第43話 覚醒
海は、シャルロッタに腹を開かれて、内臓をの~びの~びされた後、何とか落ち着かせ、落ち着いてないが...奴隷商人たちを追うため、まず先ほど倒した、奴隷商人から証拠を見つけることにする。海は、地面で気絶しているフードの男の服を探る。因みにフードを外したそいつは、アンパンのような顔をしていた。そして、海がアンパン男をまさぐっていると楓が慰ぶしげな顔で言う。
「お兄ちゃん何してるの、刺され過ぎて、脳が飛んじゃたの?」
「いや、こいつらめんどくさいから、潰すことにした…そのための証拠を探してるんだよ」
「嘘!?お兄ちゃんが!珍しい!あんなに駄々こねてたのに…」
「いや、もうこいつら事態がめんどくさくなったんだよ...」
海が、なぜ奴隷商人を潰そうと考えたかというと、もうこいつら気に食わねぇし、殺っちゃいましょう、という大変傲慢な考えだった。海は、考えるのをやめたのだ。
「俺は、世界をぶっ壊す!」
「何言ってんの…お兄ちゃん?」
「気にすんな…言いたかっただけだ...」
海は、自分の発言を取り消すようにつぶやく。そして、アンパン男から何も証拠が手に入れれなかった海は、先ほどまでアンパン男に襲われていたネネの方を見た、すると…
「カイム…私の笑顔好きなんだ...へぇ~ふっふっ」
「ち、ちがう俺は、その…な、何でもない!」
「なに、カイム気になるんですけど…教えて…」
海は、ネネに話しかけようとしたが、カイムとイチャ付いていた。海は、あふれだすラブコメ臭に吐き気を覚えたので話しかけるのに躊躇した。しかし、此処で黙っている海ではない。
「お二人さん!ラブラブじゃん、少子高齢化社会に貢献して、僕の分まで子供産んで、将来的に僕を楽させてね!」
それに反応したカイム
「流石キチ海、言うことが違うわ…マジクズだな...」
「えっ?知らなかったのか?」
「開き直るな!」
海は、話を変えるためフードの男を指しながら、ネネに話をする。
「そんなことより、この奴隷商たちの居場所知らない?できれば一掃したいんだけど…」
「し、知ってるけど…でもどうして?」
「潰すお」
海がそう言うと、ネネは嬉々とした顔で
「奴隷商人たちのアジトなら、火山地帯の南にある集落にあるわ、私はここから動けないから行けないけど・・・」
「おけ」
海は、ネネの話を聞いた後すぐに潰しに行くため、飛行しようとしたしかし...
「お兄ちゃんどこ行くの?私も連れってって!」
「めんどい嫌だ!それにシャルちゃんはどうするんだ?このままここに置いて行ったら、かわいそうだろ?」
しかし、シャルロッタが言う。
「私なら大丈夫よ、走れるもの!」
「いや、意味わかんない...」
海がシャルロッタの発言に疑問を抱いていると、シャルロッタは目を瞑り両腕を広げ…
「はああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
シャルロッタは雄たけびを上げた。するとシャルロッタの周りに魔力らしきものが漂う。
「シャルちゃんの魔力がどんどん上昇していく…」
そして、シャルロッタが気…ではなく魔力を体から放出し終わると…
「私の魔力は53万ですよ!」
「はぁ…」
「お兄ちゃん、すごい!シャルロッタさんの魔力がどんどん上昇していく!」
「いや、さっき言ったから、とりあえずこの状況を説明してくれ・・・」
海がシャルロッタに質問した。すると…
「私は、怒りによって目覚めたの、ただそれだけよ!ここで問題です、怒りの理由は何でしょう?1海2海3海4海5海6海7海8海9海10海さぁこの中から選んでみようか…」
「誠に申し訳ありません…」
「このスーパーシャルロッタを怒らせたことを後悔させてやるわ!」
海は、親指を立てて、力説するシャルロッタに少し引きながら、話を戻すことにした。
「よく分からないけど…シャルちゃんも、奴隷商人を倒してくれるの?」
「そうよ、このパワーでね!!!!!!!!!!!!!!」
シャルロッタは、そう言うと右足で地面を踏みつけた...すると地面は大きな音を立てて、地割れしたのだ...それを見た海は・・・
