第30話
神殿の中は白を基準としたビルだった。
綺麗な会社ってイメージで辺りにはステンドグラスや魔法陣などが装飾されている。
ウェインさんは受付の女性に話しかけると、もう1人の受付の女性が奥に入っていった。
「…というわけなんだ」
「解りました。まもなく大魔導士の方がお見えになるのでそこの椅子でお待ちください」
用意されている白い椅子に座るとウェインさんは大人しくなった。
呪いが解ける安心感が大人しさを作ったのだろう。
しばらくすると奥の方の通路から2人の人がやってきた。
1人は先ほどの奥に入っていった受付嬢。
もう1人は白いローブに身をつつんだ赤毛の中年男性だった。
「こちらが呪いを解いてくれますアーガス様になります」
奥に入っていった受付嬢がそう言うとアーガスと呼ばれた中年は頭を下げる。
ウェインさんが椅子から立ち上がり、アーガスさんに話しかける。
「呪いを解いてほしいウェイン・アースランドだ」
「あなたがあの闘神ウェイン殿ですか、お噂は聞いています。どうぞ奥にある台座の上に座ってください」
アーガスさんがそういうとウェインさんは案内される。
「山城はここで待っていろ。すぐに終わることだろう」
「わかりました。無事に男に戻れると良いですね」
周りに本があることを確認するとそれを読んで待つことにした。
どうやらこの世界の文字は俺の住んでいる世界の文字と同じらしく本は軽々と読めた。
この世界の文明を知るためにも実用書などを読むことにした。
どうやらこの世界には色んな種族がいるらしく互いに些細な事で戦争に発展することが多かったようだ。
今は人魔同盟という人間と魔族の共存を約束した同盟があり、みんな楽しく暮らしているそうだ。
ウェインさんの名前もこの歴史書には出ていた。
闘神ウェイン。人間側の軍の将の1人でその強さは圧倒的なものだったそうだ。
数々の魔族軍の名称を倒して、闘いの神として恐れられていた。
戦争の傍らには仲間もいて、それなりの力を持つものもいたそうだ。
ウェインさんの力が暴走して都市が1つ消滅したこともあったそうだ。
戦後はさらなる強さを求めてジェネレーションタワーに入っていったそうだ。
俺がウェインさんにあったのはジェネレーションタワーに入った頃だから、戦後だったと言うことだ。
そんな人とカレー食べてたんだなーっと思うとちょっと衝撃だった。
ウェインさんはまだ戻らないので俺は歴史書を読んでいた。
意外と待たされている割には有意義な時間だった。
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