マスク作成その1
さて、本題に入る前に前項でのお伝え忘れた補足の説明を。
前項では接着面とする切断面は垂直に、これ大事。と述べました。
しかし、例外がありました。
接着の段階で既に角ばるなどする必要がある場合は斜めに切断しても構いません。
と言うか、こうしないといけない場面もあると思いますので、切断面をどうするかは臨機応変に決めて下さい。
また、斜め切りする際も片方の面だけ斜めにするか、それとも両方の面を斜め切りにするのか、あと斜めの角度をどうするかで接着後の角ばり具合が異なります。
なので、ぶっつけ本番をするのではなく、一度適当に切り取ったジョイントマットなどで練習をした方が無難ですね。
練習もせずにやって、あれ? 何か変だな? となりませんようご注意ください。経験者は語ります。
前項の補足は以上です。では、本項での本題に入りましょう。
とは言っても、最初語りは少し長めになりますが、御容赦くださいませ。
コスプレ作成において、モチベーションはとても大事です。
モチベーションが低ければ、どうしてもやる気が起きません。
だらだらと日々を過ごし、何時の間に一年以上経ってもまだ完成しない……なんて事もあるかもしれません。
なので、コスプレ作成に置いて重要なのはモチベーションとも言えるでしょう。あと重要なのは途中で投げ出したりしない根気強さや材料を調達する為の費用、失敗してもめげないメンタルと該当作品への愛でしょうね。
さて、そんなモチベーションはどうやってあげるべきか?
カラオケでストレス発散、テレビゲームで盛り上がる、バイキングでモリモリ食べる。
それらはどちらかと言えば気分転換ですね。まぁ、モチベーションを上げるには気分転換が一番かもしれません。
ただ、私の場合は違います。あ、いえ。無論それらもしているので完全に違うとは言えませんけど。
私の場合は、作成したマスクを眺める事です。
何か、妙にやる気が沸き起こって来るんですよね。鏡の前でマスクだけ被った自分の姿を見てもテンションあがりますし。
口角が僅かに上がり、脳内で該当作品の名シーンをリプレイしたり……、と。
まぁ、私と同じような方が全てではないのは分かります。しかし、目の前に実際に被れる一分の一スケールのマスクがあれば、少しは心が躍るのではないでしょうか?
と、言う訳でモチベーションアップの為の工事用ヘルメットとパテによるマスク作成です。長々と前文すみませんでした。
さて、工事用ヘルメットを使用してマスクを作成する場合、利点があります。
それは、ビニールや新聞紙で原型を作らなくて済む事です。
最初から丸みを帯びており、人が被る事を想定したものですのでわざわざ型を取る必要はありませんし、作業途中で実際に被る事で頭にフィットするように作成する事も出来ます。
ただし、難易度や材料費は結構高めです。ですので、お金があまりない方やちょっと自身の無い方は土台をジョイントマット等だけで作るマスクをお勧めします。
そちらの方がお安く出来ますし、臨機応変も利きやすいですからね。
では、工事用ヘルメットとパテを使ったマスク作成の始まりです。
まず、工事用ヘルメットを用意しましょう。これがないと始まりません。
丸っとした物を買いましょう。そちらのほうが装飾しやすいので。中央のラインが凸っているものは止めましょう。正直に言えば、凸ラインは作業の邪魔でしかありません。
工事用ヘルメットはホームセンターで大体千円から千五百円くらいで売っていますので、一つ購入しましょう。
次にパテです。これは工事用ヘルメットに接着したジョイントマット等の上に盛るのに使います。
使用するのはポリエステル樹脂のパテですね。それ単体では固まりませんので。硬化剤と言うものも別途必要になってきます。
これらはホームセンターで売っていますが、御勧めは車補修用品売り場に売っているグラスファイバー入りのパテです。
大体二千円で売っており、こちらのパテには最初からグラスファイバーが混入されています。また、硬化剤もセットでついてきますので、別々に買う必要はありません。
このパテ内に混入しているグラスファイバーにより、パテの強度が上がります。
グラスファイバーの混入していないパテを使ってもいいのですが、そうすると壊れやすくなります。
手元が滑って落としてしまったらひびが入って破片が飛んだ……なんて悲しい事態に陥る事も。
実際、市販のパテと同じ棚にガラス繊維のマットが並んでおり、本来はパテとガラス繊維を交互に層を作って強度を増していく必要があります。
なので、そういった過程を無視できるグラスファイバー入りのパテはかなり重宝できます。
こちらも一つで充分です。そうそう一つを使い切る事はない、かな? ってくらいの量なので、多分大丈夫でしょう。
あと、必要なのはパイプカット用のノコギリですね。これでヘルメットをぶった切ります。こちらは百円均一で売っているもので構いませんので、安く済みます。
更に、ヤスリも必要になってきます。
