四通目


【音が詰め込まれる】



あなたの見ていた世界がここにあって、すごくうれしい。

あなたの世界を、わたしも見ることが出来て、うれしい。

あなたに出会えたことがうれしい。


いまは、なにを見ていますか。

いまは、どんな想いですか。



【どうか遠くへ行かないで】


あー、あなたの笑い声が聞こえる。

すごく胸がきゅーとなる。


なんでこんなにときめくの?

この気持ちはなんなの?


あー。あー。

ありきたりだってそれでいいや。それでもそれでも。


言いたいこといっぱいあったのにな。

言えなかったのがむしろよかったのかな。


深く入り込みたくはないな。


そういうことも深く考えすぎずにありのままでいよう。

いま、わたしはあなたが好きです。



【人とのつながりは、なにかを気付かせてくれる】



滅びの瞬間を見届ける。


ひとりよがりな片想いで、ちゃんと振られて終わらせる。

ちゃんちゃらおかしいや。


当たり前のことだし、何もおかしくないのにね。


あんなにも想っていたのにな。こんなに気持ちは。


使えるものは使わないとっていう気持ちも、あの人がくれた。



【処理のしかた】



いろいろしなきゃいけないことはあるけれど、自分のなかでの消化のしかたを考えなくてはいけない。


目には目を歯には歯をのハンムラビ法典のごとく。


わたしは、愛するあなたへ、憎しみのかぎりのオマージュを捧げなきゃ。

それは好きだったがゆえの憎しみに変わった愛のなれの果て、になるのかなぁ。


偽りがイヤなあなたへの最大限の愛の示しかたでしょう。


もうそれは残念ながら愛とは呼べるものではないけれど。

それでもまだ、なんだか気持ちがざわつきます。


やっぱりこれが愛なのかな。

ほんとうは、あなたが傷つく顔はどうしても見たくありません。


あなたがわたしを傷つけて、たとえ憎く思ってしまっても、利用されていたと思えても、金を搾取されたとしても、暴力を振られたとしても、暴言を吐かれたとしても。


メンタルヘルスな人間のように、あなたを愛しています。

ゆえに、わたしはわたしが受けたすべてをあなたに同等に返さなくてはいけません。


それがわたしの処理のしかた。



【視えない絆とか】



たとえば、ちがう人を好きになるのも、決してわるいことじゃないと言う。

どこか裏切りに感じてしまうわたし。

そもそも約束された関係でもなんでもないんだから、こんな感情切り落としてしまっていいはず。


なのに、それが出来ない。


それはきっと自分のなかの打算があるからだ。


決して相手のためを思ってだとかそんなきれいなものじゃない。

だってわたしじゃなきゃいけない理由はない。


無情にあなたを忘れてゆくのだろうね、この移りゆく心は。


心が変わっても、わたし自身はなにひとつ変わらないだろう。


あなたは忘れちゃったんだよね。それならもうこんな不要な感情から開放されたっていいはずだよね。


はず、だなんてそんな仮定はいらないよね。

終わっちゃったことを受け入れられないのは、果たしてどちらだったんだろう。


相手はもとからそんな感じだったよ。

そう、わたしは都合がいい存在だったのはたしかだよ。

情を掛けてもらえる存在でもなんでもない。


ひとり、胸がいたい。


自分で、たったひとり自分で処理せねばならない過程です。


せめてあなたとおんなじ心持ちであったらなぁ。

最初から合わなかったんだ。


じゃあこの世に合う人ってどれくらい居るんだろう。

無理をしないで合う人が。

わたしが、無理をしないで合う人が。



【六次の隔たり】



ねぇ、どうして今日はお話をまったくしなかったの。

もしかしたら、なんてどこかで思う。いつも思う。


あの人から言われた言葉が頭をぐるぐる。

そしていまの自分の状況に息が詰まる。


わたしはいったい、なにをしているんだろう。


だれからも影響を受けちゃいけない。

いまは特に。


それなのにあの人に会えてうれしくて、どこか物足りなくて。

きっと真面目な人たちだから発展なんてしていかないだろう。


わたしがどう行動するかにかかっているんだろう。

わたしはきっとなにも出来ない。


あああああ、わたしはなんでこんなに駄目なんだろう。


なんて高慢ちきなんだろう。

もっと謙虚に。


自分らしくってどんなもの?

ちょっとくらいワガママになったっていいはずなのに。

他人のあの目がこわくて。こわくて仕方ない。


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送らない手紙 サタケモト @mottostk

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