最弱？最強？ヴァンパイア成り上がりハーレム

第6話 新たなるスキルと仲間

ミラから元配下を助けに行くぞ宣言を聞いた３０分後オレとミラは門から離れ裏路地にいた

「なぁー元配下ってなに？どういうことだ？説明しろよ」

「知るか、リクトなんて、お主はスキルカードで自分の能力でも確認しとれ」

そう言うとミラは前に使ったスキルカードを投げて渡した

スキルカードの使用回数制限とかはないらしい

便利なカードだな

自分の能力がどれだけ上がったか知りたかったからちょうどいい

オレはスキルカードを額に当てた最初は数秒後にポンっとなったが２回目は少し長めだった

３０秒ぐらいしてようやくポンっという音がなった

文字は読めないが左目の魔眼を発動させて読み取った

《物体名:能力確認カード、解読結果

個体名:三山　利久人

種族:ハーフヴァンパイア

種族能力:恐怖支配　D　殺気凶悪化　C

身体能力増加　D　憎悪倍加　C

追加獲得スキル、斬撃耐性　F　打撃耐性　F

個体能力:魔眼名リーディングアイ

効果、視認した物質の名称、事柄を読み取る、魔法の本質を見抜き、解読、理解

追加獲得スキル、理解者

理解した物体、魔物の特徴やスキルをコピーすることができる（一つの物体からは一つだけ、魔物のスキルも同様で一つだけ）》

らしい

強くなっているどころか規格外の能力を得てしまった

オレはスキルカードを見て驚いていた

ミラはスキルカードの内容が見たくてそわそわしている

「なんだこれやべぇーな.....ハハハ」

「はやく見せんか」

ミラはもう耐えられないとばかりにオレの手からスキルカードをとった

「はぁ～なんじゃこれは？ありえんぞ

突発的に能力の覚醒なんて聞いたことがない

アイテムを使った外付けの能力なら分かるがこれはありえん

それに種族能力の成長スピードもありえん

最初の能力から次の能力への進化が早すぎる

それも４つ全て進化しておる」

ミラは驚きのあまりスキルカードの不備を疑ったが何度試しても結果は変わらなかった

どうやらオレは成長速度がかなり速いらしい

種族能力の進化とはなんだろう

もはや自分自身に呆れている

元の世界じゃ普通を極めたような男が

異世界に来た瞬間これかよ

もはや笑える

「ハハ....能力の進化ってなに？すごいの？」

オレは自分に呆れているがテンションが上がっていた

テンションが上がらない方がおかしいだろう

自分が成長したことを実感できるのだから

「いや能力の進化自体はさほど珍しくないよくあることじゃが速さが異常なのじゃ」

ミラは何度もスキルカードを見直しながら言った

よほど信じられないことなのだろう

オレにはよくわからんが

「飯にしないか？腹が減った」

最近は味気ないものばかり食べてきた

調味料がない場所に放置され野生同然の暮らしをしていた

「そうじゃないくら考えても始まらん腹ごしらえが先じゃな」

そう言うとミラは空間魔法を使い食料を取り出した

出した食料は野菜がメインだった

「野菜か.....。」

「なんじゃ好き嫌いはダメじゃぞ」

ミラは顔をしかめさせて言った

確かにそうだが生で食うのは少しきつい

ミラは魔法で火をだし野菜に火をとおした

「いやいや火をとおせばいいってわけじゃないぞ、もっとしっかりとした物を食べたい

３週間もまともな飯を食ってないんだぞ」

ミラは３週間放置したことに罪悪感があったのだろう

ミラは料理を始めた

手際はよく、すぐに料理は終わった

作られたものはわからなかったがいい匂いがした

「ミラって料理出来たんだな」

ミラは誇らしげな顔をしていた

意外すぎてびっくりした

「あたりまえじゃ、大体のことならできるぞ」

腰に手を当ててドヤ顔で言ってきた

確かにすごいがそこまで誇ることか？

まぁーかわいいからいいけど

「冷めない内に食べるぞ、今日はちとハードなことをやるから体力つけないとないけないのじゃ」

ミラは自分の作った物を無言で食べ始めた

何か分からない物を口に入れるのは少し抵抗あるが食べてみた

「うまっ！！！！！」

よく分からない物だが本当に美味しかった

全部食べお腹がいっぱいになった

「いやぁーうまかった、ミラはいい嫁になるな

むしろオレが欲しいくらいだ」

腹に手を当てながら言った

ミラはうつ向き耳を真っ赤にしていた

やはりミラはこうゆう話題は好きじゃないよな

「すまんミラ、オレじゃ嫌だったよな」

ミラは顔を上げ下唇を噛んでいた

頬は深紅の瞳より赤く染まっていた

数秒こちらを見るとまた下を向いてしまった

「嫌ってわけじゃないぞ、ただ速いとおもうだけじゃ、お主のことは嫌いじゃないし、

