トンチンカンブシドー

「「「「ワアアアアーーーーーーッッッ!!!」」」」

300万の大歓声があがる。美琴が侘助に勝ったのだ。

「……完敗でござるな。拙者の力不足でござる。美琴殿、これから拙者の分も頑張るでござるよ!」

「うん、ありがとう!」

こうして、オモムキバトル第一試合は幕を閉じたのであった。




「うーん。いいんだけど、なんかさぁ。前回この終わり方で良かったんじゃない?5話目の冒頭で幕閉じられたら登場人物としては困るんですけど。」

ド正論。

「んで、侘助あんなに潔いんだから、詫び寂びなんかじゃなくて武士道で良かったんじゃ。」

ドドド正論。

「それに私の勝ち方酷かったしね。私だったらあんなんで負け認めたくないよ。」

ドドドドド正論。

「地の文。その正論さの表現方法どうにかならないの?」

ドドドドドドド正論。



「それでは、勝った美琴さんには、次の試合会場へ移動してもらいます!!尚、負けた侘助さんは……」

そう言い終わるやいなや、黒いスーツに身を包んだ屈強そうな男達が5、6人出てきて、侘助を取り押さえた。

「え、どうするつもりなの?」

動揺する美琴。

「……」

急に武士道精神を見せ、無言であぐらをかく侘助。

「そりゃあ……負ければ……それ相応の...ね……??」

美ー美美ビービビの言葉にザワザワとする空気。

なんでデスゲーム感出してくるの。違うから。

「侘助、無事ぶじでいてねーーー!」

そう言い残して美琴は第二試合へと向かった。

「拙者は既に武士ぶしでござるよーーー!」という侘助のトンチンカンに気付かなかったのは幸か不幸か。




「地の文。凄いね。頑張ったね。」

え、なにが

「さっきの表現。『黒いスーツに身を包んだ屈強そうな男達』って、多分今までで1番見た目を説明出来てるよ!」

おぉ、ありがとう。地の文として頑張ったよ。

「侘助の説明なんて、『笠を被り袴を着て、腰に刀を刺した、the・侍みたいな男』だったよ!侘助そこそこ大事なキャラだよ!結局侍って言っちゃってるし!」

遥かなる時を越えてツッコミが来た。

「あ、2話のことね。思い出せない方は『前回のあらすじの段階からぶっ飛び方がパない』を読んでね!」

この子の将来が心配になってきた。



「さて、美琴さん!第二試合の会場に移ってもらったわけですが、早速オモムキバトルを始めようと思います!それでは、対戦相手カモン!!」

美ー美美ビービビの合図と共にスモークが焚かれ、曲が流れ出す。



「しっとり系!まさかの入場曲しっとり系!もっとガンガンのロックとかでしょ、普通!」

落ち着け、最初は歌詞入れて何の曲か分かるようにしてたけど、著作権的にやめることにしたならこのツッコミ意味不になるぞ。

「ツッコミごと消せよ!」

この文も公開するときに残ってるかどうか……

「メタネタとかそういう概念無くなったよねー」



スモークから現れた対戦相手はなんと!!

「あ、あなたは……!!」




「いや、ここで引けよ。なに変なメタネタぶっこんで無駄にテンポ悪くしてるんだよ。」

おっしゃる通りにございます。

「え、え、終わるよ。終わっていいんだよね?」

あ、ちょっと待って。

「ん?なに?」

あそこ。まさかりかついだ照る照る坊主が。

「いないよ。前回のよく分からない次回予告引っ張らなくていいよ。やりたい放題すぎだろ。」




つづくそうです

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る