夏の暑さとうちの猫

俺はあまりの暑さに目を覚ました。

パジャマ代わりのTシャツは汗だくで気持ちが悪い。

よく見るとカーテンが少し開いていた。

直射日光に晒されていたわけだ。

大きく伸びをして首の骨を鳴らす。

今日も調子は良いようだ。


隣では猫がまだ寝ている。

頭を撫でると体をよじって向こうを向いてしまった。

起きている時は撫でられに擦り寄ってくるってのに。


静かにベッドから出て、シャワーを浴びると、大分サッパリした。

服を着て、髭を剃りながら今日のスケジュールについて考える。


これだけ日が照ってるからには外はツライ。

でも冷蔵庫の中身も減ってるし、朝も込みで買い物には出ないとな……

ああ、そういや奴らが昼から来るって言ってたか。

午前の内に買出しで決定だな。

午後は……メンバーが揃ってから考えればいいだろ。

夜の飲みは確定か。


そこでふと思い立ち、時計を見ると9時前。

そろそろ動き出さないと、計画どおりには運ばんと思い、髭剃りを手早く済ませた。

冷蔵庫を開け、冷えた缶コーヒーを取り出して部屋に戻る。


猫はベッドでまだ寝ていた。

こんな暑い部屋でよく眠れると、ある意味感心しつつ冷房のスイッチを入れる。

狭い部屋が冷えるのには、そう時間はかからない。

テレビをつけると、ローカルなグルメ番組が料理を紹介しているところだった。

しばらくその美味しそうな映像を眺めていたが、あまりゆっくりもしていられない事を思い出し、俺はベッドに向かった。


「そろそろ起きませんか」

「にゃーーー」

「コーヒー飲むかい?」

「飲むー」

「朝買いに行くよ」

「行くー。着替えるー」


こうして俺と猫の日曜日はいつものように始まるのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る