第7章 膣はゆるみますか

 この話題はもしかしたら男性諸氏の方が気になることかもしれないが、妊娠を経験したことのない人ならチラッとでも考えるのではないだろうか。出産したら、膣はガバガバにゆるむのではないかと。なにしろ3キロ前後、40〜50センチ程度の赤ん坊という塊が通過するのだ。いくら縮こまって出てきてくれるとはいえ、そんな大物が通れば緩んでしかるべきと思われる。


 あくまで私の場合であるが、結論から言うと、なんと膣圧は元に戻るのである。年齢や何人産んだかによって左右されるのだろうが、少なくともガバガバにはならない。しかしながら全てが元どおりというわけにはいかない。では、詳しくお伝えしていこうと思う。


 まず戻ると言っても、お腹と同じで産んですぐにキュッと締まるわけではない。かと言って風穴が開いたように口を開けてスースーして困るということもない。多少ゆるんでいるな、という印象で、自覚症状としては普通に生活しているのに以前より空気が膣に入りやすくなっているようで、プココココと、膣からオナラのように音を伴って空気が排出されることが度々あった。(産前もたまに出ていたが、明らかに頻度が上がった。)ちなみにオナラと違って無臭で、身動きした時にうっかり出てしまうことが多い。


 1ヶ月もすればこの現象はおさまり、会陰切開の傷もすっかり癒えているので、膣にぐっと力を入れたり抜いたりしても特に以前と変わった感じはしない。


 実際、もし私に気を使って嘘を言っているのでなければ、旦那曰く、膣圧は以前と特に変わらないとのことである。膣の伸び縮み力、恐るべし。


 ちなみに性交渉時の変化として他のことを挙げるならば、やはりどこかで赤ん坊のことが頭にあるからかまたはホルモンバランスのためか濡れにくくなっており(性欲も減退)、生後3ヶ月前後で久々に行った交渉では、まるで生娘に戻ったような痛さと違和感を味わった。膣入り口が侵入を拒否!するのである。この問題は時間と慣れが解決してくれるので、旦那さんは奥様が処女に戻ったんだと思って、焦らずのんびり構えてもらったらいいと思う。

 

 あとは赤ん坊のために修行を終えた乳首は、感覚がボワーンと愚鈍なものになっており、いじられてもむしろ苛立ちを覚えた。そうこうしているうちに母乳も出てきたりするものだから、もうややこしいのでそっとしておいて欲しく感じたものだ。

 



  話が脱線してしまったので、膣周辺部の話に戻ろう。膣の締まり具合は特に変わらないとお伝えしたが、しかし明らかに変わったものもある。それは陰部の見た目である。


 産後鏡を見て動揺したのだが、膣の入り口が何だか「丸見え」なのである。膣の肉が剥き出しというか、膣入り口扉の顎が外れておバカになったように見えるというか、何か足りない見た目になってしまっていた。そして気づく。


 あ!会陰がない!


 会陰とは膣と肛門の間の部分のことで、膣の入り口をふんわり包み隠してくれてもいる。出産時には、膣と同様にこいつも赤ん坊の頭が通る程度に伸びるのだが、それがパッと見た限りなくなっていたのである。



 しばらく観察を続けてみたところ、どうやら会陰はなくなったのではなく、伸びてしまっているのだということが分かった。長縄跳びを両側からぴんと張った状態から少したわませたくらいが普段の会陰ラインだとすると、長縄跳びを飛ぶ直前の、地面に縄の真ん中が付いた状態が産後の会陰ラインとなっていたのだ。これが数か月たっても元に戻る気配がない。


 特に日常生活で困ることはないが、しいて言えばお風呂で膣にお湯が入りやすくなってしまっているかもしれない。しかしながら膣は前と変わらずキュッとしまっているので大した問題ではない。性行為も、こんなに扉が以前より開いているのに、膣入口自体は閉じていてむしろ痛くて入りゃしないのだから、本当に見た目だけの問題なのだ。これが元に戻っていくのかは現在経過観察中である。




 以上あくまで私の場合であるが、産後の膣周辺の変化についてお伝えした。もしも自分の膣がどのような変化を遂げるのか興味のある方は、妊娠発覚したらすぐさま鏡などで確認して目に焼き付けておくことをお勧めする。妊娠後期に思い立っても、馬鹿でかいお腹が邪魔して膣を見ることも困難になるからだ。



※2人目出産後コメント

 膣はね、ゆるむわ。確実に緩んでる。膣の筋肉鍛えるトレーニングしないと、元には戻らない。あんまり緩みすぎてると歳とってから子宮が体の外に出てきちゃう「子宮脱」という症状に陥るから、緩みすぎてたら放って置かないほうがいい。

 そんなに真面目に膣筋トレーニングはせずに産後2年過ぎた私の状態を解説すると、まずお風呂でお湯が膣内に入ってくるようになった。膣からオナラのように空気が出るのも産前より頻度が高い。会陰はやや回復したが伸びたままで膣の中がちょっと見える。性行為は不都合なし、というより以前は当たりどころによっては痛かったりして苦しい思いをしていたのが、多少緩んだことにより動きに自由度が出て、どこに当たっても痛みを感じなくなったのでむしろ快適である。スタートも入れやすくスムーズ。締まり具合は陰茎側としてはそんなに差は感じないようようだが、様子を注意深く観察していると、やはり多少は緩みを感じているように思われる。ただ痛みを気にせず体位を自由に変えられるようになったため、当たりどころ良くしっかり締まる体位になってしまえば特に気にならないという状況である。

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