魚つかみ
友人から魚つかみのモデルの話がやってきた。子ども用のプールでやらせてくれるという。元気に魚をつかむ絵が撮りたいとのこと。
それを聞いた子どもたちも大喜び。
そういえば、この頃魚つかみをしていない気がする。夏祭りでもうやってないのな? 前は毎年やっていたのに。募集してるの気がつかなかったのかな?
聞いてみると、下の二人は一度もやったことがないという。
それならなおさら楽しみだね。
さて、どきどきの当日。
「ホントにつかまえられるか、ちょっと心配」
と少し弱気になっていた三男も、鮎の入ったプールに入って追いかけ始めると、最初は逃げられてばっかりだったけどすぐにつかめるようになった。四男も同様。順応力の高さは超一級。
四人で二十数匹をあっという間につかまえてしまうと、もう一回やりたいとまたプールに鮎を戻して第二ラウンド。一回目より弱っている鮎はすぐにつかまる。
遊び足りないけれど、ちょうど炭火もいい感じになってきたので一匹ずつ焼いてもらうと。
がぶりがぶりと食らいつく四人。
あんまり魚の好きじゃない次男と幼稚園児の四男は頭は残してしまったけど、長男と三男は頭も内臓も全部平らげてしまった。
とことん野生児だなぁ。
魚つかみをして食べさせてもらった後は、川に下りていって服のままじゃぶじゃぶ入って遊ぶ。
まだ七月に入ったばかり。そこそこ気温は高くても水はかなり冷たいのに。よくやるよ。まったく。
四人とも魚つかみと川遊びを満喫して帰る道すがら、夏祭りでの魚つかみのイベントを思い出した。
この町に引っ越してきた当初、毎年行われる夏祭りのイベントで魚つかみ大会というのがあった。
それは運動公園のビオトープから池を利用して行われていた。
一人三百円で、鮎のつかみどり! しかも制限なし。鯉やうなぎもたまにいた。
幼稚園児だった長女と次女は、おおはしゃぎして鮎をたくさんつかまえた。
そのままつかまえた鮎を持って塩焼きスペースへ行くと、焼いてもらえてその場で食べれる!
田舎ってなんて贅沢なんだ!
私は大人になってからしか鮎なんて食べたことなかったのに。こんなチビのうちから食べれられるなんて! しかも何匹も!
毎年参加が恒例になってくると、だんだんとるのも上手になっていった。
何年目からか次女は職人? 漁師? のようになっていた。
地べたに座り込んで、開脚した自分の両足で鮎を壁際まで追い込み、その中の鮎をつかまえる。まるで追い込み漁だ。
他の子どもたちが立って手だけでつかもうとしているのに比べるとはるかに効率はいいだろう。
・・・そこまでするか? とは思うけど。
さらには、一度つかまえた鮎をバケツまでに逃がしてしまった経験からか、一回一回バケツに入れに走ることはせず、首もとから自分の着ているT シャツの中へ放り込む!! もちろんT シャツはあらかじめズボンにインしている。
・・・直にお腹や背中に魚があたってるんだよね? 生きてるから、ピチピチしてるよね? ぬるぬるもしてるよね? それってどんな感触なんだろう?
常人はしない行動だと思う。ありえない。ホントにこの次女はやることが奇抜だ。
いや、止めなかった私も普通でないのかな?
でも、気づいた時にはすでにお腹周りにたぷたぷ入ってたんだもんねぇ。今さらって感じでしょう?
あれから数年。
また夏祭りで魚つかみしてほしいなぁ。
今回の魚つかみプールで十分練習したし、きっとたくさんゲットできるだろうから。
・・・天然の鮎はさすがに無理か? なんてね。
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