第61話 知ったことではありません
楓視点、1人称
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前回のあらすじ
新しい乗り物を手に入れました。
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私たちは、魔族の町モモンに来ていました。前回のカープの様に、新しい乗り物、イヴリースが交渉したおかげで争いにならず、すんなりとモモンの街中に入ることが出来たのです。
モモンの街では、モモンガの顔をした獣人が住んでいました。正直二足歩行で、テクテクと歩くモモンガは気持ち悪いです。
乗り物に聞いたところ、モモンの街は基本的には作物を栽培して、生活するあまり富んでない街だそうです。
魔族が貿易などをして、お金を回すのかな?と聞いたところ、どうやら人間のように普通にするらしいです。前の街カープでも色々な貿易が盛んにおこなわれていたそうですが、滅んだので知ったことではありません。
私たちがなぜのこの街に来たかと言うと、シャルロッタ様が突然観光をしたいと言い出したので、仕方なく街に立ち寄ることになったのです。私は、楽しければ何でもよかったので、観光をすることにしました。
で、私たちは今、モモンの露店がたくさん立ち並ぶ場所に来ていました。
「まずは、食べ歩きでしょ!」
シャルロッタさんが元気に叫びます。私も丁度お腹がすいてきたので、その案に賛成して適当な店に入ることにしました。
「いらっしゃいませ」
モモンガの顔をした、店員が私たちを出迎えてくれます。モモンガの店員は、驚いた様子でしたが、連れの乗り物を見た途端、静かになったので良かったです。
私たちは、適当な席に座り注文をするため、メニューを見ます。言葉はや文字は人間のと変わらないので、読むことが出来ました。そう言えば、異世界なのに言語が通じてることを今更ながらに気づいていてしまいますが、細かいことを気にしたら負けだと思うので、気にしません。
私がついそんなことを考えてると、頼んだ料理が運ばれてきました。
「お待たせしました。ボックリの丸焼きと、グリンの炒め物です」
私たちのテーブルに並んだのは、どんぐりと松ぼっくりでした。どんぐりと松ぼっくりは、丁寧に焼かれており、いい感じの焦げ目がついて美味しそうです…
「って!こんなもん食えるかああああああああああああい!」
私は、テーブルを手刀でたたき割りました。
きゃあああああああああああという悲鳴がそこら中から聞こえますが、知ったことではありません。客にこんな粗末なものを出すなんて、許されません。ぶっ殺してやります。
「落ち着いてください、主様!」
「乗り物ごときが、私に指示しないで!」
「ひっ!」
私が言うと、乗り物はがくがく震えて縮こまりました。私は、とりあえずシェフを呼ぼうと、周りを見渡したところ、ドロップさんがどんぐりと、松ぼっくりをむしゃむしゃ食べていました。
「ドロップさん不味くないんですか?」
「腹に入れば、全部一緒です」
「・・・」
私は、ドロップさんのお間抜けさを見て、冷静になりました。どうやら、バカにされたわけではなく、モモンガ顔の獣人は、草食らしく木の実や、野菜しか食べないそうです。私は、野菜嫌いなのでこの街を滅ぼそうと考えましたが、ドロップさんに止められたので、やめておくことにしました。
・・・
観光も飽きてきたころ、私たちは今夜泊まる宿を探していました。そこに
「とまれ!」
と言う声が私たちの後ろから、投げかけられたので振り向いてみたところ、モモンガの顔をした獣人が私たちに槍を突きつけていました。
正直モモンガの顔をした人たちは、男か女か分かりません。
「お前らが、カープの街でソフィアを殺したのか!」
「ソフィア?誰それ?シャルロッタさん知ってますか?」
「知らないわ、パパが買っていた犬がそんな名前だったかしら?」
「じゃあ、人違いですね、犬さんなんて殺してませんし」
私たちは、モモンガを無視して宿を探すために、歩みを進めます。しかし、モモンガが私たちの前に立ち塞がりました。
「無視するな!ソフィアは、虫類族の俺の言い名付けだったんだ!それをよくも!」
モモンガ族が、突然槍を突き出してきたので、へし折ってやります。
「ナニっ!」
槍を片手で折られたので困惑している、モモンガ
「あなたの、言い名付け、あの緑の中にいたの?」
シャルロッタさんが言います
「そ、そうだ!お前らが殺したんだ!」
「そう、それは残念だったわね!行きましょう、皆」
「はい、シャルロッタ様」
「レッツゴー」
「ごめんなさい」
私は、進路妨害するモモンガをパンチで吹き飛ばして、宿を探すことにしました。力こそ正義なのです。
・・・・
夜、私たちは無事宿を見つけることが出来たので、宿のベット寝ていました。一人一室と思っていましたが、残念ながら皆さんで横に並んで雑魚寝です。消灯から1分もたっていないのに、もうすでにドロップさんの寝息が聞こえます。横目でシャルロッタさんを見てみると…見なかったことにしましょう…とても刺激的です。
私も、そろそろ本格的に寝に入ろうと思います。と思った矢先、宿の下の階から、パリンという何かが割れる音が聞こえました。私は、無視して寝ようと思いましたが、隣でビクンビクンなっているシャルロッタさんの邪魔になっては、可愛そうだったので下の様子を見にいくことにしました。
下に降り私は、物陰から様子を伺います。モモンガの顔をした人たちが、物騒な装備をして宿の中に入ってくるのが分かりました。
「おい、あいつらは本当にここに泊まってるんだろうな?」
「間違いありません、俺は見ました」
「分かった全員で探せ!」
誰のことを探しているんだろう?と思いましたが、一人のモモンガが、私を見つけた途端に、突如剣を振り下ろしてきました。そういうつもりなら、受けて立ちましょう。
・・・
モモンガ集団を片付けて、穴に埋めた後。私は宿に戻りぐっすりと寝ることが出来ました。ちなみに宿に戻るとシャルロッタさんは、恍惚とした表情をしていましたが、知ったことではありません。
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