第18話 疑惑の妊娠糖尿病

妊娠8ヶ月の頃、夫の扁桃腺の腫れによる高熱に悩まされていたのと同時に、私の妊娠糖尿病疑惑もあった。妊婦に定期的に課せられる尿検査で、引っかかってしまったのだ。


この頃は、つわりも収まり、三ツ矢サイダーと野菜生活を水代わりにした生活も終わり、健康的な和食生活をしていた。相変わらず、体重増加も妊娠前から10キロ以下だったので、増やすように言われていたくらいだ。しかし、現実には血糖値はギリギリ正常値からハズレてしまっていた。


こうなると、すぐに検査が予定される。朝食を抜き、タクシーに乗り込むと、胃がキリキリして気分が悪い。この頃は、いつでも何か食べていないと気分が悪いくらいだった。


検査の流れは、まず、血液を採り、外国のジュースのように無駄に甘いサイダーを500ml飲み干して、一定時間後に再度血液を採り状態をチェックする。それにしても、このバカみたいに甘いサイダーが飲めない。看護師さんの前で飲むのだが、私が妊婦に見えないせいで、「もっとガバって飲めないわけ?味わうもんじゃないのよ!」

と叱責を受けた。涙目になりながら、「妊婦で朝ごはん抜いてるから、気分が悪くてなかなかに飲めないんです。」

と伝えると、「赤ちゃんだって、ジュースでもいいくらい栄養欲してるはずよ。がんばりなさい。」

と声色を変えて、対応してきた。白衣の天使に出会うのは、至難の技だ。


結局、検査結果は異常なし。なんて運が悪いんだろう。こんな面倒な目にあって!と思ったが、私の母も妊娠中高血圧の検査に引っかかって再検査をしていた。その時は、問題にならなかったがアラフィフになった現在、高血圧の薬を服用中。


私の同級生のお母さん方である、現在アラフィフ女性にも聞いてみると、同じ現象が起こっていた。更年期と妊娠中のホルモンバランスや、自律神経の乱れには因果関係があるのかもしれない。何もなかったから、生活習慣を正さないと後にツケが回ってくることを肝に命じた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る