嵐を呼ぶ侘助(ツッコミの)

ーーーー前回のちょっと続きーーーー

うわあああああーーーっ!意味もない移動だけで2話目終わったあああああーーーっ!

「そう言って、地の文は頭を抱えるのであった。」

地の文の心象を会話文で説明するのやめて。宇宙の法則が乱れる。

ーーーー地の文も大変だねぇ。ーーーー

だからお前も喋るなああああーーーっ!

「その叫び方、ライトノベルに出てくるツンデレの女の子みたいになるからやめて。主人公としてヒロイン役が地の文なのは嫌。」

あ、はい。すいません。




さてさて、オモムキバトルにやってきた美琴。早速第一試合が始まるみたいだよ♪

「それ何のノリなの?さっきからどうしたの地の文?」

……今のはちょっとテンションが...ってだから会話をさぁ...そして時間軸とかさぁ...

「何を1人でブツブツボヤいているでござる。」

侘助わびすけ、前回のセリフのほとんどそれだったじゃん。

「違うよ!前回は言っているでござる、だったけど今回はボヤいているでござる、に進化してるよ!」

内容を進化させろよ!


「それでは、試合開始

美ー美美ビービビをありがたく感じるって凄い事態だよなぁ……

「それでは拙者からいくでござるよ!」

忘れてそうだから言っておくけど、オモムキバトルは美しさや芸術性がダメージになるらしいです。一応この話のメインテーマです。地の文いじりではありません。


「日本の詫び寂びをご覧あれ!必殺!枯山水DMW!」

侘助が技名を口にした途端、美琴の目に枯山水の庭が見えた。

「こ、これは……龍安寺!」

龍安寺とは、京都右京区にある、枯山水で有名な寺である。

「エリザベス女王も絶賛したと言われる、方丈石庭…!どこから眺めても必ず全ての石を1度に見ることは出来ないようになっていることでも知られている……!」

「……この庭は、拙者の家の庭でござる。」

両者の間に流れる冷たい風。

「ついでながら申しておくが、その龍安寺の知識もWikipediaの受け売り程度のもの。知ったかと言わざるを得ないでござる。」

「くっ……殺して下さい……」

その様子を遠くで見ていた審査員が札を挙げる。

6点!5点!7点!6点!6点!

「おおおっと!なかなかの攻撃!美琴選手に合計30ポイントのダメージだぁっ!!美琴選手、残り体力70ポイント!」

美ー美美ビービビのアナウンスが虚しく響く。美琴の精神的な残り体力はゼロだ。


「ちょっと、タンマ。」

「いいでござるよぉーーー?」

「おい、地の文。」

はい。なんでしょう。

「…え、なにこれ。なんの小説なの、これ。恰好良く見せようとしてるのかもしれないけど、割とギャグだよ。そしてあんまり恰好良くもないよ。あと地の文が急にマジメになって、どちらかと言うとそっちの方が堪えたよ。」

だってさ、せっかくの初バトルじゃん。タグにバトルって入れちゃったし。バトルしなきゃ。

「そもそもオモムキバトルって何。体力制100ポイントで審査制だったの?説明不足甚だしい。」

それはなんだろ。斬新さ?奇をてらってみようかと。

「まぁそれはいいにしても。ちょっとツッコませていただきますがね。まず武士が詫び寂びって。侘助って時点で予想はしてたよ。でも本当に詫び寂びって武士なの?もっと利休的なポジションの無かったの?んで技名。枯山水でDMW?もしかして、Dry Mountain Water?それで許されると思ってんの?てか武士なんだろ?ござるなんだろ?英語の技名とかWikipediaとかいいの?Wikipediaは伏せなくていいの?タンマしてからのござるよぉーーー?の態度は何なの?」

……いや、龍安寺と勘違いするネタは美琴のせいだし……

「いやいやいや、龍安寺と勘違いする程立派で大きい庭持ってる侘助の方がおかしいって。」

…………さらっと、くっころネタとか入れてきてたじゃん……

「ギロリ。」

ギロリって口に出さなくても……ごめんなさいなんでもないです。





いきなりダメージを受けた第一試合。

私、どうなっちゃうんだろうねぇ……!?







確かに前回、変えろとは言ったけど、何かこわ……ごめん、なんでもない。



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