第6話 Happiness 幸福というもの 加筆修正有2021.2.26/9.5

6.

" Invitation お誘い "


 12月の初めに設樂課長から少し話があるから後で時間を作って

ほしいと言われた。


 はて、どんな話なのだろう?

 皆目検討がつかない。



『ひっ、まさか!』


 自分の感が当たっていたらどうしようとあかねは内心焦った。

 絶対絶対、浮気等の誘いでないことを祈るあかねだった。




 「黒崎さん、クリスマスの24日か25日もし空いてる日があ

ったら家に来ない?」


 OH! MY GOD! ブル-タス、お前もか・・、と頭を

抱えたくなるあかね。



 しかし、爽やかに課長は言う。


 「じじ、ばば、コブつきでその上私の奥さんまで付いてるけどね」


  それといい男がひとり。

  これは当日のサプライズとしておこう、と課長。




 『課長~、私よく既婚者の人達から浮気心満載のお誘いを

ちょくちょく受けますが、ジジ、ババ、コブ付き、その上奥

さんまでもれなく付いてるけどってお誘いいただいたのは

初めて。勿論、喜んで!!!』



 その後は買って行くものとか、いろいろ打ち合わせをして

24日におじゃますることになった。


 買出しは当日頼むから手ぶらで来て、とのこと。

 会費はバッチリいただくのでほんとに手ぶらでいいからね、って!


 しかしぃ、何故私だけが誘われたのだろう。


 行ったら課長しかいなかった・・とかってぃうオチは笑えない。

 けど、設樂課長に限ってそれはないだろうって思うほどに彼には

信頼を寄せている。


 ここのところ落ち込んでたから今回のお誘いは素直にうれしい。

 課長の人柄を知っているだけに奥さんやお子さん、それに産み育て

られたご両親にも結構興味そそられるぅ~。


 クリスマスまでの約20日間を楽しみに待つことで、重苦しい

笠原くんとのこともかなり忘れて過ごすことができた。


 笠原くんとはお見合いの件がひと段落つくまでは付き合うのを

ひとまず休止しようと私のほうから提案したのだ。


 そしてあの日から私たちは会っていないし話もしていない。

 彼は今どんな気持ちで過ごしているのだろう。



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