4
森に入ると一気に先ほどまでとの感じが変わった。一歩歩くだけで感じるピリピリとした視線。しかし、襲うのを躊躇しているようだ。
「うーん、やっぱり大きく上回りすぎると襲ってこないのか……困ったな、感覚がつかめないじゃないか」
レベル差がありすぎる場合プレイヤーを畏怖するという不思議なシステムのせいでここまで、一切襲撃がなかった。というかキャンベラさんはどのくらいレベルが上なんだ。
このままでは埒があかない。自分が少し前に進めば襲ってくるだろう。
「じゃあ、自分一人で先行しますね。危ないと思ったら介入してください」
「ちょっ」
キャンベラさんと少し離れたところいきなり《Encount!》の文字が躍った。
ポーンアント Lv.14
ポーンアント Lv.14
ポーンアント Lv.14
ポーンアント Lv.14
ポーンアント Lv.14
ポーンアント Lv.14
ポーンアント Lv.14
ポーン(ry
「おおくねっ!?」
そういいながら剣を抜き、とびかかってくるアリを切っていくが終わりが見えない。司会は赤いマーカーで覆いつくされてしまっている。使える魔法をすべて駆使しながら戦うが一向に数は減らない。
「かたくはないっ、けどっ」
「テンペスト」
パリッ
という何かが走る音が耳元でした後、一瞬で目の前にいたアリが一掃された。
《先ほどの戦闘で識別のレベルが2上がりました》
《先ほどの戦闘で鑑定のレベルが2上がりました》
《先ほどの戦闘で風魔法のレベルが2上がりました》
《先ほどの戦闘で土魔法のレベルが3上がりました》
《土魔法、アースヒールを習得しました》
《先ほどの戦闘で火魔法のレベルが2上がりました》
《先ほどの戦闘で剣のレベルが2上がりました》
《先ほどの戦闘で手業のレベルが上がりました》
《先ほどの戦闘で職業レベルが上がりました、任意のステータスに1振ってください》
……はっ!?
「まったく、パーティーになっているんだから焦んなくていいのに。一応私はサモナーでもあるんだから魔物を呼ぶことができるんだって。切り替えているときに先行されたら困るよ」
そう言って先ほどは持っていなかった杖を前に掲げたキャンベラさんがこちらに歩いてきた。
「す、すみません」
「今度から気を付けてよ」
やれやれと息をつきながらキャンベラさんはロッドを二三度振る。装飾がしゃらしゃらと音を立てる。見るからに高価そうな、そして力が強そうな武器だ。
「じゃ、ちょっとずつ魔物を呼ぶからやっていこうか」
「あ、ちょっと待ってください。ステータス操作を」
Name:ファクラ
Job:
ステータス
体力値 6
敏捷値 7
器用値 6
筋力値 6 (+1)
精神値 9
知力値 9
《スキルポイントが1増えました》
《先ほどの戦闘で職業レベルが上がりました、任意のステータスに1振ってください》
うぇ!?まだあがるのか!?
Job:
ステータス
体力値 6
敏捷値 7
器用値 6
筋力値 6
精神値 10 (+1)
知力値 9
《スキルポイントが1増えました》
《現在の戦闘でのボーナスでスキルポイントが3増えました》
「いいかい?」
「はい、大丈夫です」
さっきの戦闘で足りないものが見つかった。速さだ。自分が今使える手数が少ない。杖と魔法所では完全に後衛になってしまう。速さどころか一発食らっただけで逃げないといけなくなってしまう。今スキルポイントが8ある。うーん、手数、となるのであれば前衛系のスキルだろうがそれに対応する武器がない。その状態で戦いたくはない。宝の持ち腐れになってしまう。
識別 Lv.6
鑑定 Lv.6
風魔法 Lv.5
土魔法 Lv.4
火魔法 Lv.5
New! 水魔法 Lv.1
New! 光魔法 Lv.1
New! 闇魔法 Lv.1
錬金術 Lv.1
魔法陣 Lv.1
剣 Lv.7
手業 Lv.6
こうしました。魔法職なのでやっぱり魔法は習得するべきなんだろう。スキルポイントがたまったら今度は近接系スキルを取ろう。
え、魔導師じゃない?しるかっ!俺は俺の道を行くんだっ!
