第56話 蒸気都市ドゥーエ⑪

 ルナの手が陰部に向かっていく。そしてルージュのそれをするりとなぞった。


「あぅ……」


 それでルージュの腰が唸る。

 ルナは手に付いたルージュの愛液を美酒のように舐めた。


「ルージュ、好きだよ」

「私もルナのこと……その……好きよ」


 そう言った瞬間、ルナの眼から一筋の涙が流れていた。

 急なことにルージュは狼狽してしまう。


「ど、どうしたのよ、いきなり」

「だってルージュが私のことハッキリと好きって言ってくれたの、初めてだから」

「ルナ……」

「いつも曖昧な返事しちゃってさ。本当は不安だったんだよ」


 ルナは自分の眼をゴシゴシと擦って、涙を拭く。


 ルージュは上体を起こした。そして唇を泣いているルナの唇に触れさせる。

 ルージュは自分の舌をルナの口内に入れた。


「ん♡」


 舌と舌を絡ませ合った。

 愛と淫靡な快楽が舌の感触からやってくる。


 ルナを感じる。

 ルージュの陰部からは愛液がダラダラと溢れ、太股を伝ってベッドに染み込んでいく。


 一端唇を離す。口から糸を引いた唾液が二人を結んだ。


「ん……」


 少し見つめ合って、また口を合わせた。

 パートナーを感じていたい。その一心だったのかもしれない。


 快楽もだが、愛を感じていたかった。

 舌と舌を押しつけ感じ合う。

 くちゅくちゅと淫微な音が夜の部屋に響く。


 次に離した時には、ルナの眼はトロンと雌の色になっていた。


「ルージュ、好きだよ」

「私も好きよ、ルナ」

「えへへ、嬉しいな」


 ルナは少し涙目になりながらも顔いっぱいに笑顔を浮かべた。


「じゃあ相棒、後ろ向いて?」

「いいけど」


 ルージュはルナに背中を向ける。

 ルナは背後からルージュにキスをしてきた。そのままルージュは前にゆっくり優しく倒される。

 ちょうど四つん這いの形になった。


「ちょっとそのままの格好でいてね」


 キスをされてそう言われると、ルージュも首を縦に振るしかなかった。

 ルナがいそいそと移動を始める。


 何かと思って、体制はそのままで振り返る。

 ルナの手には猫の尻尾が握られていた。その造形は、小さくて黒い球体がいくつも連なった先に猫の尻尾があるタイプである。


 ついでとばかりにローションのボトルも手に持っていた。


「えっ、まさか……」

「まさかですニャ♪」


 ルナはローションをボトルから手のひらに出す。

 それを手に馴染ませると、ルージュのお尻に触った。

 冷たい感触がしてくる。


「ちょ、ちょっとルナ!」

「大丈夫、大丈夫」


 背中に脂汗が流れる。

 このまま行けば当然に――


「ひゃっ!?」


 肛門に水の感触がする。

 普段、他人に触れられることのない器官なので、敏感になってしまう。

 そこをルナが指でかき回してくる。


「あ、あ、あ、あ――」


 それがとんでもない快感を産みだしてくる。

 敏感が故に、一つ一つの触感が淫らに変換されていく。

 第二の陰部を刺激されているかのようだった。


 ――ダメ、気持ちいいよ。


 切ない気持ちにさせられる。

 陰部からは蜜が吹き出るほど分泌される。


 単純な肛門をイジられる刺激だけではない。

 四つん這いでこんなはしたないことをされていると言う現実が、ルージュに眠るマゾヒスティックな心を興奮させた。


 それだけでイキそうになる。

 しかしルージュが達しそうになると、ルナはあえて動きを鈍らせたりした。

 もどかしい気持ちにルージュはさせられる。

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