三. きっぷ
「おはようございます。朝食の準備はできてますよ。」
翌朝、ときは私を起こしに来た。私たちは大食堂に行き、朝食をとり始めた。私は彼にちょっとした疑問を質問した。
「あなた、一人で住んでいるの?」
彼は普通に答えた。
「そうですけど…。」
私は彼にいろんなことを聞いてみることにした。
「学校は行ってないの?」
「行ってません。」
「家族はどうしてるの?」
「両親はイギリスで仕事。ぼくは一人っ子で留守番しています。」
「なんで私のことを知っているの?」
「以前見かけたことがあったものですから…。」
私はますます彼が何者なのか不思議に思った。私は彼と会ったことがあるのか? そんなことを思いながら、朝食を食べ終えた。私は部屋に帰ると、ベッドに寝転んだ。そもそも、ここはどこなのか? それさえも分からない私は不安になってきた。これ以上、迷惑をかけてはいけないと思い、私は駅へ戻ることを決めた。私はときの部屋に向かった。
「とき君、入るよ。」
私は彼の部屋へ入ったが、彼はいなかった。ふと、私は彼の机に本が置いてあることに気づいた。私は本を読んだ。本には、妙なことが書かれていた。
『時の夢にはきっぷがない。それはあなたが自分と出会ったとき電車に乗ることができる。それはあなた自身で探し出すのだ…。』
何のことだかさっぱり分からなかった。他のページは真っ白のページだった。私が本を閉じると、ときが部屋に戻ってきた。
「あ…。来ていたんですか? ぼくに何か用事ですか?」
私は彼に駅へ戻ることを伝えなければならないと思った。
「あの…。とき君。昨日はありがとうね。私、今から駅へ戻ろうと思うの。」
彼はびっくりしたように私を見つめた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます