旅する理由


後悔した頃にやっと見えてくる本当の意味



歩道橋の上駆け上がって見えた


それらしくない夕日


朝焼けのような錯覚を生み出して


僕は涙を堪えた


それは


”明日になれば変わってしまう証拠”


じゃないし


ひょっとしなくてもこれから夜が訪れる




僕は除け者にされたようだ


「悲しい」と言うけど人混みは無視していく


関心なんてないんだ


この世に人は溢れていて


僕だってその中の一人に過ぎないんだから




息をするのは義務じゃない


「だけど、この痛みがやめられないんだ」


肺を突き刺すほどに押し込めた空気は


まるで自由を失った子供のように


僕の胸の中に抱かれて眠ってしまうのかい?




今手にしているシャープペンシル


向かいの壁にかかる思い出たち


腕を組んでよっかかっている椅子とかは


きっと僕より価値のある”消耗品”なんだ



僕も同じくらい役に立つものだったらな




言葉を並べ紡ぎあげる


僕の嘆きは見苦しいですか?


「それでもいい」と言う人を探して


僕は安心して眠れる日々を求め旅をする


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