to me and for me

されたことと、してもらったこと、どちらを多く覚えていますか?

英語で言う

TOとFORではかなり意味合いが違うのだ。

I would never forget what you have done to me.

貴方が私にしたことは忘れない。

I would never forget what you have done for me.

貴方が私にしてくれたことは忘れない。

前者は恨み節で、後者はありがとう節だ。


悲しく、お恥ずかしいことに、私は前者をよく覚えている。

女性上司からのいわれなき虐めや、同期の足を引っ張る汚い仕打ち、彼氏の裏切り。

自分はとても小さな人間かもしれない。


この歳になるまで、いくつもの出会いと別れがあったけれど、

今思うことは、もし、その場で、あの時あなたはこんなことを私にした!という代わりに、あの時、貴方がこれをしてくれたこと、嬉しかったと云えていたらば、どれだけ私も相手も心が和やかになれたのだろう。


ある日、同僚に、こんなことを言われた。

「仏像ってほとんどが下向き加減の目線だけれど、どうしてか知ってる?」

「分からない。どうして?」

「他人を批判したり非難したりする前に、まずは自分を見ようとしているからよ。」

それが本当なのか、田夫野人な私には分からないけれど、とても腹に落ちた言葉だった。


to meではなくfor meなことを沢山思い出せば、喧嘩も戦争もなくなるんじゃないかな。まずは、あの人がしてくれた「for me」を両手いっぱいに集めてみよう。

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