でも順序ってものがあるし........。」

何やらミラがボソボソと言っていたが聞こえなかった

「ん？なに？」

「っ！うるさい飯を食ったならもう行くぞ！」

そう言うとミラは背中を向けて歩いていった

オレはその小さな背中を追った

数十分歩いた

ミラはずっと無言だった

オレの顔を見るたび赤くなっていた

そんなにオレが嫌なのか

ミラは突然立ち止まり喋るなというサインをだしデカイ倉庫の建物を見ていた

「ここか？」

できるだけ声を小さくし耳元で話した

「うむ、奴隷を販売してる組織の拠点じゃ、奴隷の大半は亜人じゃ、たまに人間の奴隷もいるがな」

ミラの声には怒りという感情がこもっていた

いつもは優しげに見守ってくれるミラの顔が怒りで歪んでいた

歪んでもなおミラはかわいいのだが

「どうするんだ？忍び込むのか？」

「なわけなかろう、正面から堂々とじゃ」

怒りが今にも爆発しそうな声でいった

だが堂々とやって大丈夫なのか？

「正面から堂々とは..........」

「妾はミラである、元の呼び名は血に塗られた吸血姫と呼ばれる吸血鬼の真祖じゃった、妾の配下を返して貰うぞ

拒否するならお主らの命は全てなくなると思え」

「おい！なにやってんだよ、もう少しやり方ってもんがあるだろう」

止める暇なく裏路地から出て奴隷販売組織のアジトに大声で開戦宣言してしまった

相手の戦力や人数、逃げ道の有無の確認はやらないとこっちにまで被害が出る可能性がある

「バカ！後先考えずに言うな」

オレはそんなことを言っていると建物からどんどんと人が出てきた

人数は20人弱出てきた

「ザコは任せるのじゃ」

ミラはそう言い残し走って奴隷販売組織のアジトまでいった

呼び止める余裕もなく行ってしまった

20人弱の人達は怒声を上げながらこっちに走ってきた

ミラのことを無視して

「はっ！！マジか」

逃げようと後ろを向いた瞬間３人の男達が行く手を阻んでいた

「うわぁー疲れてんのにあの人数と戦えってか？鬼畜だな」

オレの独り言が奴らの怒声にかきけされて

３人の男達には聞こえていなかった

「てめぇーかアジトの前でわめいてバカは」

３人の一番左側の男がオレに問いかけてきた

そんな質問に意味があるとは思えない

どちらに答えても結果は同じ

ならばとるべき行動は決まっている

「黙って、かかってこいぶっ潰してやるから」

オレは挑発した怒った方が動きが単純になる

その方が戦いやすい

男はオレの幼稚な挑発に乗ってくれた

「ぶっ殺してやる」

男はショートソードを鞘から抜き斬りかかってきた

力任せの攻撃だった

オレはナイフの刃でショートソードを受けとめ斜めに力を流した

ショートソードはそのまま下に行き

男の態勢は崩れた

「え？」

間抜けな声を出した男の腹を殴り気絶させた

身体能力倍加の能力のおかげで屈強な男を一撃で沈めることができた

「次は誰だ？」

ハーフヴァンパイアの能力殺気凶悪化を使い二人を怯えさせた

オレが１歩近寄ると男達は情けない悲鳴を残し闇に消えていった

「構えろ、侵入者は魔物だ大楯隊は前へ

弓矢隊は中央から援護射撃、魔法使いは詠唱を開始！」

リーダーっぽい男が仲間に指示を出していた

いい連携だミラも見習って欲しいものだ

弓矢と剣なら身体能力倍加で皮膚を硬質化すれば防げるだろう

だが魔法は使ったことも受けたこともないからダメージは未知数だ

「魔法はヤバイって」

オレは呟きながら逃げようとした

だが透明な壁に阻まれ逃げることはできなかった

「魔法発射ぁー」

後ろでリーダーっぽい奴の声がした

すぐさま奴らの方を向き魔法を回避しようとした

飛んでくる３つの火の玉があった

何か手はないか？

くそ死にたくない

なにか

なにか

なに.....魔眼！！

魔眼を発動し３つの火の玉を見た

すぐに魔法の情報が流れてきた

《魔法名:ファイヤーボール

威力　C　消費魔力　小　

詠唱呪文　我は火炎を望み悪を滅却せんとするものファイヤーボール

魔法の理解しました、詠唱なしで発動が可能になりました》

ファイヤーボールはさらに近くまできていた

オレは今覚えた魔法を発動した

「ファイヤーボール、ファイヤーボール、ファイヤーボール」

焦っていたがなんとか噛まずに言えた

飛んできたファイヤーボールはオレのファイヤーボールと打ち消しあって無くなった

「なんだコイツ魔法まで使えるのか！」

いや今使えるようになりました

リーダーっぽい男は魔法使い達を待機させ

前に出てきた

「お前らは待機していろ、オレが殺す」

