クレープ・シュゼット
日本だと、クレープは手で持って歩きながら食べることができる、手軽なお菓子のイメージが強いと思う
だけど、フランスにおいてはアントルメ――コース料理のデセールとして、供されることもある立派なデザート
だって、クレープは
とはいっても、クレープが誕生したと云われる16世紀ではパンの代わり、もしくはおやつとされていたみたい(クレープの元となった
その起源はキリスト教の
それでも、2月2日になるとフランスの各家庭ではクレープが焼かれ、食べられているそうです
他にも、左手で金貨を握って、フライパンで焼いたクレープを高く放り投げ、上手く元の戻せるかどうか――という、
これは、かのナポレオンも挑戦したといわれていますね
上手くいけば、その年は幸運が訪れ、お金に困らない――らしいですけど、これ、何回でも挑戦できるそうです
ただ、現代のフライパンならともかく、昔の鉄製だと高く放り上げるどころか、くっつかないように焼くことが難しいので成功者は少なかったのかな?
そういった催事のお菓子が、次第に家庭でも作られるようになったのが17世紀頃
そこから、とんでとんで19世紀
やっと、タイトルにもある
このお菓子、名前はともかくとして、実は知っている人も多いと思う
「クレープ」「らせん状にむいたオレンジの皮」
「
と、単語だけを抜き出せば「あー、あれかっ!」となる世代の方もいるんじゃないかな?
一時期、ホテルの代名詞みたいに取り上げられていましたからね
生み出したのはピーチ・メルバと一緒のエスコフィエ
ただ、この方が作った時にはフランベの工程はなく、焼き上げたクレープをオレンジジュース、オレンジの表皮を入れた溶かしバター、オレンジのお酒で軽く煮込んだものだったとか?
余談ですが、シュゼットのクレープは慣れ親しんだものよりもモチモチとした食感をしています(バターの配合が多い為)
それを丸く焼き上げたのち、2~3回折ったものを使用
お店で頼むと、それが1~3枚あるのでボリューミーでお腹いっぱいになるかも
さて、そこに文字通り火を付けた人は錯綜としているようですが、一番有名なのはアンリ・シャルパンティエで間違いないでしょう
ただ、彼が火を付けたのは偶然であり、意図的ではなかったとのこと
つまり、これも失敗から生まれたお菓子の一つというわけですね
日本の大手洋菓子ブランド「アンリ・シャルパンティエ」は、その彼にあやかった名前となります(一部店舗で、クレープ・シュゼットを提供している)
ちなみに、「
珍しい名前ではないこともあって、これまたどこの誰だったかは錯綜としています(さる令嬢、貴族の女性、コメディ女優……etc.)
このクレープ・シュゼットは、ピーチ・メルバと違って年中扱っているお店が多い
特にホテルとクレープリーでは、定番かつ看板メニューになっている
やはり、目の前で火を付けるのは見栄えがいいもんね
だけど、このお菓子は苦手という人も少なくはないと思う
まず、圧倒的なオレンジ
次に、ソースを染み込ませたクレープの食感
そして、お酒が使われていること
以上の点で気になるところがある人は、注文しないほうがいいでしょう
やっぱり、お値段がそこそこしますからね……(たいてい1000円は超える)
では、そろそろ紅茶を合わせてみたいのですが……どうしましょうか?
クレープ・シュゼット自体が強烈なオレンジですからね
とりあえず、アールグレイを始めとした柑橘系のフレーバーティーは合うでしょう
また、ニルギリやキャンディといった個性の弱い紅茶も悪くない
紅茶にオレンジのスライスを浮かべた「シャリマーティー」というアレンジがありますからね
反面、ダージリンやウバといった個性の強い紅茶は合わないかも
個人的には、ミルクティーがおすすめかな
中でも、渋味の弱いキームンが良い
オレンジの程よい苦味を味わうには、アッサムではちょっと強すぎる
けど、ミルクと柑橘の組み合わせは好き嫌いがはっきり出るので注意が必要
また、シュゼットはお店じゃないと食べられないお菓子なので、キームンが必ずあるとは限らない
となると、最適なのはアールグレイ
それもアイスミルクティーが良い
アイスティーなら香りも程よく抑えられるし、シュゼットの温かさを強く感じられる
ミルクを入れれば紅茶の渋みに惑わされず、クレープに染み込んだオレンジの繊細な苦味を堪能できる
そういった理由から、私はアイスミルクティーをおすすめする
※おそらくですが、クレープ・シュゼットにコーヒーは合わないと思います
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