焦がれ

なんとなくしんとした朝


わずかに開かれたカーテンと

転がった枕もとの夢


むっと鼻に突くような水蒸気


朝のシャワーは体に冷たく

なかなか温まらない


なにもかも



肺で胸がいっぱいになるように

体が痛くなるほどに息をすった

「これで今日も生きていける」

「今日も歩ける」と



街は灰色で

目に新しいあの朝日の面影はなく

なんとなく生きづらく感じるのだが

「ああ、死のう」

なんて思い立っても

そんな大それた勇気は沸いてこない


こんなに喉がカラカラで

体もペラペラとしているのだから



すべてが痛くて

辛くて仕方がない



こんなどうしようもない毎日で

僕は希望を捨てきれずにいる


僕はあのゴッホの黄と青を

胸に

心に

ベタベタと塗りつけては

今日も笑っているのです


胸がどんどん焦がれていく

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