「もう逆らわないので、その力は僕には使わないでください…」
「保証はできないわ!色魔の海は、いつ浮気するか分からないもの!」
「そうですよね...はっはっはっ!」
「なに笑ってんのよ!!!!!!!!!!!!!」
突如海の目の前に現れたシャルロッタの拳が、海の頬の横を通る・・・
「ひっ!」
海は恐怖で震えていた…そして楓が…
「お兄ちゃんだっさ~い」
「う、うるせぇ!、とりあえずシャルちゃんがものすごい強くなったってことは分かった...」
「じゃあ、行きましょう!そうだドロップさんたちも連れて行って、みんなで楽しくいきましょ!」
「いやピクニックじゃないぞ?」
「奴隷商人狩りなんてピクニックと一緒じゃない!朝飯前よ!」
「そ、そうか…」
海は若干キャラが変わったシャルロッタにビビりつつ、何とか一人で行く方法がないか考えたが、あきらめてシャルロッタの提案に乗ることにした。
「じゃあ、ドロップたちも連れてくるか・・・」
「やった!ピクニックだ!」
「おう、喜んでもらえて何よりだ...」
「で、お兄ちゃんどうやってドロップさんたちを呼んでくるの?」
シャルロッタが空を指さし言う
「海行ってきて!」
「はい!行ってまいります!!」
海は、今にも拳を振り上げようとしたシャルロッタを見て、間髪入れず飛び立った…
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4時間後…
海は、ドロップとなぜかサカナを担いで火山地帯に戻った。地面に降りたつと、サカナは海の肩からひょいと飛び降りると、シャルロッタの所に向かった。
「シャルロッタ様!悪を成敗するのですね、立派な心掛けです!どうか私にもお手伝いさせてください!」
「いいわ!私についてきなさい!」
「はい、どこまでも!」
勝手に進もうとしているシャルロッタたち…
「おい、サカナ!お前はこれの運転手のためだけに呼んだんだぞ!」
海がそう言うと、大きな木の板に大きなタイヤ、そして板の上にハンドルがついた、とてもシュールな乗り物を取り出した。
それを見たシャルロッタ…
「海なにこれ?だっさ…」
「だっさ、言うなよ...王からもらった魔力自動車だ、ハンドルに魔力を流すだけで動く物だ」
「いつパ…お父さんのところによって来たの?」
「家に行く途中だ、シャルちゃんを走らせる絵をあまりみたくないからな」
「そ、そう、ありがとう…ところでいつまでドロップさんを担いでいるの?」
シャルロッタが冷めた目で質問する。
「この触り心地が何とも言えないんだよ!丁度背中の部分に胸があたって、素晴らしごふけぇ!」
海は、殴られた。そして、シャルロッタは言う
「死ね」
「冗談です、許してください…」
海は、担いでいるドロップを下ろしながら、釈明した。そして、地面に降りたドロップが言う。
「すいませんシャルロッタ様、海さんは悪くないんです!私のこの大きすぎる胸が悪いんです!」
「死ね!」
「な、なんでです!」
「まぁ、ドロップ察してやれよ...」
ドロップは、シャルロッタの胸を見る。
「あっ、察し…」
「本当に殺されたいようね!」
突如姿を消したように見えたシャルロッタは、海の顔面を殴りつけた。
「ひでぶぅ!」
「やったわ!」
地面に転がるようにして飛んでいった海は、起き上がり抗議する
「なんで、僕なんだよ!言ったのはドロップだろ!」
「私、女の子は殴らないって決めてるの」
「くっそ、流石の俺も怒ったぞ!俺は、男女関係なしに殴る男だ!どんな理由だろうと、ムカついたら殴る!これが俺の生きざまだ!シャルちゃんも殴られたくなければ、今のうちがばぁおおおおおおお」
海は、殴られ再度地面に転がる、もうボロボロだ...そして、シャルロタが言う
「今のうち何?」
「いや、何でもないです...これだから暴力系ヒロインは嫌いなんだ...」
「なにか言ったかしら?」
「なんでもないっす・・・」
海は、ガクブル震えながら全員で、魔力自動車に乗り込み、南を目指すことにしたのだった…
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