短編ばっか

第1話希死念力の奮闘

暇だ。この部屋にある丸を数えてみよう…。

生きる理由を失った。生きる希望も失った。私は生かされているだけだ。明日こそ死のうと思いどれくらいの月日が流れたのだろう。私の中で声は聞こえている。

"死んだ方がいい"

分かった。ああ、終わりにしたいんだよね。向いていなかったんだ。

この部屋の丸は目算で147個。寝よう…。

こんな日々が更にだらだらと続いたある日、私の内なる声に変化が起きた。

"てやんでぇ！　死ねってんだ！　バカ野郎！　てやんでぇ！"

いや…、明らかに昨日までのキャラと違うのですが…。私は恐ろしくなり、その日の夕食はピザにした。

ピザを食べている最中も絶え間なく私の内なる声は囁く。

"わっしょい！　わっしょい！　わっしょい！！"

囁く…。

"ヤーハー！　ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい、ヤッハーーーーー！！！"

うるさい！！　うるさいし、キャラがぶれ過ぎ！！　どうやら私の内なる声はわたしがいつまでも死なないことに業を煮やし、創意工夫をしているらしい。

"そなた…、そなたじゃ。今、ソナタの脳に直接語りかけておる。わしじゃ。わしわし"

神？　神っぽくきた！！　しかも、これ。新手のおれおれ詐欺だ…。

"わしのいうことを聞かぬなら天罰が下る"

そして脅してきた…。

"便秘とか"

地味！！

"ああもう！　今なら死ねばポイントが付くよ！"

…。

未だに声は聞こえる。たぶん私は長生きすると思う。