第9話 キロの行く先と使い魔の道楽


キロはイデア先生の言葉の意味について考えていた。



イデア「あなたは、あと一年で死ぬかもしれない、でも大事な役割があるわ」

キロ「役割?」

イデア「あなたは、白い剣をどうするか決めなければならない」


イデア「誰かに託すか」

キロ(そんなことをすれば、その人物の寿命も1年になる・・・)


イデア「どこか人目のつかない場所に捨てるか」

キロ(そんなことをすれば、悪魔に対する対抗手段がなくなる・・・)



キロ「どうするべきですか?」

イデア「・・・あなたは、ひとの意見ばかりを頼りにし過ぎるようね」

キロ「・・・すみません」



イデア「これは、あなたに決める権利があるし、義務だと思うわ」




・・・そのことを忘れないで




キロ「どうすべきだろう・・」

使い魔「あなたは、ひとの意見ばかりを頼りにするんですね」

キロ「おんなじセリフをゆーな!」




使い魔「天使さんがいればガツンと決めるんでしょうけど」

キロ「・・・」



使い魔「私の意見としては、悪魔退治でがっぽり儲けるという案はいかがでしょうか?」

キロ「・・・嫌だ」




使い魔「悪魔祓いを商売にする輩は数あれど、どれも偽物、本物はキロさんだけなんですよ。有意義じゃないですか」

キロ「そんな商売してるやついるのか?」

使い魔「カルデラのあたりでは、規制が厳しくて、あまりいないですけど、

インバースのあたりでは結構メジャーなんですよ、悪魔祓い・・」



悪魔祓い・・・



キロはピンとこなかった。

キロは人生のほとんどを誰かの選択によって生きてきた。



幼少のころは、孤児院のマクセル院長

カルデラでは、兵士長

警備兵を首になってからは、天使



といった具合だった。



キロ「・・・って具合だったから」

使い魔「あなたってひとは本当に・・・」




それは、本当に危険なことだったと今になって思う。

天使のいうことを聞いて、悪魔を退治して、カルデラの国を滅ぼしかけたんだから・・・






使い魔「・・・・」

キロ「・・・」



使い魔「じゃあ、私のいうことを聞いて悪魔祓いになりなさい。」

キロ「・・・使い魔のいうこと聞くのはちょっと」



使い魔「なんででですかー」

キロ「というかなんでそんなに悪魔を退治したいんだよ」




使い魔「・・・・」



言えない・・・私みたいな下級悪魔にとって『上級悪魔が退治されるさまを見るのが面白いから』だなんて・・・




使い魔「ひゅーひゅー別にいいじゃないですか理由なんて」

キロ「口笛吹けてないぞ」

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