パテが硬化した際に凹凸を無くす為にひたすらヤスリで削り磨いていく作業が待っています。
その事については該当項目で説明しますので。
あと、サーフェイサーというのもあった方が何かと便利です。
車補修用品に売っている、九百円くらいの大きめのスプレータイプを買った方がいいかもしれません。結構使用頻度が高いので。
こちらはスプレーで色を塗る際に色を乗りやすくするほか、ヤスリである程度削った際に吹きかけ、凹凸具合やへこみ具合の確認作業がしやすくなります。
また、色は私の近くのホームセンターでは白と灰色の二種類があります。他のホームセンターでも同様の種類があると思いますが、灰色を選択した方がいいでしょう。
灰色の方が色が綺麗に乗り、また凹凸具合の確認がしやすいと個人的に思いました。
白を買って吹きかけたら、その後の塗装で予想以上の出費をした……と言う苦い経験をしていますので。あれ以降は灰色を買うようにしています。
まぁ、あの時は塗る色との問題も当然あったと思いますが、そう言った失敗をしたくない人は全力で灰色をお勧めします。
さて、マスク作成に必要なものは、他に接着剤にプラ板でしょうね。
接着剤はヘルメットとジョイントマットなどを繋ぎ合わせるのに必要です。
使うのはGの名のつくボンドでクリアーなものか接着剤の色が黄色な十七の番号が記されているものです。
値段的には十七のGなボンドの方が安いですので、そちらを買う方をお勧めします。
なにしろ、大量に使いますので。出来れば千六百円くらいの缶のものを購入した方がいいかもしれません。
特に、布を張るタイプのコスプレを作る人は特に。あのタイプは本当に接着剤を使いまくりますので。
で、Gなボンドの話ついでに、使用上の注意をいくつか。
まず、換気を充分に行いながら使用しましょう。
臭いがかなり強烈ですし、もし密室で使っていれば段々と頭がふらついて気持ち悪くなっていくでしょう。
つまるところ、中毒性があるのです。なので、しっかりと換気をしながら使用しましょうね。
あと、このGなボンドは瞬間接着剤や木工ボンドと違い、接着する面の両方に塗る必要があります。また、あまり厚ぼったく塗らずに、薄く延ばしながら塗って下さい。厚いと逆にくっつきにくくなりますので。
また、塗ってから少し乾かす必要があります。塗って直ぐはくっつきませんので、暫く放っておくか、軽くあおいで乾かしてから貼り合わせて下さい。
これらの事は使用上の注意として記載されていますので、きちんと呼んだ上でご使用ください。
プラ板は装飾やディティールに必要です。ジョイントマットなどではどうしても熱くなりすぎる場合は薄いプラ板が役に立ちます。
また、一部装飾についてはジョイントマットの上に貼り付ける事二より強度が上がり、パテの節約にも繋がったりします。
プラ板が無い場合は透明な色つきの下敷きでも代用可能です。私の場合は、主にこちらばかりを使用していますので、百円均一で二枚入りの薄い奴が手に入りますので。
さて、必要な材料の紹介も終わりましたので、マスク作成の手順説明に移ります。
まずは、ヘルメットの分解にかかります。
手始めにヘルメット内部の衝撃を吸収する部分をすべて取り除きます。結構簡単に取り除く事が出来るので、そこまで手こずる事はないと思います。
その後、衝撃吸収部品を引っ掛けていた出っ張りは邪魔になるのでニッパーなどで切り取って下さい。この出っ張りは使いませんので、普通に捨てて戴いて構いません。
次に、ヘルメットをぶった切る作業です。
まず、邪魔となるつばの部分の除去に掛かります。
目印として、つばより少し上の場所にペンでラインを引いて行きます。ぐるっと一周します。
そして、その線を頼りにパイプカット用のノコギリでぎこぎこ切って行きます。
この際、細かな切りくずが発生しますので、カーペットの上や布団の上ではしないよう注意して下さい。また、小さなお子さんやペットが近付かないように配慮する必要もあります。誤って口に入れてしまったら大変ですので。
作業はフローリングに新聞紙を敷くか、切りくずが飛び散らないように透明なビニールの中で切っていくかなどしていきましょう。
つばを切り取り終えたら、今度は前後に分断します。
この時、真ん中から分断するのではなく、前方に当たるなだらかなカーブを描いている部分を短めに、後方に当たる丸みを帯びている部分を眺めに切断します。大体前後の比は1:2か2:5くらいですかね。
で、こちらもペンでラインを引いてぎこぎこと切断して下さい。
これにて分断は終了です。切りくずは掃除機で吸い取ったりして早急に始末して下さい。
当然、分断したヘルメットにも付着していますので捨ててもいい布きれを軽く濡らして拭きとる等をして下さい。
さて、ヘルメットの分断も終わり、次はジョイントマット等で形を作っていく作業に入ります。
ちょっと説明が長くなってしまいましたので、次項に持ち越します。
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