カンノーリ

 正直、知っている人いないだろうと思いつつも

 百貨店で売っているのを見かけたので、実はそうでもない?


 と、思ったけどやっぱり知らない人がたいはんであろうカンノーリ(単数形はカンノーロだけど、複数形のカンノーリで浸透している)

 

 しかし、これを機に調べたみた結果、なんでも映画の「ゴッドファーザー」に度々登場しているという理由で名前と形だけは知っている人も多いと発覚


 こちら、イタリアはシチリアを代表するドルチェかつ伝統的な郷土菓子です

 

 本来は謝肉祭カルネヴァーレに食べられる季節菓子ですが、現在においては1年中楽しむことができるそう


 形は〇や♦の左右を合わせた筒状で、わかりやすく言うと「丸ごとバナナ」

 ただ、周りの生地は油で揚げたモノで中身のクリームは砂糖などで甘みを加えたリコッタチーズ

 そして、人工的な鮮やかさのさくらんぼの砂糖漬けドレンチェリー


 早い話が、さくっと揚げたパイ生地+リコッタクリーム

 シンプルゆえに不味いわけがありません


 けど、リコッタチーズやドレンチェリーが嫌いな人は駄目でしょう

 

 とはいえ、リコッタチーズはさほどチーズ臭くはありません

 実際、シチリアではチーズに分類されておらず、リコッタはリコッタとして扱われています

 

 代用品として自家製――牛乳+ヨーグルト+レモン汁――できることから、なんとなく味のたんぱくさは想像つくかな?

 

 正確には牛乳から乳脂肪とカゼインを除いた水溶液、ヨーグルトの上澄みの水といった乳清ホエイから作るんですけどね

 

 その為、味も匂いも癖がなく――

 似ているといえば、モッツアレラチーズでしょうか?

 単体で食べることは少なく、他の材料やソースと組み合わせることで真価を発揮するもの


 あと、ドレンチェリーも必ずしも使われるわけではありません

 オレンジやレモンピールといった他の果物の砂糖漬け

 もしくは、チョコレートをトッピングにされることも多いそうです


 もっとも、日本だと赤と緑のドレンチェリー率が高いと思われます

 こちらはスーパーなどの製菓コーナーでも売ってある、ほんと人工的で――いかにもアメリカ的な赤と緑のさくらんぼ



 さて、最後のマリアージュですが

 イタリア菓子ということで、やはりコーヒーやお酒を合わせるという方が多いでしょう


 とはいえ、カンノーリに関しては紅茶も合います


 セイロン、キームン、市販のダージリン、リーフのアッサム

 いわゆる、特徴的な渋みが少ないストレートならリコッタクリームの酸味とも喧嘩せず、美味しくいただくことができます


 また、フレーバーティーもいいでしょう

 癖が少ないとはいえ、食べ慣れないリコッタの風味が苦手な方にはおすすめです(まぁ、それならコーヒーのほうがいいけど)


 サクッとした歯ごたえに、あっさりとしながらもクリーミーなリコッタ

 サイズや形的にも食べやすく、ちょっとしたお菓子に最適

(ギネス記録で4mを超える大型カンノーリもあるけど)


 問題としては、日本だと作り置きという観点から生地が湿気ている場合が多いということ

 一応、内側にチョコレートなどでコーティングしているでしょうが、完璧に防ぐことは叶わず

 

 正直、湿気たカンノーリは最悪です

 それを食べて、不味いと思われるのも最悪です


 最近では、注文を受けてからクリームを詰めるシュークリーム店が増えてきているので、こちらもどうにかなるといいんですけど……

(食べる直前にクリームを詰めたモノを、カンノーリ・エスプレッソと呼ぶそうです)

 知名度的にまぁ、難しいでしょう

 

 なので、今のところはイタリアンレストランか家で作って楽しむのがベターかな

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