第9章 学園
第79話 王の呼び出し
海とシャルロッタ、ついでにドロップ、サカナ、楓はカレビ帝国王マァカス・アイリーンに突然呼び出しをくらい、今王都謁見する謁見の間へと出向いていた。
「あぁ~めんどくさい。クッソッめんどくさい!!なんでおっさんの呼び出しなんかにこの最強、最高、まじ無敵☆な、鈴木海様が呼び出し喰らわなきゃいけないんだよ...」
「お兄ちゃんキャラ変わってない?」
楓が的確な突っ込みを入れる中、正面で偉そうに無駄に豪ジャスな椅子に腰かけている王、マァカスが海を機嫌な顔で見る。
「鈴木よ...一応私は一国の王、敬意を払って前に出て貰わなければ困るぞ?」
マァカスが、海を睨みつけながら言う。
「ちょりいいいいいす。マァカス元気?
「...」
海の意味不明な言動に、一同ドン引き...
「おっほん!!」
そんな空気を一喝するようにマァカスが咳払いをする。
「パパ!!のどに淡でも絡まったの?そんな時には龍角散がおすすめだよ!!」
空気を読まないシャルロッタは、マァカスに進言する。
「やかましい!!我が娘ながら、そのアホさ加減には嫌気がさすわ!!」
「シャルロッタ様に何たる無礼を!!たとえ王とて許せん!!」
サカナが、仕込み刀を抜刀する。
「ええい!!話がややこしくなるからお前は黙っておれ!!そして左遷されたくなかったら、黙って話を聞け!!」
「...おい、鈴木...左遷とは何だ?」
サカナが、海の耳元でささやく。
「あれだ、あれ...。刺身に出てくるタンポポのことだ...」
海は、知ったかぶりをする。
因みに刺身に乗っているのはタンポポではなく、食用の菊の一種である。
「それで...王様さん...いったい私たちに何の御用でしょうか?」
ドロップが見かねて質問する。
「おぉ、シャルロッタの仲間にまともな奴がいるじゃないか!!名を何という...褒美を与えねば...」
海たちの頭がおかしすぎて、褒美の基準がおかしくなっている王。
「ドロップです。褒美?...いらないです...で?話とは何でしょうか?」
「そうだった...」
王は思い出す。
「貴様らには、学園に通ってもらいたいと思う!!」
王が声高らかに言った。
「「「「「はっ???」」」」」
5人の意見が一致する。
「どうして今更そんな牢獄のような場所に、この鈴木海様が通わなければならないのだ!!恥を知れ!!」
「貴様こそ恥を知れ!!王に向かって偉そうに!!」
王は、我慢の限界がきて激昂する。海は、流石にふざけ過ぎたと自覚したが、ここでやめる海ではない。
「初日から登校拒否決めてやんよ!!」
「ええい!!喧しい。これは強制だ。鈴木海、今や貴様は我が国...いや...人間族を代表する戦力となっている。そんな貴様が今の様にパッパラパーじゃ示しがつかん…。だから貴様にも少し学を身に着けてもらわなければ困るのだ!!」
「勉強なんて嫌いだああああ!!」
海は、心の底から叫ぶ。海にとって机にへばり付いて勉強することは拷問を受けているのと同じぐらいに苦痛なのだ。
「やかましい!!これは絶対の決定だ!!ついでに貴様の仲間、シャルロッタ、サカナ、ドロップ、妹も学園に行ってもらう」
「私だけ名前じゃなくて妹!!ぜったい私の名前知らないよね!!私の名前は、鈴木楓、最強の勇者にして最高の妹よろしく!!」
「そうか...」
「それだけ!?」
王は、海たちに疲れ果てて反応が鈍くなっていた。
「明日からカレビ帝国の学園に通ってもらう。以上」
そう言って、王は立ち上がり、何処か疲れた様子で立ち去って行ったのだった。
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