超級会合と軍団
19
「だーかーらー!俺は聞いてんだヨ!」
「うっさいよ、
「しゅぴぃー……しゅぴー……」
「相変わらず協調性がねぇなぁ……ま、いつものことだからな」
「ひゃっほーい!みんな相変わらず元気だね!島を一つ壊した?山をひとつ削れたかい?」
「「「「お前に言われたくない!」」」」
「ひゃはー!」
ここは空中に漂う城。ある超級職の住まう王宮の最も広い広間にてかなりの人数が集まっていた。空に浮くもの、下で晩餐を食べる者、そして、お祭り騒ぎというように魔法を撃ちまくるもの。
わちゃわちゃとしながらも楽しい空気が広がっていた。そこに豪快にドアを開け放ち入ってくる者たちがいた。
水をうったような静けさ。その者達は歩みを進め、城の持ち主のもと、中央階段の踊り場に備え付けられた豪華絢爛な椅子に座る彼女のところへ進んでいった。
「久しぶりだねぇ……
「やあ、
そう言ってバチバチと火花を散らす二人。そんなふたりを見て周りはまたか、とため息を漏らす。
「こんな晩餐の場でそないなことをせぇへんでな。面倒な事になるやん」
「そこまでにしてくれ、大将。俺らは女帝と事を構えたくねぇよ」
「あー、わかったわかった。やらんから。ちょっと前に殺された恨みでも晴らそうかと思ったけどやめだ」
「なんや、殺されとったんかいな……じゃあ、殺るか」
「おーい、お前ら用意しろー」
「おいこらさっきの発言なんだったんだよ!」
アハハハという笑い声が広がる。これもまたいつものことだ。
その様子に満足した【女帝】は立ち上がり宣誓する。
「皆の衆!今日もまた
雄叫びがこだました。
これは総合戦闘力ランキング第一位、
ーーーーーーーーーーーー
「ヨォ……
「……
「ちょっと前に僕にあった時と同じ言い方だよ、
「……うっせェ!」
【英雄王】がひとりで壁の近くで食事をしているとよく喋る三人が現れた。ひとりは使い魔だが。
「どうした。
迷宮王】」
「聞きたいことがあるんだってさ、君に」
「アァ。【英雄王】、最近のお前の噂を知っているか?」
何も心当たりがない【英雄王】は首をかしげる。噂になるような事は最近やっていないと思ったが。
「軍団最後の一人がここに来たっていう噂ダ」
「……
「……」
「最近に君の行動が少しおかしいと思ってね、昔話したことを思い出したんだ。『あいつが来るまでひとつ開けとかないといけない。あいつは必ずやり始めたら俺達のいるところに来る』ってね」
「なんで覚えてんだよ……」
意外な記憶力に少し驚愕しながらも、そんな噂がたっていたとはと少し危機感を感じた。
あいつはまだレベルが低いからそんなところには至っていない。
もし、【英雄王】に恨みのあるやつに気づかれたらと思ったがあいつは最初の町で最も安全な場所にいる。よほどのことがない限り大丈夫だろう。
そう思っていた時、カシャーンというガラスが落ちる音が聞こえた。
音源は【女帝】。
「は……?何、これ……」
何かを確認しているようだがかなり取り乱しているようだ。またも会場が少し静かになる。
「……ッ!」
【女帝】は広間の空いている窓から飛び出してしまった。
「……何があったンダ?」
「さぁ……」
「というかこの空気どうすんのさ?」
「……
「……」
多分、このメールだろうな。ところどころから息を呑む声が聞こえる。運営が言っていたが実際に目の当たりにするとは思わなかった。
「たぶん、これだ……」
そう言って【英雄王】はメールのリンクを二人に送った。
『ーNPC魔導師、ヴェイン死亡ー
本日、ヴェインが死亡しました。死因は老衰。葬式は行われません。墓の位置は不明。
以上』
高レベNPCのヴェイン。魔法職についたものなら必ず聞く名前だ。【英雄王】は王様のつてをもらったことがあるくらいだ。
「……どうしようか」
これは
そう【英雄王】の烏は【女帝】であり【放蕩王】のキャンベラが出ていった窓を見つめた。
ーーーーーーーーーーーー
|ω・){第2章超級会合と軍団、開幕。
|ωΦ*){さて、パワーの崩壊が発生するよ?
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