「ほーい、来るよ。ポーンアント4体」
「はいっ!」
魔法職らしく、魔法のみを使って倒してみますか。視認ができたがまだ《Encount!》の文字が出る前に魔法を打ち出してみた。
「ウィンドカッター、アースバレット、ファイヤーボール、ウォーターボール、ライトボール、ダークボール」
6個同時に打ち出してみたところ、相手に着弾した瞬間爆発した。土気煙が引くとそこは半径五メートルほどの円状にえぐり取られていた。
……
「ふぁっ!?」
「えっ、複合魔法!?」
キャンベラさんが気になることを言ったがそれどころではない。
《先ほどの戦闘で風魔法のレベルが上がりました》
《先ほどの戦闘で土魔法のレベルが上がりました》
《先ほどの戦闘で火魔法のレベルが上がりました》
《先ほどの戦闘で水魔法のレベルが2上がりました》
《先ほどの戦闘で光魔法のレベルが2上がりました》
《光魔法、ライトヒールを習得しました》
《先ほどの戦闘で闇魔法のレベルが2上がりました》
《闇魔法、ダークヒールを習得しました》
《先ほどの戦闘で魔法陣のレベルが4上がりました》
《先ほどの戦闘での行動により、奇襲がスキルに追加されました》
自分が弱いってことがわかるスキルレベルの上がり方だよなーって、そうじゃなくて。
「戦闘での行動により……?」
「あーやっぱ追加されたか。それはちょっとした技だよ」
キャンベラさんいわく、遭遇前に攻撃をしたら奇襲、遭遇しても隠れて逃げれたら隠密などのように、戦闘中の行動によって追加されるスキルがあるらしい。そういうスキルは補助の意味合いが強いがかなり使えるらしい。しかも、スキルポイントいらずだからこぞって探しているらしいが判定がシビアすぎてあきらめるやつが多いとのこと。
「なれれば大丈夫さ、というよりも、なんで初期職の君が複合魔法なんか使えるのかな?」
「ていうか、複合魔法って何ですか?」
「え」
「え?」
複合魔法とは、初期で手に入れれる魔法をカンストさせて膨大なスキルポイントを支払って手に入れる魔法の総称。先ほどキャンベラさんが使っていたテンペストという魔法は雷魔法の呪文で手に入れるためには風魔法Lv.50土魔法Lv.50にしないといけなかったらしい。
「で、今君が使ったのは全魔法って呼ばれる奴だと思う。まだ未確認だけどすべて消し去ることができたのを見ると、ね」
「えぇ、まさかこんなことができるとは。驚きです」
「ベータやってたけど君みたいな子は見なかったよ。すごく運がいいんだね」
「そうでしょうか……」
しかし、行動によるスキルの追加はなかった。
「たぶんそれはレベルじゃないかな」
「複合魔法がレベルで解禁されるのでそれをを守っているんですね」
「確かに、そうっぽいね」
当分はこれを練習しておこう。そうすれば戦闘時にかなり楽になるだろう。剣と組み合わせてゼロ距離高速移動砲台的な。しかも自動攻撃あり……うん、目指してもいいかもしれない。
「さて、ついたよ。ここがヴェインの家だ」
「おぉ」
森が少し開けたところに立派な城門が、って城門!?
「ヴェ、ヴェインさんっていったい何者?」
「しがいのない魔導師だよ。はじめまして、そして、何しに来たんだ。キャンベラ」
城門の前には金髪青目のイケメンさんがいました。
うん、殺意が湧いたのはしょうがない。
ーーーーー
Name:ファクラ
Job:
ステータス
体力値 6
敏捷値 7
器用値 6
筋力値 6
精神値 10
知力値 9
スキル
識別 Lv.6
鑑定 Lv.6
風魔法 Lv.6
土魔法 Lv.5
火魔法 Lv.6
水魔法 Lv.3
光魔法 Lv.3
闇魔法 Lv.3
錬金術 Lv.1
魔法陣 Lv.5
剣 Lv.7
手業 Lv.6
奇襲 Lv.1
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます