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「ヴェインが死ぬ事はわかっていたんだよね」


客間でそうキャンベラさんが切り出した。


「ヴェインってこの糞ちびと一緒くらいじゃん?」


「人に指を指すな、糞ちびっていうな!」


あぁ、自分の中のギルド長像が崩れていく……


キャンベラさんはぶつくさ言ってくるギルド長を無視し、話を続ける。


「キャンベラは確か120歳。一応私も弟子だったからね。魔法の記録方法とかいろいろ教えてもらったんだけどね、私一人しか実践してなかったから他に話しても嘘だ、の一点張り。だから伝わってなかったんだ」


「βでも、いろいろあったんですね……」


「率直にいうと、クズが集まっちゃったのがβ。監獄にいる奴が多いからね」


「確かにお前と同時期に来た冒険者は結構監獄にいるな」


NPCもそれを知っているのか。じゃあ、かなりやばい事件でもあったんだろうか。


「話についていけないファクラくんに解説しようじゃないか!」


そう言ってキャンベラさんはメガネを取り出した。


「なんですかそれ?」


「雰囲気だよ、雰囲気!」


白衣まで用意してあるとか、今の装備で羽織るんだ。ローブと白衣で、二重のヒラヒラだな。


「βでは二つの最悪な出来事があった。一つはイベントだったけどもう一つは私たちによって引き起こされたものだった」


そう言ってキャンベラさんはチェスを取り出した。


「私たち冒険者が引き起こした事件、通称〈 天落とし〉。


そう言って黒のキングを右手に持って揺らした。


「その殺戮を行った首謀者はノルン、超級職の 『殺戮王』ジェノサイダーを極めきったヤツでね。とんでもないことに、その事件を起こす一年前から主要人物を殺しまくっちゃったんだよ」


そう言って白の陣営にいたキング、クイーンなどを次々と黒のキングで倒していった。


「彼のまわりにいたやつも曲者ぞろいでね。超級を極めきってたのさ。まあ、そういうやつはなんかぶっ飛んでるからね!」


「笑い事じゃないですよ!」


「しょうがねぇよ、ファクラ。こいつは誰でもこうだ」


呆れるギルド長を見て今まで何度も振り回されていたんだなぁと把握する。


心中ご察知します。


「で、このせいで冒険者は淘汰


「され、かけた……?」


そう言ってキャンベラさんは新たに赤いコマを出した。


軍団レギオン。彼らはそう名乗り、一ヶ月で首謀者とそれに繋がる者達を潰した」


「え」


「軍団の奴らはただ普通に当たり前のようにこう言ったんだよ。“こんなのつまらないじゃないか。”ってな」


「まー、そのおかげで今冒険者はやっていけるのさ。これが天落としの全貌だよ」


かなり省かれているがある程度はわかった。まさかこんなことも出来るなんて……


だから軍団の噂が出れば一瞬で回るのか。超級職の集まりだろうな。軍団か、覚えておこう。今度機会があれば烏にでも聞いてみるか。



「そしてこの事件でわかったことなんだけど、



ワッツ?



ーーーーー


天落とし

首謀者…ノルン・フォリア 職業殺戮王ジェノサイダー

協力者…ギルド血濡れの晩餐ブラッディ・ブラッディ ギルドマスター…†荊軻†


ノルンの呼び掛けにより行われたPKプレイヤーによる事件。元々はプレイヤーが拠点にしていたアルミテシア王国を落としてしまおうというものだったが、意外と簡単に重要官職のものを殺せたことから方針を変更し、王国の乗っ取りを画策したがその事を聞いた軍団により失敗に終わった。


軍団のメンバーには正義の忍者狂い潜入が得意な者がいた為、そんな噂を聞きつけた彼の独断行動により軍団が動くことになったという裏話がある。軍団のリーダーは面白半分で暴れようとしたメンバーをなだめるのに大変だったらしい。


|ωΦ*){ ストック制作したのにゃー


|ω・){ 更新してなかったのはこれが理由ですー


|ω・){ 天落としは結構重要なんですけど、軍団の偉業っていう意味が強いですね。


|ωΦ*){ まぁ、私が行くと一瞬にしてアルミテシアが更地になっちゃうから使い魔を貸しただけなのにゃー


|ω・){何貸したの?


|ωΦ*){んにゃ、


|ω・){オーバーキルッ!

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