マスク作成その2

 はい、ではマスク作成の続きです。

 分解したヘルメットをジョイントマットで接合していく作業になります。

 この時、分解したヘルメットの配置ですが、少々変わります。

 つばを切り取った場所同士が延長線上にあるように配置します。

 こうする理由は、楕円形にしやすくする為です。なので、つばを切り取った場所が延長線上になるように配置しましょう。

 そうしたら、ジョイントマットを帯状に切り、それを用いてつばを切り取った部分に接着します。

 接着の際は、内側からやりましょう。外側からやってしまっては変に分厚いマスクが完成してしまいますし、なによりパテを大量に消費してしまう事でしょう。

 ジョイントマットでのヘルメット接着は自分の頭に被りながらやった方がいいでしょう。

 おおよその目安ですが、ヘルメットとヘルメットの間から見えるジョイントマットは大体人差し指の第一関節から第二関節くらいまでの幅がいいかもしれません。被って少し前後に余裕があるのがいいと思われます。

 ヘルメット同士を接合したら、残りのマスク部分に当たる箇所をジョイントマットで形作っていきましょう。

 この時、切り抜いた後の破片同士を接着して、それらをヘルメットに貼っていってもかまいません。最終的にパテで補強しますので、接着箇所は全く目立たなくなりますし。

 私個人としては、まずは後頭部部分を先に作った方が楽かもしれません。基本的に帯状のジョイントマットを貼り付けるだけの作業ですので。

 その後に顔面を作っていきますが、その際にきちんと目の穴や呼吸孔を開けるのを忘れずに。

 視界を確保する場所なのですが、実際のマスクでは二パターンあります。実際に目の場所から見るか、目の少し下の黒い箇所から見るかです。

 実際の目から見るパターンは、目自体が大きなライダーで見られます。果物の鎧や音速なバイク乗りがそれに該当します。

 バイク乗りの多くには目の近くに黒いラインがあると思います。そこは所謂サングラスと同じような感じになっており、スタントの人はそこから外の様子を見ているらしいです。

 目の近くに黒い部分がある場合は、十中八九そこから外を見ていると考えていいでしょう。

 どのようにして外の様子を見るかは作る人の好みで分かれると思います。目の部分で見たいならばそこをペンでマークして切り取り、黒い部分で見たい場合は、そこを切り取っておきましょう。

 マスクの目に当たる部分で見ない場合は、そこを立体的にする為に半球状にしたジョイントマットを接着するか、もしくは後述しますが下敷きを使って目を表現する為に切り抜いておきましょう。

 呼吸孔に関しては、比較的目立たない場所に開けた方がいいです。後述のクラッシャー部分にするか、それが無い場合は顎の下やディティールの一部分に開ける事をお勧めします。

 呼吸孔が無いと、酸欠になりますので。息し辛くても別にいいと言う方は空けなくていいですけど、自己責任でお願いします。

 そして、口……所謂クラッシャーと呼ばれる部分があるマスクに関しては、最初は接着しないで別個に作っていきましょう。

 その際は画用紙である程度形作ってからジョイントマットに転写し、Gなボンドで接着してマスクに合うように作っていきましょう。

 また、クラッシャー部分に関してはジョイントマット同士を貼り付ける際に、表側に同じ大きさに切った下敷きを貼り付けてもいいでしょう。

 こうする事によって、強度は上がりますし、使用するパテの節約にも繋がります。

 また、下敷きではなくプラ板でも大丈夫です。ただし、PPシートと呼ばれるポリプロピレン製のものは使用しないようにしましょう。

 PPシートはスプレーで色が乗りません。乾いたらぼろぼろと取れていきますので、悲惨の一言です。

 なので、クラッシャーの補強には下敷きかプラ板を使用しましょう。

 また、クラッシャーに呼吸孔を作る場合は、敢えて少し隙間を作るような感じで接着していきましょう。

 そして、クラッシャーの下敷きやプラ板を貼り付けていない箇所(当然、内側は除きます)については、スプレーで色が乗りやすいようにその部分だけパテを盛るか、木工用のボンドかGなボンドを塗り付けましょう。

 マスクの装飾やディティールもこの段階で終わらせます。装飾に関しては、大きいものやパテで埋もれてしまうような小さなものに関しては、後で接着しましょう。

 さて、ジョイントマットでマスクの形を作り終えたらいよいよパテを盛りましょう。

 ……その前に、やるべき重要な事が一つあります。

 それは、何処で分割するかです。

 分割もせずにそのまま被れるタイプのマスクを作る事は出来ますが、それは指輪の魔法使いタイプの顎から喉元に掛けて何も覆われていない形状のマスクです。

 ほとんどは顎から喉元に掛けてきちんと覆われていますので、そのまま被る事は不可能です。

 被るには、何処かで二分割する必要があるのです。

 因みに、ジョイントマットだけで作った場合は、前からは見えない後頭部を縦に切り、そこにファスナーを取り付けて簡単に脱着出来るようにする方法もあります。

 この方法は中央にラインがあったり、レールが走っていたりするバイク乗りだと、それらで隠す事が出来るので、後ろから見てもあまり気になりません。

 さて、話しを戻しますが、二分割するにはおおよそ二通りあります。

 それはクラッシャー部分とマスク本体に分けるか、マスクを前後に分割するか、です。

 クラッシャー部分とマスク本体を分ける場合は、クラッシャーのあるマスク、そしてクラッシャーの無い状態ですっぽりと被れる事が前提です。クラッシャーの無い状態で被れない場合は、潔く諦めて前後二分割方式を取りましょう。

 クラッシャーをまだ接着しない理由はこれにありますね。クラッシャーで分割する場合は、そのままパテの盛り付けに移行しましょう。

 クラッシャーでの分割はせず、マスクを前後に分ける場合は、またパイプカット用のノコギリの出番です。

 二分割するさいは、後頭部にあたるヘルメット部分を切るようにしましょう。だいたいジョイントマットから人差し指の第一関節から第二関節くらい離れた場所ですかね。

 ジョイントマットとの接合部分で切ってしまうと、パテで盛る際に少々気を付けなければいけませんので、あまり御勧めはしませんね。

 下手をすると、マスクが前後で合わさらなくなる場合がありますので。

 そして、切る際はきっちりとペンでラインを引いてから切りましょう。そして、ヘルメット部分を切るので当然細かな屑が発生しますので、それらにも注意を割きましょう。

 また。ジョイントマット部分を切る際はノコギリではなくハサミで切った方がスムーズにいきます。

 さて、前後に分けて漸くパテを盛る作業には……まだいけません。

 パテを盛る前に、前後でのずれを修正します。主に、後頭部部分はジョイントマットの真っ直ぐに戻ろうとする力によって少し広がっていると思います。

 その広がりを無くす為に切れ込みを入れて接着すると言う微調整を行います。この際に高さも変わってしまうと思いますので、その分の補充も忘れずに行いましょう。



 微調整も終わると、漸くパテを盛る作業へと移行出来ます。

 前後分割の際、パテを盛る前にクラッシャーを接着しても構いませんし、しなくてもよいです。これはパテを盛る際に邪魔になるかならないか各個人で考えて行って下さい。

 では、次項ではパテを盛る際による注意事項などを説明していきます。

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