第23話 光る石

 穴の中から光る石をゲットする。

 うん、私でも出来る簡単なミッションです。

 ヤマトの説明では、石は大きければ大きいほど良いらしい。

  

「ふふっふー」

 かしこい私はその説明を聞いて、察した。


 石はたくさんあるのだろうと!

 見つけるのは簡単そうだと!


 まあ、こんなに暗い場所なら光ってる物を見つけるのは正直簡単だ。


 ____コツコツコツ

 石の階段をゆっくり降りていく。

 火トカゲくんの灯があるので、足元は見える。

 

 ____コツコツコツ コツコツ

 静かだ。私の足音だけが響く。

 周りはまだ暗い。

 火トカゲくんの灯り以外には光るものなんて見えない。


 ____コツコツコツ

 

 階段を降りきった。

 なんか広い空間に出た。

 遠くの方に、チラチラと輝く物が見える。


「わあ、まるで星みたい」

 独り言が出た。

 でも確かにそんな感じ。

 この変な世界に来る前、私のいるべき場所で見た夜空。

 いつかの夜空で見た星のような輝きが見える。

 

 ____おおお 怨おおお おおぉん 


 ん、風の音かな?

 何処からか風か吹いている。


 ____おおお 怨おお おおぉん怨おおおん

 

「ふんふふーん」

 良い感じで涼しい。

 遠くに見える星さんに向かってスキップする。

 だんだんと明るくなってきた。

 もう火トカゲさんは必要ないかな?

 私は灯を消す。

 

____おおお 怨おお おおぉん怨おおおん!

怨怨怨おおおん!


「おー!」

 より、お星さまらしくなった。

 きれいで見応えがあります。


 光っている場所に近づく。

 大きな石の壁だ。

 その中で小さな石が沢山、光っている。

 一つ一つの大きさはお母さんの指輪についてるダイヤモンドくらい。

 

「……どれでも良いのかな?」

 ヤマトは光る石って言ってたから、これで間違いないはず。

 ……でも、他にもヤマトは言ってた。

 出来るだけ大きい石が良いと!

 

 ダイヤモンドもでっかいやつが高いのです。

「ならば、私は……女としてゲットしなければイケマセン。出来るだけ大きいヤツを!」

 

 探す探す探す、大きいダイヤを探す。

 良く見ると一つ一つ大きさは違う。でも大きさとしては数ミリ単位の違いです。

 大した違いはないとも言える。


「もっとないのかぁ!」

 私は文句を言った。


____おおお 怨おお おおぉん怨おおおん!

怨怨怨おおおん!怨おおお怨おおおん!

怨怨おんおんんん!

 強い風が顔に当たる。


 壁をさわっていくと、一ヶ所だけ黒くなってる所があった。

「なんだろ、ここ?」

 そこだけ光る石がない、変な場所。

 両手でペタペタ触る。


「んん!?」

 手が、手が、にょーんって沈んだ!

 私の手が薄い膜を触ったように壁に向かって沈みました。

「なんだなんだ!」


 ____おおお 怨おお おおぉん怨おおおん怨おお おおぉん怨おおおん!禁怨怨おおお呪呪ん!


 風の音がうっさい。


 私はとりゃーと、両手を押し込んでみた。体が前に倒れる。


「わっわ! いったぁ!」

 しまった、膜の向こうに倒れてしまった。


「うわ! 眩し!?」

 恐る恐る目を開けると、光が飛び込んできた。

 目が痛いほどの光。

 黒い膜の向こう側は、小さな洞窟になっていた。

 そして地面には、ヤマトの拳くらいの光る石がゴロゴロと転がってる!


「やっふー!」

 これはすごい! 全部、頂きです!

 でっかいお宝に手を伸ばす。


「…………おっも」

 くそ重たい。

 これは、全部、持っていくのは、無理です。

 仕方ない、1個にしよう。


 

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