あとがき
あとがき 前編(1~10番まで)
みなさん、こんにちは。
雨旅玄夜(AmatabiKuroya)というものです。
今回は、つい先日完結しました『旅人は今日も嘯く』のあとがきということで、この詩作手帳に載せていった詩をどのような経緯で書いたのか、どんな気持ちが込められているのかを書いていきたいと思います。
なお、この『旅人は今日も嘯く』の更新自体はこれで最後になります。
改めて、読んでいただいた方々、本当にありがとうございます。
・タイトルについて
『嘯く』って言葉を日常的に使う人って、そうそういないと思います。
勿論私もその一人です(苦笑)
ただ、この詩作手帳にどんな名前を付けようかと考えたときに出てきたのがこの言葉だったというだけです、はい。
ちなみに『嘯く』という言葉には、「詩歌を口ずさむ」という意味のほかにも「大きなことを言う」という意味があるそうで。
(Weblioの三省堂・大辞林から持ってきました)
今回の詩作手帳には、この2つの意味に合うような詩を載せていきました。
あと、旅人というのは私の憧れの対象ですね。
以前お世話になった方が旅好きであったこと、また『キノ○の旅』が好きということもあって、前々からあこがれているんです。
私もいつか、旅に出たいな…なんて。
1.オレンジライン
この詩はその当時頻繁に聞いていたシ○リオアートの『ト○ノマチ』からかなり影響を受けてます。
あの「オーレ―ンージ」というのが、頭から離れなかったんですよね(苦笑)
また個人的に“夕暮れ”というものには特別な考え方があって、「夕暮れを境に次の日になる」ような感覚があるんですよね。
そういうこともあって、一つの区切り目というか、なんだか心が浄化されるような気持になるんです。
書いた時は結構精神的に参っていたところもあったので、そういう胸が締め付けられるような気持ちや、体中がしびれていくような苦しみの中での“反抗”というものでしょうか。
そういうものを書こうと思ったわけです。
個人的に短い詩を書くのはあんまり得意ではないのですが、かなり好きな風にできあがったと思ったものではありました。
また、一番初めに収録されていることもあって、詩作手帳中では一番PVの多い詩でもあります。ありがとうございます。
2. 僕の中の君の終わり
このころあたりから、かなり恋に悩まされています。
一応恋の詩なんです、これ。
書いた経緯はこんな感じです。
告白するかどうかを迷っていて、「もし悪いほうに向かってしまったら」という脳内シュミレーションの中、最終的に疑心暗鬼どころではない状態に陥ってしまったというもの。
もしかしたら気が付いていた人もいるかもしれませんが、この作品だけ4回ほどタイトルを変更しています。
(メモしてないので、どんなのにしたのか忘れていますが)
また、結構頻繁に手を加えなおしているので、もともと紙に書いていた初版とはだいぶ違うものになってました。
正直この詩はうまくいったとは思えないものでした。
3. 真夏のノスタルジア
ノスタルジーに浸りすぎるのは毒だと言いますが、私は頻繁にそれに浸ってしまいます。
そんななかでできたのがこの詩です。
私は生まれてからこのかた、ずっと同じ街に住んでいます。
そんな街もここ最近は急激な開発とかなんやらで、昔の姿をだいぶ失いつつあるわけです。
この詩は小さいころの『習い事の帰り道』をテーマに書いているものです。
あの頃のなんとなく味わっている幸福な気持ちと、今味わっている現実を対比させて。
4. 青いパーカー、僕の背中
この詩ももちろん恋の詩です。
心情の変化は結構見て取れると思いますので、書きません。書くのは恥ずかしいです。
こちらの詩も『帰り道』をテーマにしています。
あのだらだらと歩く時間って、意外と貴重なんです。どうでもいい話もできるし、黙って考え事もできる。
そういう貴重な時間を崩してもいいって思えるくらいに、思い悩んでいる時期がありました。
「行動におこしてもいいよね?」と、何度も自問自答を繰り返しました。
ちなみに、青いパーカーは自分がよく着ていたものです。
今は、青いジーンズっぽい風合いのシャツですが(笑)
5. アンダンテ
この詩の舞台は、実をいうと上の詩と同じ場所なんです。
深夜近くに歩いた日があったのですが、道沿いの店はすべて閉まっていて、ただランプの光が揺れているばかり。
その道、少しレトロっぽい感じなんです。
いつもは人が多いのですが、こんな時間だからでしょうか、数えるほどになっていました。
人が少ない状況で感じる不安感や、意味もなく感じる孤独感など、相極まって気分は沈んでいきます。
そんなとき、すっと涙が落ちました。キラキラと輝いています。
私は時が止まったような不思議な気持ちでそれを眺めていました。
その涙が自分のものだと気が付かないほどに。
6. Not
これも恋の詩。
「自分の気持ちを抑えることが、もしかしたら君にとっての幸福なのかもしれない」。
伝えたいけど伝えられない、そういうモヤモヤ味わったことありませんか?
このときの自分は抑えることを選んでいて、それで苦しんでいました。
心臓が押しつぶされそうなくらいに。
7. 夜更けの帰り
この当時はとても忙しくて、帰り着くのが深夜帯でした。
かえって何かをする気力もなく倒れてみますが、電気を消そうにも届かない。
やらなきゃいけないこともあるので、あきらめて立ち上がります。
自分の中ではかなりシンプルにできた詩だと思っています。
また、尾形亀之助さんの作品に影響を受けてる点もあって、こんな感じの詩もよく書きます。
見てる人にとっては、詩っぽくないかもしれませんが。
8. Bluemind
そのまんま、悲しい時の自分を表しています。ここに書くのもあれですが、自分は死にたがりさんです。
誰かに殺されるより、自分で死んじゃいたい派です。
悲しい気分の時、自分は深い深い海の底のような青色に満たされている錯覚を覚えます。
心も体も冷たくて冷たくて仕方がない。
手もかじかんで感覚がなくて。
何もしても無味無臭な感覚。
唯一感じるのは“苦しみ”だけです。
9. 歪みとオレンジ
このオレンジもやはり“夕日”です。
なんとなく『青いパーカー、僕の背中』と対になっている詩です。
もちろん恋の詩。
どういう状況化は察してください。
『自分は相手を本当には見ていなかった』なんて感じることありませんか?
気が付いたら、誰かを自分の筆でこてこてに塗り上げていたなんて、私にはよくある話でした。
思い知っては、毎回絶望します。
『君の中の僕って何なの?』というのも良くある話。
どこぞやのメロスさんばりに他画像を求め続けます。
その原因の多くは不安。
「君に嫌われたくない」という心の叫びからです。
この二つの気持ちを“歪み”という言葉にのせてみました。
個人的には気に入っている方の詩です。
10. 赤い
知り合いの知り合いに当たる人に、詩をよく書く人がいるそうで。
その人はかなりこういう感じの詩を書くそうです。
その話を聞いて、書いてみようと思った次第です。
血って、ちょっとならいいんですけど、大量にだと気分が悪くなったりしますよね。
自分はゾンビサバイバル系のゲームを頻繁にプレイするのでだいぶ平気になりましたが、駄目な人はやはりだめなそうで。
例え自分の血でも「ひえっ!」みたいな声をあげます。
「おいおい、それは今も君の体に流れているじゃないか」
後編へ続く。
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