第5話

~翌日~


ミサ「おっはよー」


(どわっ!そうだった・・女の子いてびっくりしたけど・・そうだった)


ミサ「女の子ってー。そんなにびっくりしなくても・・」


「考えてることも伝わるんだったな・・」


「はー・・不便な生活だ・・」


ミサ「でも楽しいでしょ?」


「全力で否定する」


ミサ「えーーーー」


「ってもう8時かよっ」


「やばい、学校間に合わない!」


ミサ「お、いいね。学生だねー」


ミサ「僕も学校っていうとこ行ってみたかったんだ」


ミサ「疑似学生生活楽しむぞーーー」


「お前のことは俺にしか見えないけどな・・ってついてくるのかよっ」


ミサ「いつどこで何が起こるかわからないからね」


「それなら昨日がんばったご褒美にお前に一つ頼みがあるんだが・・」


ミサ「なに?」


「能力で学校まで連れて行ってくれ」


ミサ「やだ」


「はーーー?」


ミサ「普通の生活に手を貸すつもりはないねー」


ミサ「学生よ、走るのだ」


「だーーー、頼むだけ無駄だったか」


「よし、いそげーーー」


~学校~


「間に合ったー」


ミサ「よくがんばった」


「そういえば昨日はあれ1件だけだったけど・・」


「もっと頻繁に起こるような気がしてたのだが」


ミサ「ま、その時によるね」


「多いときもあるのか?」


ミサ「秋なんかはけっこう多いねー」


「どうしてだ?」


ミサ「冗談だよー、季節なんか関係ないよ」


「お前な・・」


ミサ「ただ管轄があるからね。この仕事してるのは僕だけじゃない」


ミサ「というよりけっこうな数いてるよ」


「そうなのか」


ミサ「だから昨日は全世界で1件ではないのだよ」


ミサ「僕の管轄内で1件だったってだけ」


ミサ「それよりいいのかい?普通にしゃべると周りから独り言と思われるぞ?」


「周りは俺のことなんて気にもしてないから小さい声なら大丈夫だよ」


「その証拠に誰も挨拶してこないだろ?」


ミサ「それは君が挨拶しないからでは・・」


「ここに至るまでに色々あるんだよ」


ミサ「そうですか」


「あと、どうにも周りにはお前が見えてないという実感がわかないから」


「必要な時以外は声出したほうがしっくりくるんだよ」


ミサ「そんなもんなのかねぇ」


「そんなもんだ」


ミサ「お、チャイムというやつだ」


ミサ「授業だ授業だ♡」


ミサ「憧れの学校生活だ♡」


「他の奴知らないけど、お前たぶん天使の中でも変わってるやつなんだろな」


ミサ「普通だよー」


ミサ「たぶん・・ね」


ミサ「さー憧れの授業中寝る!やるぞーーーっ」


ミサ「そのために僕昨日は徹夜したのだ」


「ばかばかしい」


ミサ「漫画も読むぞーーーっ」


「お前こっちの世界に関与できないんだろ?」


ミサ「そうなっちゃってるね」


「漫画触れんの?」


ミサ「・・無理だね・・」


「どうやってページめくるんだ?」


ミサ「君ねー、そういう野暮なこと言っちゃいかんのだよ」


「ますますお前がわからん」


ミサ「楽しみ♡楽しみ♡」


~昼休み~


ミサ「おおおおおおおおおお」


ミサ「僕は今学校生活を満喫している」


「ずーーーっと寝てただけじゃないか」


ミサ「それが学校生活なのだよ」


「勘違いもいいとこだ」


ミサ「で、みんな友達とごはん食べたりしてるのに」


ミサ「なんで君は一人でごはん食べてるの?」


「お前そういうこと包まずにずばっと聞くのな」


「どうせ思っただけで伝わるから言うけど」


「いつもこんなだよ」


ミサ「友達いないの?」


「いないの」


ミサ「ふーん・・」


「僕と会えてよかったね」


「そういうこと素で言えるお前がちょっとうらやましいわ」


ミサ「なんか素直になってきたねー」


「嘘ついてもばれるからなだけだよ」


ミサ「ふーん・・」


ミサ「お!!!!!!」


ミサ「きたきたーっ」


ミサ「1件入りましたーーーっ」


「だからその言い方なんとかならんか」


「って、おい!まだ午後から授業あるぞ!?」


ミサ「時間がない、行くよ!」


「あーあー、学校抜け出すとかしたことないのに・・」


ミサ「優先順位を考える!」


「はいはい、わかりましたよ」


ミサ「移動するからつかまって!」


「待て待て!さすがにここでいきなり消えたらまずい!」


ミサ「たしかに・・」


ミサ「さっさとトイレでもどこでもいいから走るっ!」


「わかりましたよっと」




「さ、ここでいいだろ?」


ミサ「そしたら行くよーっ」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る