第29話
今俺達はギュフイの都市の門の前にいる。
長かった旅が終わりを告げるのだ。
モンスターはほとんどがウェインさんで対処できて、余ったモンスターはレオンハルトさんの大剣で倒された。
俺とラーズラースさんは特に先頭には立たずに回復魔法と棒立ちだけで旅は終わっていた。
旅の途中で食べたモンスターの調理された肉はおいしいものもあったが、元がモンスターだけにあまり思い出したくはない。
このギュフイの都市でウェインさんの呪いが解け、レオンハルトさんとラーズラースさんとは別れることになる。
レオンハルトさんの言っていたウェインさんと俺との関係は友情で済むのかという疑問も残しつつも旅は終わりに近づいた。
実際に友情はあったのだろうか?
ただウェインさんに助けられてばかりの日々で、会話だって単調なものだった。
それで友情と呼べるのだろうか?正直難しい問題だった。
そんな俺の疑問への解答を待たずにギュフイに着いてしまった。
結構長めの旅のようにも思えたけど、達成感は確かにあった。
こういった達成感は普段の学校生活じゃ味わえないものだろう。
ギュフイの門に入るとレオンハルトさんとラーズラースさんは俺とウェインさんにこう答える。
「長い旅でしたけど、ここでお別れですわね」
「騎士としてあまり役に立てなかったかが、楽しい旅だった」
2人とはここで別れる予定だったし、少し寂しい気もするが終わりは終わりだ。
「はい、またご縁があれば旅にでも付き合いましょう」
「うむ、それではな」
俺とウェインさんが別れの挨拶を言うと二人はさっさとギュフイの都市の街中に消えてしまった。
「それでは山城。神殿に向かおう」
「そうですね、呪いを解くのが目的の旅でしたしね。神殿に行きましょうか」
「その前に不必要な物を売って金を作らねばならないだろう」
「あっ、慈善事業でやってる神殿じゃないんですね」
「うむ、世の中何事も金は必要になる」
ウェインさんに言われて、色んなお店で異空間からアイテムなどを取り出して値段交渉をする。
みんな異空間に最初は驚いていたが、商品がでると真面目に交渉するのだから不思議で面白かった。
ある程度のゴールドを手に入れるとウェインさんは神殿のある場所に向かって行った。
ギュフイの街には色んなものがあった。
道の真ん中には色んな馬車の群れ、獣の耳をはやした人もいればリザードマンもいた。
モンスターとの区別がつきづらいが、ワールドワイドな町であることは確かだった。
そんな中で神殿に着くとウェインさんは俺にこういった。
「せっかくだし一緒に入るか?」
「そうですね、興味もありますし、一緒に入ることにします」
俺とウェインさんは呪いを解く神殿に入っていった。
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