2
最後にNPCの叫びが聞こえた気がしたが、気のせいだろう。そんなことよりも。
「おぉ……」
リアルではないがリアルに近いくらい似ていると言われているがこれは納得できる。人々の活気の声、武装した人もいる。
確か黒鳥は困ったことがあったらギルド会館へ行けって言ってたよな……。歩けば大丈夫か?だが俺は方向音痴なのだ。うむ……
「すみません、ギルド会館ってどこにありますか?」
手段その一、露店の人に聞く。
近場に露店があったのでそこの人に尋ねてみた。
「ん、なんだい?あんさんはここが初めてなのか?」
「えぇ、まぁ、そうですね」
「ギルド会館なら町の中央にあるぜ、右に進んでいくと噴水広場にでるからそこですぐわかるとおもうぜ」
「あ、ありがとうございます。ついでにその果物もらっていいですか?」
「おうよ、40グルだ」
赤い果物(チラの実)をかじりながら広場を目指す。
《free・make・online》とは、VRMMORPGである。異世界をモチーフに作り上げられたこの世界では剣と魔法が主流で魔物を倒して進めるゲームである。
一般的なRPGと違うところは、魔王がおらず、フィールドにまれに発生するボスモンスターを倒すという風になっている。もちろん定番のコボルトやオーク、ゴブリンなどもいる。
最終目標は一切ない。自由に作り進めていく、それが《free・make・online》である。
「なお、この世界での食事はリアルでの食事と同じ快感が得られるって……ログアウトいらずだな」
チラの実を食べ切り、周りを見回す。
「タンク募集中っーーー」
「誰か俺と組んでくれませんか?」
「ヒーラーやってますー」
噴水広場はプレイヤーと思しき人たちで埋め尽くされていた。まあ、自分はここに用があるんじゃない。だが、周りにある鍛冶屋には目移りしてしまう。うぅ、あの剣いいなぁ……軽くて使いやすそうだ。未練がましく噴水広場をするするとすり抜け、ギルド会館の中へと入っていった。
中は居酒屋のような場所だった。受付の空いているところに行き初心者は何をすればいいのかを尋ねると
「それなら、ヴェインさんのところに行ってはどうでしょうか。最近弟子が一人ほしいと言っておりましたので」
「ヴェインさん……ですか?」
「えぇ、
「うーん」
この手のゲームはこれが初めてだからな。何も知らないで行くよりかはましかもしれない。しかもあいつにギルドに入ってくれと頼まれている以上何も知らないで行くのは失礼だろう。
「じゃあお願いします」
「はい、それではヴェインさんの家は西の町はずれの森の街道を少し行ったところにありますのでお気をつけて。これが紹介状です」
「ありがとうございます」
ギルド会館を出て西の門へ行く前に武器屋に立ち寄ろう。今の初期装備では少し不安だ。
《ステータス》
Name;ファクラ
Job;魔導師
装備
武器1;新米魔導師の杖
武器2;新米魔導師の魔導書
頭;新米魔導師の帽子
上着;新米魔導師の服
ズボン;新米魔導師のズボン
靴;新米魔導師の靴
アクセサリー1;新米魔導師のローブ
アクセサリー2;なし
アクセサリー3;なし
スキル
New! 識別 Lv.1
New! 風魔法 Lv.1
New! 土魔法 Lv.1
New! 錬金術 Lv.1
New! 魔法陣 Lv.1
スキルポイント 15
となっている。現在の状況では体を動かすことが全くできない。ひとまず、近接戦闘のできるスキルを何個かとっておこう。しかし、魔法職でもあるから魔法も取っておくべきだろう……悩むな、これは。
ひとまずこうすることにした。
スキル
識別 Lv.1
New! 鑑定 Lv.1
風魔法 Lv.1
土魔法 Lv.1
New! 火魔法 Lv.1
錬金術 Lv.1
魔法陣 Lv.1
New! 剣 Lv.1
New! 手業 Lv.1
スキルポイント 1
剣と手業のスキルポイントが5と重かった。やはり後衛職には取りにくいようにしてあるのだろう。そのかわり、鑑定と火魔法は2と軽かった。魔法はあと三種類あるからスキルポイントがたまり次第習得しよう。
そして際ほど見ていた武器屋にて自分の筋力値でも扱える手ごろな剣を買い、杖と魔導書をはずして剣を装備した。
……魔導師じゃないだって?知るか、ひとまず安全策で行くんだよ。これが俺のやりたいことだ。
ーーーーー
Name:ファクラ
Job:
ステータス
体力値 6
敏捷値 6
器用値 6
筋力値 4
精神値 9
知力値 9
装備
武器1;手ごろな剣
武器2;なし
頭;新米魔導師の帽子
上着;新米魔導師の服
ズボン;新米魔導師のズボン
靴;新米魔導師の靴
アクセサリー1;新米魔導師のローブ
アクセサリー2;なし
アクセサリー3;なし
スキル
識別 Lv.1
鑑定 Lv.1
風魔法 Lv.1
土魔法 Lv.1
火魔法 Lv.1
錬金術 Lv.1
魔法陣 Lv.1
剣 Lv.1
手業 Lv.1
スキルポイント 1
|ω・){街から出れなかった……
|ωΦ*)✧{次がありますよーw
8月21日改訂
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます