善いことをしたら善い結果があるわけじゃない。白黒割り切れることばかりじゃない。そんなグラデーションに満ちた世の中を描く文章が、これまた秀逸で、その「割り切れなさ」を明敏に伝えてくる。それでも悲壮感が感じられないのは作者の人柄なのかな。そんなことを考えながら、心理描写を追いかけ楽しませてもらっています。