百人一首
私は百人一首が好きだ。小学校の時に全首覚え、中学校のときは校内百人一首大会で優勝していた。もちろん、お遊びレベルだけど。
だから、子どもたちともできたらいいなぁと思って小さい頃からちょこちょこ教えてあげていた。
長女が六年生になって。学校でも習って百人一首大会をするという。
「お母さん、百人一首やろ~」
負けず嫌いの長女はしっかり練習。
「お母さんも小学生の時に全部覚えたし、全部覚えちゃったら?」
早速取り組むも、なかなかはかどらない。
「一対一でお母さんに勝てたら、千円あげる!」
「やる!!」
小学生の間はおこづかいもあげていなかったから、これには飛びついてきた。
「おばあちゃん、お母さんとするから詠み手して~」
おばあちゃんに詠んでもらい、勝負する。
大人げない私は手加減なんてしてやらない。結果は勿論私のボロ勝ち。
「子ども相手に大人げないわ~」
と言いながら、毎日のようにチャレンジしてくる長女。
結局その年は千円ゲットならず。
翌年も、新春の百人一首大会前にまたチャレンジ。
こうして毎年毎年チャレンジしてきた長女は、中学三年生のときとうとう四十九枚とった。
ああ、もう次は負けるかな。
と思ったのに。何故だかいまだに私が連勝中。
それでもそれだけ家でやったからか長女は中学三年間、学年一位を獲り続けた。
次女も六年生からチャレンジしてくるけれど、長女にもまだ勝てない状態。でも中学一年のときは学年一位。二年のときは・・・途中で隣の子に一枚譲ったらしく、最後にその一枚がきいて一枚差で二位。甘いな。勝負はそのたった一枚がカギを握ることもあることを学んだか? 来年は一位に返り咲けるかな?
さて全く相手をしていない男の子たち。昨年からお姉ちゃんたちがやるときにまじってきはじめた。
「ぼくもやりたい!」
「ぼくもやる!」
その前年まで坊主めくりしか興味なかったのに。嬉しいなぁ。
「とれなくっても、拗ねたり怒ったりしないこと」
「わかった!」
約束をしてはじめてみると、全然とれないかと思いきや、意外にとれるようになっている。お姉ちゃんたちがやっているのをいつも聞いていたからかな? これこそまさしく”門前の小僧習わぬ経を読む”だな。子どもたちの潜在能力に感心する。
さてさて、念願の千円をゲットする子は現れるか?
・・・だんだん私が衰えていくことを考えると、下の子の方が得かもしれないな。
いやいや、まだまだ大人げない私はトップに君臨し続けるぞ!
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