第57話 蒸気都市ドゥーエ⑫
「お願いだから、その……じ、焦らさないでよ」
「えへへ、じゃあそろそろだな」
ルナが満を持してとばかりにパールの付いた猫の尻尾を手に持つ。
――あんなものを入れられたら……。
そう考えるだけで戻れなくなる不安と、悦楽の期待でぞくぞくしてしまう。
そして肛門にパールの感触がきた。
「は、入ってくる」
パールがゆっくりと体内に挿入されてきた。
異物感がルージュの括約筋を擦ってくる。それがとてつもない悦びを孕む。
ずぼずぼといやらしい音をたてて進入する猫の尻尾。
この醜い体制で汚されることが、ルージュの快楽物質を大量に生み出す原因になる。
「あ、あっ!!」
声も我慢できず、獣のようにルージュは喘いだ。
もう我慢が効かなくなりつつあった。
「いっ!?」
全てが収まった時、ルージュの中で絶頂がきた。
ベッドのシーツをギュッと握り、それを噛みしめる。
「相棒、どう?」
「わ、悪くはないわ」
「そう?」
ルナはそう言って尻尾を少し引っ張ってくる。
肛門が刺激される。
「ひぎっ!」
それだけでビクンとルージュの体が反応してしまう。
「ふふん」
ルナは得意げな顔になって、ルージュの腰に手を回してくる。
「次は上を向いてよ」
「そ、それは……って!」
ルナが強引にルージュの体を天井に向けさせてきた。
赤子のような霰もない姿にされて、羞恥に顔を両手で隠してしまう。
その手をルナが退けてキスをしてくる。
「ルナ、恥ずかしいよ」
「ゴメンね。でもルージュのそう言う表情が一番好きなんだ」
「いじわる」
「でも好きでしょ?」
「……まあ」
正直な感想を口にすると、ルナは「やった」とまたキスをしてくる。
舌を絡ませるようなキスをして、気分を高まらせてくる。
そしてルナの顔がルージュの下半身に移動する。
ルージュの陰部の中に、ルナの指がすんなり入る。
「あぅん……」
その指が動く。くちゅくちゅといやらしい音が響く。
快感が下腹部からせり上がってくる。愛液がそこら中に飛び散っていた。
「ルナぁ……」
愉悦にルージュは顔を歪める。
このままいけば、程なく達するだろう。
そんな心の準備を始めていた。
「ちょ、ちょっと!?」
急に全く別の性的快楽が押し寄せてくる。
ルージュのお尻に装着された尻尾を、ルナが動かしていた。
あまりの衝撃に、足を立ててルージュの腰がピンッと浮いてしまう。
「やめて、そんなことされたら……」
ルナの顔が陰部に向かう。その舌がルージュの陰核をペロリと舐めた。
妖しい恍惚が頭に電流のような衝撃を与える。
さらに尻尾のピストン運動によって、アナルからも身悶えするほどの快楽衝動を押しつけられる。
「あぁ……はぁう……あぁぁぁぁ!」
正気を失ってしまうほどの快感がやってくる。
「イク、イっちゃうよ!」
我慢できないほどの声をあげて、ルージュは達した。
腰が一人でにビクンと痙攣する。
それでもなおルナは舌を動かし、尻尾も手放さなかった。
敏感になっている状況でそんなことをされたら、気持ちいいに決まっている。
「あ、あぅぅ♡」
戻れなくなってしまうほどに。
「もういいの、ルナ。もうイったの!」
またしても頭が真っ白になるほどの絶頂が襲ってきた。
「あぁ……またイク……」
ルージュはだらしなく、口から涎を流す。
両足をガクガクと振るわせ、体中の力が抜けていく。
ルナがそれを見て、ようやく顔を上げた。
「っ!?」
尻尾を改めて入れ込んでくる。
「んぁ♡」
甘い吐息が漏れてしまった。
ルナがルージュに顔を寄せてくる。
少し見つめ合うと、目を瞑って無意識にキスをしてしまった。
「猫尻尾で攻められるのは初めてだったでしょ?」
「それはさすがに初めてね」
「あ、猫尻尾以外はあるんだ」
「……バニーガールのコスプレでしたとき、ちょっとだけ」
「ふ~ん」
ルナはそれを聞いて頬を膨らませた。
しかしすぐ諦めたように息を吐いた。
「でもいいや。少なくとも相棒との初めては一つ手に入れられたし。ニャンニャンってね」
ルナが猫のポーズをする。
――か、可愛い。
その愛らしさに、ルージュの方が赤面してしまう。
「ふう」
ルージュも一息付いて、ベッドから立ち上がる。
そして部屋に置いてあったルナのトランクを漁った。
「何してるの?」
「そりゃ――あった」
予想通りパール付きの猫の尻尾がそこには納められていた。
「相棒、まさか……」
ルナがすーっと引いていく。
「もちろん、使うわよ」
ルージュが「くっくっく」と黒い笑みを浮かべてローションのボトルを拾う。
それを手にやって、ルナに襲いかかった。
「ひゃっ!」
ルナの腰を抱き寄せ、そこから肛門にローションを塗りたくる。
そしてその穴に指を入れた。
「あぁう!」
今度はルナが絶叫にも似た喘ぎ声を出す番だった。
じっくりと菊の門を解していく。
その間もルナの陰部からは愛液が溢れ出ていた。
「ん!」
ルナの体がビクンと反応する。達したのだとわかった。
「ルナも弱いのね」
「私の場合は相棒の好きな顔をたくさん見た後だったから、しょうがないっしょ。本当は愛撫中だって一回イってたよ」
攻められて気付かなかった。
ルージュはその事実に驚きつつ、猫の尻尾に手を伸ばす。
そこに新たにローションを混ぜ込ませた。
「いくわよ」
「うん、来て」
ゆっくりとルナの臀部からパールの球体を入れていく。
「いいよぉ、好きルージュ……」
全てを入れる頃には、ルナはさらに一度絶頂に達していた。
ルナがトロンと溶けたような潤んだ瞳で見つめてくる。
ルージュはそれを見て少し得意げになった。
「お返しよ。私このままじゃルナなしだと満足できなくなっちゃうもん」
「えへへ、そうなってくれたら嬉しいな」
ルナがルージュに優しく抱きつく。体が密着してルナを感じた。
「私はとっくに相棒なしじゃダメな女だよ?」
「そうは思えないけど」
いつも攻められているのは大抵ルージュなのだからである。
「わかってないなぁ」
ルナがそう言って、キスをしてくる。
ソフトなキスだったが、長い間唇を重ねていた。
離すと、ルナが口を開く。
「ねえ、相棒」
「何?」
「私の前からいなくならないでね」
「組織の本部に行くまではずっと一緒よ」
「ありがと」
ルナは心底安心したような声を出した。
そんなルナが愛おしくて、ルージュはルナを押し倒す。
「今夜は簡単に寝れると思わないことね」
「いいね。せっかくお揃いになったから後で写真撮ろうぜ」
「えぇ……」
「いいじゃん。浮気防止も兼ねて」
「しないわよ。そんなの」
結局、夜明けまで二人は愛し合うのだった。
まるでお互いに欠けた心の隙間を埋め合わせるように。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます