでしょうか。

あなたと同じくらい、気も狂うくらいの恋が。

それとも、あなたが戻ってきたり、するのでしょうか?

そんなはずはない。むしろあなたが待っていそうだ。

もしそうなら迎えにいかなくてはならない、なんて、

はは、危ないな、ストーカーみたいなことを考えている。

それで僕は、むしろあなたのほうから戻ってくるのを待っている。

来るだろうか? 来るはずがない。

それでも待っている。

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