泣いた地の文

ーーーーーー前回の反省会ーーーーーー

シクシク……シクシクシクシク……

ーーーーどうしたんですか?ーーーー

美琴が……怖いんだよぉ……最初はバカキャラだったのに……急にとんがってきて……今あの子が何を考えているか分からないんですぅ……

ーーー引きこもりの親みたいですねーーー

お前にツッコまれる日が来るとはなぁ……あぁ、悲しいなぁ…俺だって、ちゃんと地の文としてまっとうしたいのになぁ……

大丈夫ですよ!

ん?お前は……

ルビです、ルビ!

あぁ……ルビか……

美琴ちゃん、今はツッコミ所が多すぎてイラついてますけど、そのうちまた戻りますって!

そうだよな……そうだよな、ありがとう!ルビ!

ちょっとでも力になれたなら嬉しいです!

それにしても、ルビが地の文を励ます小説ってホントにどうなんだろう。



「…面白くなってきたわ……!」

美琴がペロりと舌なめずりをし、侘助に威嚇する。

「今度はこちらからいかせて貰うわ!!」

地の文があまりに泣きまくるので、同情した美琴が真面目に戦いを始めようとする。

解説はありがたいがルビ、言わなくていいことは言わなくていいんだぞ。それと俺の仕事をとるな。


「ところで。」

攻撃に移る前に、美琴は話し始める。

「技ってどう出すの?」

……!!!そうだった。美琴はオモムキバトルに参加したことがないんだった。いや私もないですけど。

「かっかっか。それはでござるなぁ。気合いでござるよ、気合い。」

「気合い……ねぇ。」

一撃目が詫び寂びだった男だとは思えない口振りでアドバイスをする侘助。相手が敵であることを忘れているのだろうか。

「じゃあ行くわよ!エターナルブリザード!相手は死ぬ!」

「うぎゃああああ……!でござるっ」

「やったか!?」

俺は地の文、ツッコんだら負け……俺は地の文、ツッコんだら負け……はっ!…………ええっと、

美琴の見様見真似の攻撃が直撃する。ってかそんな技よく出たな。あっ、...しまったぁ……ツッコんだ……

「さーて、審査員の評価はーーーー!?」

0点!0点!0点!0点!0点!

「おおおーっと!美琴選手、攻撃ならず!!」

「ちょっ、ちょっ、タンマタンマ。」


やっぱさ、美琴ちょっとさぁ、頭さぁ、賢さがさぁ、

「何が悪いってのよ。」

美しさを競うんだってば。何普通に戦ってんの。んでまた古いネタをもってきおってからに。

「思いつかなかったから...氷とか出たら綺麗かなって。」

氷漬けにされた侘助が綺麗だと思うの?しかも死体の侘助だよ。相手は死ぬんだから。

「……わ、技が出ただけ凄いじゃない。」

うん。それは認める。お前すげぇ。


「さてさて、タイム時間終了です!ただいま、美琴さん残り70ポイント!侘助さん100ポイント!これからどう出るのか!?」

「改めて、こちらから攻撃させて貰うわ……!」

「さっきは死ぬかと思ったでござる。」

「喰らえ!『この前横断歩道を渡っているお婆ちゃんを手伝ってあげました!』」

10点!10点!10点!10点!10点!

「なんと!合計50点!心の美しさに勝るものはありません!!パーフェクトボーナスで与えるポイントが2倍!合わせて100点です!!」


え、すげぇ。

「ね?言ったでしょ?」

いや、言ってはなかった。言ってはなかったけどすげぇ。

「そもそもね、美しさがテーマって時点で、この小説の行く先見えてるのよ!」

見えてなくていいよ。主人公が行く先見えてたらダメだよ。いや読者でもダメなんだけどさ。

「にしても評価ザルね。これはひどい。ただの作り話をしただけなのに。」

こいつもたいがいひでぇ。ダークヒーローにもできないレベルでひでぇ。


「と、いうわけで、侘助さんに100ポイントのダメージ!!侘助さんの残りポイントゼロ!よってこの勝負、美琴さんの勝ち!!」

「「「「「ワアアアアアーーーーーッッッ!!」」」」」

会場にいる300万人の大観衆が歓声を挙げる。


ん?ちょっと待て。300万?たかだか70人くらいだったんじゃ?

「競技人口は少ないけど、見る専は多いんだよ!」

まるでWeb小説のサイトみたいだな。

「ジロリ。」

それやめい。





遂に現れたアングロサクソン!果たしてタタラ製鉄所はサスティーンをプログレッシブ出来るのか!

次回!まさかりかついだ照る照る坊主!

皆!絶対見てくれよな!!


「突然意味不な次回予告やめよ!逆にその話すっごい気になるけど!!それといつもとボケツッコミ逆!!」




つづくのか?つづかないのか?

つづかないのか?つづくのか? つづく

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