第6話 この俺が成敗してくれるわ!!!
「っぷはははははは!! う、う、ウケる……っぷははははは!!! や、やべぇ〜、腹いてぇ〜」
「もぉ〜、そんなに笑わなくていいでしょ!」
「…はいはい」
まぁ、柚香が言うのであれば止めますけどね?
俺はずっと机に突っ伏している宗介に目を向ける。いやぁ〜、こんなに落ち込んでるってよっぽどだな! ……こんな宗介見てると……やっぱ、うん。
「しっかし、宗介も見る目ねぇな。お、男に……ぷぷ……ほ、惚れるとか……なぁ?」
……ごめん、やっぱ無理っぽいわ。
我慢したくとも、自然と笑いがこみ上げてくるのでは仕方がない。
「ぷぷっ……ひ〜、笑った笑ったぁ〜」
でもまぁ、ここら辺で止めないとさすがに可哀想だよな。…とか、そんなことを思っていると、
「……
宗介が俺のことを呪いだした。いや、別にいいけどね?
「俺、柚香以外の女に興味ないし。柚香以外に好かれたいとか思わないし。柚香といれればそれで…」
「じゃあ、柚香に嫌われればいいのに…」
宗介の声は、マジのトーンだ。やはり相当堪えていたようだった。
そんな顔すんなよ……こらこら、涙目の上目遣いは駄目だろ。謝らないけね、って思っちまうだろ。いや、謝んなきゃいけねぇんだけどさ?
「…嫌われて、警察にストーカーとして通報されればいいのに…そうしたら、俺が笑ってやるのに………」
前言撤回。……こいつムカつく!!
「はぁ? 柚香は そんなことしないし!? ってか、柚香は俺のことを好きだし!? 何言ってんのお前」
「え、いや、好きなわけではないよ? …嫌いでもないけど」
俺の返しに柚香が反応した。まぁ、俺の心をグサッと刺す一言を言ったけど? 俺ポジティブだし? …と、半分ヤケになる。
「ほら、聞いたか? 嫌いじゃないんだ。嫌いじゃなかったら何だ? 好き以外のなにものでもないだろ?」
俺の言葉に 何か不満があったのだろうか。柚香が隣で大きな溜め息を吐いた。宗介も呆れた顔をしている。
いや、そこまでないだろ……口、口 開いてるから! そこまで変なことを言っただろうか? そんなつもりはなかったのだが……とか思ってたら、宗介の開いた口からとんでもないことが聞こえてくるじゃん??
「柚香、好きな人いるけど」
はぁぁぁあああああああああああああああ!?!?!?!?
「今何つった!? もっぺん言ってみろ! 何でそんな事分かるんだ!? 何でそんなことお前が知ってんだよコンチキショォォオオオオオオオオ!!!」
宗介は自分の独り言が聞こえていないと思っていたのか、とても驚いていた。
「なっ!?!? って聞こえてたのか!?!? いや、だって…まぁ、な?」
何が「な?」だよ! わけ分かんねぇわ!!! っつか分かりたくねぇわ!!!
「ちょ、2人とも! 落ち着いてよ! どうしたの?」
立ち位置的に、どうやら柚香には聞こえていなかったらしい。
「柚香……お前、俺のことが好きなのか! そうなんだな!? そうだと言ってくれぇぇぇええええええ」
俺は柚香の肩を掴み、顔を近づける。
「な、な、何の話!?!?」
慌てふためいている柚香、可愛い……じゃないじゃない。そんなこと思ってる場合じゃない!! 今までのことからして、多分……っつか確実に、柚香の好きな人は俺じゃない。だからきっと柚香と同じ小学校の奴だ。
誰だ?
俺の柚香に何かする奴ぁ、この俺が成敗してくれるわ!!!!! 空手のオレンジ帯ナメんな!! 入って1年経たずに辞めたけど。9級なったしいいじゃん。あれから、自己流の筋トレはやってるし?そこそこ筋肉はついてる方だと思うし?どんなやつでも……いや、空手をしてないやつなら……いや、柔道もしてないやつなら……いや、弱そうなやつなら かかってきやがれ!!!
まぁ、そんなこと考えてたらな、背後から俺らの話に混ざってきた奴がいるんだよ。
「柚香って、好きな人いたんだ。知らなかった」
誰だよお前!!!!! っつか、いつの間に後ろに立ってたんだよ!!!
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