お題:スイートレモン・メロドラマティック

 男女の間には、性を挟まないといけないのだろうか。

例えば子供が示す全力の愛情のように、ただ手を握ったり、ぎゅっと抱きしめあったりする行為で満足はできないのだろうか。それとも、それ以上を知ってしまったら……些細な幸せではもう、満足できなくなってしまうのだろうか。

 ただ、それが怖かったから――。













 


君が想うより甘いすいーとれもんありふれた恋の話をしようめろどらまてぃっく













 始まりは、なんてことのないどこにでもある話。

大学に入って一年目。多分、「恋人がいないこと」に焦燥感を持つ友人たちが、ビリヤードの玉みたいにくっついたり離れたりを繰り返すのを尻目に、自分もくっついたり離れたりしていた。


くっつく理由は簡単で、「私を必要としてくれたから」。

離れる理由も簡単で、「恋人らしい行いに私を当てはめようとしてきたから」。


 酒を飲ませ、二人で過ごし、時には友人越しに圧力をかけ……そうまでした恋愛沙汰とやらの賞品に、自分の身体を置かれている不快感。当然、好きである以上欲しくなるという感覚があることは知っている。けれど、私は性欲のはけ口にされているのか、それとも純前にそういうものだと思い込んでいるのかすらわからなくて。

ずっと、自分のペースを尊重してくれるものを、恋だと思っていた――。

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