序章 私の半径20m以内の思い出

案の定、放課後はクラスで説教となった。私は先生をじっと見つめながら、先生の話を聞いていた。

三年生になってから、私はこのクラスが嫌だった。

学年1番のイケメン、龍太郎君と一緒で私は少し嬉しかった。あら素敵な方ね、と……。

しかし、龍太郎君はかなりの面食いであることがきっかけとなり、私はいつも笑いの対象となった。正直私の顔のどこが笑えるのかがわからない。

え?お前んち鏡ねえのかよってか?あるわぼけ。もういつも学校では内心そんな気分ですよ。

みんな「おい、あいつを見ろよ!」と言って吹き出して笑っているのだ。女子までも笑うものだから、本当に心苦しい!後輩の女子も笑うのだから本当にストレスが溜まる。少しは敬え……。

多分私が馬鹿だからそう平気で言えるんだろうなぁ。一応これでも定期テスト1位とったことあるんだけど。一度だけ。

とにかく龍太郎がいるせいで毎日が最悪だった。非常識な馬鹿なくせによ、なんでお前らの日常の為に私が犠牲にならないといけないんだよくそーーー!

おっと失礼。

それからは私はイケメンと美女は嫌いになった。(私の顔をみて笑った後輩は美女で男に媚び媚びな奴だった)


しかしなんでまた私は非常識な連中が嫌いなのに、龍太郎がいるのに、あんな馬鹿みたいな事に参加しようと思ったんだろう。そう思った時、先生は最後の言葉を放った。


「では、最後に反省文を原稿用紙10枚以上で提出すること。もちろん全員だ!うちのクラスは連帯責任だからな!」


わーマジか。ベタな事するなMs Brownは。自分論だけど人間は逆境が好きな生き物だからな。小公女が人気なのもそうゆうことさ。余裕だぜ。

つってもそれは逆境のあと幸せを期待してるからなんだろうけどね。

わい作文書くの得意だからな。作文といえばかなり傑作のやつを町文化祭コンクールに出したんだが、入賞しなかったんだよな。で、入賞したのがほとんど思い出みたいな感じ。なんだよだったら震災の事とか火事の事とか辛い経験の事を書けば入賞できたのかよー……。

最終的に身の回りの環境で起こった出来事がどれたけ大人心に染み渡ったかということなんだろうね。まったくがっかりだぜー。低レベルなコンクールだぜー。

って勝手に思ってる。


意味分からないよな。審査基準が。あーでもよく考えればあれは論文だったな。なんで漫画を題材にしようとおもったんだろう。資料のためにわざわざ本屋に行ったのによう。てか論文だろうが作文だろうが評価されるべきだよな。

世界平和のこと書いてあるから大人受け良いと思ったんだけど。先生も絶賛だったし。だからその分先生かなり落胆してたな。

あら私って意外と黒い嫌な奴だ!笑

もっと小学生らしいかわいいの書けば良かったね。小学生らしいかわいいのといえば絵画コンクールもだよね。絵には自信があるんだかな。始めて賞を貰ったのは、NHK主催のコンクールで、賞もらったんだんだよね。燃えちゃったし何の賞だったか忘れたけど、景品も貰えたしそこそこ良かったんだろう。そこから私には絵という選択肢が増えた。じいちゃんばあちゃんに「あらまぁめごい娘じゃのう」と言われなくても、肩書きがあればまた褒めてもらえると思っていた。今でもずっと褒められたい。

だから小学校に入ってからずっと絵を頑張ってきた。のだけど、それからずっと賞をもらう事はなかった。もしかして皆凄い画力を持っているんじゃと思って、入賞作品を見て私は思った。


なんじゃこれ下手くそじゃん!


と。


信じられなかった。私は想像力も画力も並よりはいいはずなのに!と。(自尊心の塊でございます)審査員コメントは、「とてものびのびとかかれていて、すてきなさくひんですね。すぐにでもうごきだしそうです」って書いていてはぁ?と思った。色使いもおかしいし、皆、構図が横からとか正面からとか。デザインですら単純化すぎる!どこが「動きだしそう」なんだ!だったら図書室にあったイルカの絵の方がもっと良いよ!とよく思ってた。たしかあの絵はラッセンの絵だったような。

そうして月日が経ち、小学5年生の頃。私はついについについに入賞した!おっしゃーと思ったね。だって心配だったんだからな。ただでさえ私は自分の絵に人が塗られるのが嫌なのに、先生が「お前はいつも絵を書くのが遅いから」と言う理由で柚菜という、底辺の私をよく馬鹿にしてくる女を手伝わせたのだ!!

私はその頃絵の具を水で薄めてやるやり方が嫌いで、綺麗に発色させたかったからそのまま塗っていたのに、柚菜は「先生!このやり方おかしいですよね?!筆痛めますよね?!」といって、最終的に3にんがかりで私の絵は完成したのである。悪夢であった。まあ入賞しちゃったけど。

しかしそれでも気に食わなかった……何故なら私の創作絵本を勝手に読み(これは今でも悶える)、「下手くそ」と言い放った遥花が私より上の賞をとったからだぁぁぁ!!!

「いやーまさか優香ちゃんが私より下の賞を取るとは思わなかった!だって優香ちゃん絵上手いんだもん!本当びっくり!なんかごめんね?!」


あ、そういえばまだわたくしの名前をご存知では無いでしょう。優香です。


えーこれは私が中学1年になって絵画コンクールで県推薦を貰うまで続きます。


6年生の頃はサナをモデルにした絵が入賞した。あの頃は1番なかよしこよしでしたね。なんでだろうね。私って絵を出品する度にディスられる運命なんだろうね。元担任の先生に「あー、ねえねえ優香。この絵の構図なんでわざわざ斜めにしたの?」「えっ、あ、工夫です」「ふぅーん。あらそう」なんでそんなに否定するようなこと言うんだろうと思い、がっかりしてたら嬉しいことに優秀賞だもんね!優秀賞のときは「やったー!」だけど、最優秀賞とか声が出ないよね。心臓がばっくばくだった。やっぱり絵画も作文も年相応のものを作らないといけないねっ☆

どうもこれしか自慢できないぶちゃいくです。


おっと!話題が逸れすぎた!そうだ作文だ作文。ノスタルジーに浸りつつも一応覚えていますとも!たしか今日部活なしなんだよね。……わたし部長なんですけど。

そうして仕方なく私は顧問の先生の元へかけていった。

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