第17話その後
友香が塾講師になって二ヶ月ほど経ち、生徒は徐々に友香に打ち明けるようになった。
また友香の対人、会食恐怖症は見違えるほど改善された。
発病して以来、一体どれほどの時間が経っただろうか。
二度切った髪は肩まで伸び、風になびいている。
この日、友香は美容室へ行くことになっている。もちろん、髪を切るためだ。
これまでは、髪が伸びた分だけ病気と戦ってきた。
けれど心身ともに逞しくなった今、友香にはもう戦いの証は要らない。
十分戦った。その記憶だけで良い。
空を見上げると雲一つない深い青の世界だった。
この世界には、友香の味方が存在する。
友香は偶然飛行機を見付けた。自分とは別の道を歩む太田や原尾、遠くはI県に住む森本に届くよう、飛行機雲にメッセージを託した。
私、生きています。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます