第23話

 旅が始まってみんなで楽しく会話を続けながら道を歩いていた。

 レオンハルトさんはごつい騎士で頼りになりそうな体育会系のお兄さんといった感じの人だった。

 ギュフイの国の人なので王の命令の帰り道だそうだ。

 何かの調書とラーズラースさんの護衛が任務らしい。

 バスケやらせたらディフェンスが上手そうなイメージが個人的にあった。

 ラーズラースさんは長いセミロングの巨乳でデカ尻のエロそうなオーラの漂う聖職者だった。

 レオンハルトさんと同じくギュフイの国の人で王からの命令で隣の国に調書を送っていたそうだ。

 あとその国の教会に祈りを捧げて、大司教に調書を渡した帰りなのだそうだ。

 体操着に着替えたら男子に注目浴びそうなイメージがあった。

 ウェインさんのことは知っているみたいで数々の伝説を話してくれた。

 空を飛んでオーラを放ちながらドラゴンの軍勢を弾き飛ばして地獄絵図にしたとか、北の勇者と呼ばれる英雄をあっさりと倒したとか色々な伝説があるようだ。

 俺からすればFPSのゲームが上手いポテチと漫画が好きなカレーマニアの人だけど、この世界では英雄だと言うことを知った。

 でも人と話したがる辺り寂しがりやな一面もあることも俺は知っていたし、会話はウェインさんが中心によく話していた。

 ここまでの情報もウェインさんの話から出てきた情報だし、俺はあまり話さない上にウェインさんがこれまでの俺のいきさつを話してしまったのでほぼ黙ってしまった状態だ。「山城殿はチキュウという異界から来ているのですか!ここの世界は危険こそあれど慣れれば済みやすい良い世界ですよ」

「山城君は戦闘は初心者だから私の後ろに隠れていていね。お尻ばかりみちゃ駄目よ。フフフ…」

 レオンハルトさんとラーズラースさんにそう言われ、大人しく答えると楽しく話すウェインさんに会話を合わせた。

 時々モンスターも出てきたが遠くにいるので、ウェインさんは襲わなくていいから放置しようなんて言い出した。

「危ないですよ」

「大丈夫、増援を呼ばれて襲って来ても返り討ちにはできるから」

 ウェインさんがそういうとラーズラースさんとレオンハルトさんは関心した。

「素敵ですねウェインさん。呪いで弱くなっていてもそれぐらいの強さを維持できるなんて感激ですわ」

「流石はウェイン殿。私も騎士として少しでも近づく強さになりたいものです」

 なんて能天気な2人なんだ。

 俺はそう思いながら出てきたメイジゴブリンが逃げていくさまを見ていた。

 普通は大勢で襲ってくるんだよな、やっぱり。

 でもウェインさんがいるとそんな心配がないから安心だった。

 なんか警察官と一緒に仲良く歓楽街を歩いているような気分になった。

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