第60話 四大魔王会議

魔王リリス視点


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兄のイヴリースが使役されたという報告を受けた魔王リリスは、一連の問題を解決するため、他の魔王を城に招集して、会議を開いていた。


「皆さん今日は、お集まりいただきありがとうございます」


何処か落ち着かない雰囲気の中リリスは、円卓に座るほか三人の魔王に、挨拶をする。右からブエル、グソイン、ボティス、それぞれの魔王が並んでいた。


円卓に座る4人が現在の4大魔王である。


ブエルは、馬づらの全身毛むくじゃらの男


グソインは、男のくせに気持ち悪い犬耳をつけたがりがりの男


ボティスは、蛇面のきもい男だ。


リリスは、こんな気持ち悪いやつらにまったく頼りたくなかったが、今回の騒動は、魔王全体の問題にして、対処しなければ魔族が滅びてしまうと、思ったので急遽会議を開いたのだ。


「で?何のために私たちが集められたのかね?」


蛇面のきもい男、ボティスが不機嫌そうにリリスに質問する。


「ええ、今から説明させていただくわ」


・・・


「というわけなの・・・」


リリスは、聖剣エクスカリバーが復活して、所持したものが無作為に魔族領であばれ回っていることを伝えた。


「それがどうしたというのだ?」


馬ズラ毛むくじゃらの、ブエルが俺には関係ないといった風に、口を開き始めたので、リリスはちょっとムカつく


「それがどうしたじゃないでしょ!真剣に考えて頂戴!」


リリスが声を荒げて言うが、当の本人は聞く耳を持っていない。


「来るのなら蹴散らせばいいものよ」

「それができるなら、苦労しないわよ!出来ないから言ってるの!」

「ほぉ、魔王あらぬ答えよの」

「えぇ、そうよ、たぶんあれと戦ったら、ただひたすら蹂躙された挙句、殺されるだけよ!」

「はぁ、情けない、やってみなければ分からんだろうが」


身の程を知らない馬ズラを一旦無視して、一度も発言していない、キモ犬耳グソインに問いかけてみる


「あなたは、どう思うのグソイン?」

「リリスたん、またおっぱいおっきくなったんじゃない?ぺろぺろしてもいい?ねぇしてもいい?」

「死ね」


グソインも、まるでお話にならない。リリスはグソインを色魔のクソ野郎だと思っていたがここまでとは思っていなかった。


「で?結局この会議を開いた目的はなんだ?」


蛇ズラボティスが、早くしろと言わんばかりにリリスを急かす。


「ええ、全然話はまとまってないけど簡単に言うわ、このままだと魔王全体が滅びるのよ、だから全員で協力して対策を練りましょう」

「嫌だ、私は無敵だ!」

「却下」

「リリスたんの谷間ぺろぺろ」


上から、馬ズラ、蛇ズラ、犬耳のそれぞれの反応だ。そして、馬ズラが発言する。


「私の強さで、勝てないものはいない!私が最強ジャスティス!!というわけで、魔王城で待ってるのめんどくさいので、迎え撃って倒してくる!」

「ちょっと待って!」


リリスの制止も虚しく、馬ズラは闇へと消えてしまった。


「どうするんだ?、魔王リリス…」

「あなただけでも協力してくれない?」

「却下だ、私は忙しい、これで失礼する」


そう言って、席を立つ蛇ズラ。リリスは、無言で蛇ズラを見送った後、最後にダメもとで犬耳に聞いてみる。


「で?あなたは?」

「おっぱいナメていいなら、考えんでもない」

「帰れ!」


リリスは、犬耳を魔王城からたたき出して、次の案を考えるのであった。



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リリスは、バカ魔王たちが頼りにならなかったので、最終手段として魔王より魔王ぽい、海に話をするため、部屋の扉を開ける


「鈴木海!おきなさい!」

「うあぁ!ノックぐらいしろよ!」


リリスが、見ると海は、いつものようにベッドでダラダラしていた。しかし、いつもと違う部分がある、布団のふくらみと海が全裸だということだ。リリスは、海に問いかけた。


「そいえば、コイズ来たでしょ何処?」

「あぁ、コイズちゃんね、なんかお前の兄が使役されたとかで、慌ててたな・・」

「そう、で?その異様な布団のふくらみは何?」

「コイズちゃんだけど・・・」


海が布団をはぐると、生まれたままの姿のコイズが・・・


「死ね!」

「ごフッ!」


リリスは海の顔面をを思いっきり殴りつけ、こんなやつに頼るのはやめようと、硬く決意するのであった。


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