第2話 下ごしらえ①
時計の針は12時になろうとしていた。
台所でボクは包丁をリズムよく動かしている。
収穫したばかりのトマトとキュウリを小さめにカットする。
初めての友達だから粗相がないように手早く美味しい料理を作りたいと思う。
①下ごしらえ
②下ごしらえ
③盛り付け、出来上がり!
で、作れる『もぐもぐトマトときゅうりの砂漠サメ盛り合わせスペシャル』をクッキングする。
「おいまだか?腹が...空いた」
「うん、もうちょっと待ってねリダさん...!」
「『さん』は寄せ!リダと呼べ!スカイ!」
ドラゴンもとい彼女の名前は『リダ』
ボクは『スカイ』、両親がどこまでも続く空のように大きな人間になれるように命名したらしい。
リダは理由を聞いても教えてくれなかった。
カットした具材を並べ、砂漠に多く生息する『砂漠サメ』の切り身を盛り付ける。
砂漠サメは砂漠の中を自由に移動する雑食魚だ。
汚染された大地に多少抵抗力があるけど寿命が三年と短い。
砂漠サメは死期が近づくと緑の大地で最後を迎える習性がある。
この間の天気の悪い日だった。
庭に一匹の砂漠サメが横たわっていた。
ボクは彼または彼女に手を合わせて、その身を丁寧に解体した。
家にある生物図鑑によると。
砂漠サメは『
砂漠ザメは『植物』以外はなんでも食べる雑食性で、その身には多くの脂肪と塩分を含んでいる。
臭みがほとんどなくて、とくに手を加える必要はない。
野菜に盛り付けると脂肪のトロ味と塩分がうまい具合に味を引き立ててくれる。
このまま2、3分は放置すれば下ごしらえの①はおしまい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます