(ゲルマンの)レープクーヘン
古代にルーツを持つと言われているこのお菓子は、ゲルマン系の人々の間で親しまれています
特にドイツ、オーストリア、スイス……etc.
このお菓子は中世の頃より愛されており、修道院を中心に発達していきました
すなわち、「カヌレ」と同じように簡単に作れるということ
また、
中世ですので、明かりはロウソクに火を灯すことで入手していました
加えて、多くの宗教儀式においてロウソクは不可欠
中でも、ハチミツから作られる蜜ろう(ロウソク)は上質とされていましたので、修道院では蜂を沢山飼っていました
そのハチミツがレープクーヘンの主材料で、なんと材料の約50%を占めます
そこに同量の穀物の粉(小麦粉、ライ麦粉)を混ぜ合わせ、しばらく貯蔵した生地を焼き上げたのが原型
配合的に水分量が少なく、油脂も入りませんので焼き上がりはとても固くなります
反面、日持ちがする上に装飾には適しておりますので、修道院では巡礼者たちに配る参拝記念としていたとのこと
現代においても、教会の模様や聖書の世界、キリスト教にちなんだデザインや家紋の刻印など、その名残が沢山残っているみたい
どうやら、このお菓子は記念品を始めとしたギフトの意味合いが強かったようですね
それが近世にかけて、香辛料がふんだんに入ったお菓子に変化
今日において、レープクーヘンといえば香辛料とハチミツがふんだんに入ったクッキーとして紹介されています
使われる香辛料は東洋由来のモノが多く、コリアンダー、シナモン、アニス 、ナツメグ 、クローブ……etc.
(正確にはケーキですが、日本人からすればクッキーでしかない)
それでも、基本的な材料は原型のままで卵も油脂(バターなど)も入りません
ですが、大きな変化――というより、配合によって名前は同じでもまったく違う2つのお菓子に分かれました
1つはクッキータイプのレープクーヘン、もう1つはケーキタイプの(エリーゼン)レープクーヘン
前者はいわゆる、ヘンゼルとグレーテルが迷い込んだお菓子の家――
つまり、歯が立たないほど固い
食べるよりも、組み立てたり飾ったり――装飾的な意味合いが強い昔ながらのレープクーヘン
レシピも同じように原始的で、ハチミツと同量の穀物の粉が入ります
後者は、柔らかくて食べても美味しい
穀物の粉がほとんど入らず、アーモンドを始めとしたナッツの粉になったおかげで、食感も味もお菓子としてランクアップ
(材料の25%がアーモンドなどのナッツ類だと、エリーゼン・レープクーヘンとなる。ドイツでは、配合によって名称が変わるなど細かい規定があり)
食感が一番似ているのは「丸ボーロ」かな?
日本で売られているのはハート形が多く、チョコレートやアイシングで可愛らしくデコレーションされております
さて、このレープクーヘンですが好き嫌いが分かれます
味は言うまでもなく、香辛料が効いていますので……
そして、食感
あのクッキーともケーキとも言えない、独特の柔らかさ
これまた、好き嫌いが分かれます
正直に言いますと、レープクーヘンは勧めにくいお菓子です
モノによっては味も食感も違いますので、一概にどうこう言えない
実際、初見の方がレープクーヘンを買うのは、単に形やデザインが可愛いからだと思われます
もっとも、グローサリーショップなどで売っているのはデザインも地味ですけどね
ただ、クリスマスマーケットのような場所で売られているのは、とっても可愛いらしいです(ハート、サンタ、トナカイ……etc.)
ドイツクリスマスマーケットではリボンを通して、吊るして売られていました
他にも、ドイツパンを扱っているようなお店
こちらも買って貰おうとしてか、子供が喜ぶようなデザインが多いかな?
ちなみに、材料にアーモンドを始めとしたナッツ類
最近では卵、バターなど
とにかく、ハチミツ、香辛料、穀物の粉(小麦粉)
この3つ以外のモノが入れば入るほど、食感は柔らかくケーキタイプになりますので、買う際の目安にしてください
というわけで、興味を持った方は是非とも「レープクーヘン」お試しを――
海外の文化、クリスマスの祝い方
それぞれ違うのは当たり前ですが、実際に触れてみますとまた少し、違った感想が出てくるかもしれません
――なんであれ、とりあえず話のタネにはなるでしょう
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