第19話 夜間出血からの緊急入院!
ちょうど、妊娠9ヶ月に入った頃、23時にトイレに行き寝ようとしていたところ、なんとトイレットペーパーに少量の出血が。慌てて、病院に連絡し、すぐに来るよう言われた。
病院へ行くと、お腹用の血圧計のようなものを巻きつけ、30分ほどかけてお腹の張りの度合いを測ってもらう。自分でも感じてはいたが、数値的に見ても張りが酷いことが認められた。エコーで調べると、子宮頸管も短くなっていることが判明。切迫早産で、緊急入院することが決定した。張り止めの薬は、点滴で24時間絶え間なく続く。
主治医の先生は、相変わらず優しい。私が、不安でいっぱいで常に泣きそうな顔なので、忙しい中頻繁に様子を見に来てくれた。出産予定日まで、あと1ヶ月強。赤ちゃんの体重は、現在2275g。「ママが、入院を一週間我慢すると、赤ちゃんの入院が1ヶ月短く済むよ。新生児科、循環器科の先生と相談しながら、その都度出産する日を決めよう!」
と、前向きな言葉をくれた。本当に、心強かった。
母と夫は、交代で面会時間ぎりぎりまで側にいてくれた。市立病院は、病院食も妊婦用はない。9ヶ月頃から、胃腸が圧迫されるのか、また吐くようになっていた私には、味のはっきりしないこの病院食が本当に辛かった。看護師さんには、ほぼ丸々残すので、厳しく注意されていた。すると、日に日に元気を無くす私を見かねて、夫が先生に相談し、母が食べられる果物や煮物をタッパーに詰めてきてくれるようになった。普段通りの食事が食べられる安心感は、精神の安定をもたらす。
私が、入院したことを聞いて、夫も私も仲のいい2人がお土産を持って駆けつけてくれたこともあった。インフルエンザが流行っている、一年で一番寒い2月。病院は、家族以外面会出来ない。「今、病院の下にいるよ!会えないのはわかってたけど、来ちゃった。今、旦那さんにお土産渡すから、元気だしな。あいつも隣に居るよ。」
と男前な女友達からの電話。お土産は、ドラクエのクッキーと、ディズニーシー10thのシェリーメイのぬいぐるみ。私の好きな物を知っている2人。病室のテーブルに常に並べていた。
やっと入院生活にも慣れ、後1ヶ月はがんばるかと思った矢先、張り止めの点滴を最大値にしたにも関わらず張りが止まらなくなる。こうなると先生もお手上げ。夫からのホワイトデーのお返しのキティーちゃんのおせんべいとチョコを食べてのんびりしていたら、急に1時間後帝王切開することが決まった。
それにしても、産む日が決まると慌てるのは帝王切開の手術を受ける私ではなく、夫だから面白い。手術直前の私の顔は、晴れ晴れとしていた。その写真は、私たち家族の新たな始まりの象徴のようであった。
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