「いいのか、逃げなくて？」

「黙れ化け物」

リーダーっぽい男は日本刀らしき武器を構えた

男は一気に距離を詰めて斬りかかってきた

首を落とそうとしている

首めがけて横一閃

身体能力倍加を使っていたからギリギリ避けられた

「これをかわすかよ」

いやギリギリですよ

戦闘に集中しているからか声が出なかった

いや出す余裕などなかった

すぐに斬りかかってきた

右肩を狙った攻撃だった

その攻撃をナイフで受けとめ力を流して態勢を崩させた

男の腹を全力で殴ったが気絶はしなかった

「なぜ.....殺...さない」

男は裏路地でうずくまりながら言った

「殺したくないから」

オレは素っ気なくいい残りの奴らを見た

リーダーが戦闘不能になったことにより

統率が無くなり口論になっていた

みんなで襲うべきだ

逃げるべきだ

隊長を助けにいかなければなどなど

ん？隊長？なんのことだ？

魔眼を発動させうずくまっている男を見た

《個体名:ラゴッド・リー・ドルマン

役職　王国戦士団三番隊団長、第二王女親衛隊隊長

種族　人間

個体能力　剣術　B　魔法耐性　C

指揮能力向上　C　毒耐性　D》

らしい

新しい能力　理解者で魔法耐性をコピーしておいた

戦っていた男は王国戦士団三番隊団長だった

ってことは奴らは軍人か

口論は収まるどころかひどくなっていた

敵の前でそれって危機感無さすぎるだろ

「おいお前ら王国戦士団の奴らだろ

敵を目の前にして口論とか危機感無さすぎるぞ」

戦士団の奴らはオレの言葉を聞き肩をビクッとさせた

オレに恐怖したのか

自分達の身元が知れていることに驚いたのか

またはその両方かもしれない

「コイツは死んでないから速く治療してやってくれ」

オレの言葉が意外だったのか全員キョトンとしている

オレはしょうがなく男を担ぎ奴らのもとまで運んだ

後ろで待機していた魔法使いが回復魔法を使って団長を回復させた

その魔法使いに魔眼を発動し回復魔法をコピーしておいた

「なぜお前は俺を殺さなかった？」

回復魔法で回復した団長か腹を押さえながら言った

そんなもん答えは決まっている

「誰だって殺されたくないだろ

それにオレ自身人を殺したくはない」

オレの言葉を聞いて団長は笑っていた

団員は眉を寄せている者や驚いている者や呆れている者までいた

「クッハハハ、そうか殺したくないか

面白い魔物だ気に入ったオレの部隊に来ないか？」

「ちょっと団長！相手は魔物ですよ王様が許す訳がないでしょう」

「うるさい、王様はきっと分かってくださる」

「いや行きませんよ、友達が悲しむので

それにここに来たのだって友達の配下のためですから」

オレは団長の勧誘を断った

団長は残念という感じでうなだれた

「そ、そうかならば何かあればオレのもとまで来いできるだけ助けよう、俺たちは王宮に帰るぞ」

そう言い残すと部下を引き連れ去って行ってしまった

おもしろい奴だったな

やることが無くなりその場に座りミラを待った

数分するとミラが元配下を引き連れて来た

ミラが連れてきた人は長い耳でグレー色の髪を後ろで縛りポニーテールにしていた

身長は170センチぐらい、賢そうな美しい顔に、キレイな肌をしている

服装は元奴隷だったからか薄汚い布を体に巻き付けているだけだった

エルフ特有の長い耳に賢そうな美しい顔立ち慎ましい貧乳

おそらくエルフだろう

「おぉーミラ遅いぞ、その人が元配下っていう人か？」

オレはミラに手を振りながら言った

ミラのとなりにいたはずの元配下の人がオレの首に剣を押し当てていた

「おい貴様、ミラ様になんて口をきく殺すぞ」

オレは驚きで声が出なかった

「やめよリーズ、リクトは妾のパートナーじゃ」

「ですがミラ様に敬語を使わないなど万死に値します」

リーズと呼ばれる女の人は剣を納めミラに配下のポーズでオレを殺す許可を求めている

オレは混乱して言葉が出てこなかった

「黙れ、リーズこれ以上言うとお前を配下から外す」

ミラの言葉はリーズを恐縮させた

「そ、それだけはご勘弁をお許しくださいミラ様」

リーズと呼ばれる女の人はミラに泣きながら土下座していた

そこまでするか！それほどミラを主として慕っているのだろう

だが話を聞かずに脅すのはダメだ

オレはミラに対して激しい怒りがでてきた

「もうよい、これからは気を付けよ」

「ミラ」

オレはミラの名前を呼び振り返るミラの頬に弱く叩いた

だがミラは叩いた痛みよりなぜ叩かれたのか分からないという顔をしていた

ミラは何も言わずこちらを数秒見るだけしかしなかった

オレは今回の戦いで火炎魔法、回復魔法を覚えた。