第44話 温泉…

海たちは、奴隷商人の主楽を探すため、火山地帯を真っすぐ南に進んでいた。火山地帯は、まだまだ抜けられそうにない。そして道は、ゴツゴツとした岩に囲まれた道で、魔力自動車を使って移動している。魔力自動車は時速60キロの速さ移動していた。そして魔力自動車は、椅子がなく海たちは、板の上に転がったり座ったりしている。振動が直で伝わる自動車に対して、楓が文句を言う。


「お兄ちゃんこれ、おしり痛いんですけど…座り心地最悪なんですけど」

「我慢しなさい!」

「嫌だ、お兄ちゃん私の椅子になってよ~」

「それこそ嫌だわ!」


そして、シャルロッタ、


「こんな乗り心地の悪い乗り物、王族である私を乗らせるなんて意味が分からないわ!」

「いや、これ作ったの王族であるあなたのパパさんなんですけど…」

「黙りなさい!」

「怖っ!キャラ変わってないですかね!?」

「私は、強いの当然よ!」

「はぁ…」


海は前の、か弱いシャルロッタの方がいいと思ったが口には出さない。海は、先ほどから一言も喋っていないドロップを見た。ドロップはどこか不安げな顔をしている。


「どうしたドロップ?」

「いえ、今から戦いに行くんですよね?どうして皆さん能天気なんだろうなと思って…」

「まぁ、それなりに皆強いからな、ドロップは心配か?」

「はい、少し・・・」

「安心しろ、僕が守ってやるから...」

「海さん…」


ドロップが目を瞑る。海は顔を近づけてそれに応じようとした。しかし、魔力自自動車が突如横に揺れたのだ。


「おっととと」

「きゃっ!」


ドロップと海は、衝撃で離れる。海は、邪魔をした主に文句を言う


「おい、サカナ!てめぇ何しやがる!危ないじゃないか!」

「あっ、悪いわざとだ!車の上に鳥の糞が落ちていたからな振り払うため、少し横に移動した」

「鳥の糞?…もしかしなくとも、僕のことか!!!!」

「さすが鈴木、察しがいいな!もちろんだとも!」


海は、サカナをぶん殴る


「痛いな鈴木…でもさっきのは冗談で、本当に上に鳥がいるぞ?」

「なに!?」


海は、サカナの言葉に上空を見上げた、すると上には、大きな鷲が飛んでいた。鋭いクチバシ、鋭い爪まるで神話にでも出てきそうな神々しい鳥だった。そして、シャルロタが言う。


「グリフォンよ!今日の晩御飯よ!」

「お兄ちゃん、早く殺してきて!私お腹すいた!」

「えっと…はい」


海は、飛行してグリフォンに近づく。海に気付いたグリフォンは、口からかまいたちを放ってくる。


「ギャアアアアア!!!!!!」


海は、かまいたちを収納して、ジェット機のようなスピードでグリフォンに近づく、

そして、右手でグリフォンのくちばしを殴りつけた。


「ギュア!」


海の魔力の乗った拳は、グリフォンに直撃して真っ逆さまに地面に落ちていく。

地面に叩きつけられたグリフォンは、大きな音を立てて地面にめり込んだ。


「やったぞい!」


海は、地面に降りたち即死したグリフォンを収納した。そして魔力自動車に戻った海に対して、シャルロッタが言う。


「海、流石ね!今日の晩御飯はこれで決まりよ、早速調理しましょう!」

「ではシャルロッタ様、この辺で今日はキャンプですね」


サカナがそう言うと、道の隅に魔力自動車を止めた。


海たちは、魔力自動車から降りて各々食事の準備に取り掛かる。海は、テントを張り、シャルロッタとドロップと楓は料理の準備をしていた。サカナは、運転疲れしたのか魔力自動車の上で、いびきを立てて寝ている。


10分後...

テントを張り終えた海は、シャルロッタの料理の様子を見ることにする。


「シャルちゃん順調か?」

「うん、もうできるわよ!楓ちゃんと、ドロップさんに手伝ってもらったから早かったの」

「そうか、ありがとう」


海は、シャルロッタの頭をポンポンと撫でて料理ができるのを待つことにする。撫でられたシャルロッタは、満足気だ


「えへへっ」

「それじゃあサカナ起こしてくるから」

「うん!」


海は、サカナを起こすために魔力自動車の置いてある所へ向かった。

たどり着いた海は、サカナを両手でゆする。


「起きろ!サカナ!犯すぞ?」

「…やれるものならやってみろ…」


サカナは、寝言のように言った。そして海は悪い顔をして言う。


「やってやろうじゃないか!」


海は、仰向けで寝ているサカナの服に手を伸ばす。サカナの服は、チョとフリフリのついたシャツだ。海は、シャツのボタンを一つ一つはづしていく、ボタンを外すと同時に海の興奮も高まっていく。


「ぐへっへっへっ」


史上最悪の男海は、すべてのボタンを外し終えると、サカナのブラジャーの色を確認する。色は、黒だそして、かなりシンプルな物だった。


「これはこれで...」


海は、フリフリの奴が好みであったがシンプルなデザインもいいと思う。そして海は、とうとうブラジャーを脱がすため、手を伸ばしたその時…


「海~なにやってるの~?」


突然遠くからシャルロッタの声が聞こえた、海は急いでサカナのシャツを元の位置に戻す。


「なんでもないよ~」


海は、近づいてくるシャルロッタに焦りながらサカナのボタンを一つ一つ絞めていく、先ほどはボタンを外すとき興奮したが、今は恐怖に塗りつぶされるだけ。そして、ボタンを何とか閉め終えた海は、丁度近くまで来たシャルロッタの方を向いて誤魔化すように言う。


「シャ、シャルちゃん!サカナはなかなか起きないんだよ!」

「そうなの?私に任せて!」


そして、シャルロッタがサカナの耳元で呟く。


「あの時のこと言うわよ...」

「ひっ!」


それに反応した、生きのいいサカナは跳ねるように飛び起きた。そして言う


「シャルロッタ様やめてください!あの事を鈴木に知られてしまえば、私は破滅です!」

「言わないから安心して、私にメリットがないもの」


海は、疑問に思ったのでここぞとばかりにサカナを問いただす


「おい、サカナ!なにを隠しているんだ、おじさん悪いようにはしないから言ってみな!」


ものすごく悪い顔で言う海


「絶対に嫌だ!これだけは、死んでも知られたくない!」

「そ、そうか、そこまで隠すなら追求しないでおくか…で、シャルちゃん何のこと?」


隣に立っているシャルロッタに聞く。ここで引き下がる海ではない。


「えっとね…「シャルロッタ様!」」


海は、涙目になってきたサカナを見て許してやることにした。そして、サカナが言う。


「あれ…なんか着心地が悪いなこのシャツ…あっボタン掛け間違えてる…」

「お、おうだっさいな~」

「何故動揺しているんだ?」

「いや別に…」


海は、目をそらして対応した。そして、海たちは食卓へと向かった。


食卓に着いた海たち、机と椅子は海が用意した簡素な木の物、そして、その上にグリフォンの生首と一緒に鶏肉料理が並んでいる。から揚げ、から揚げ、から揚げ、から揚げ、から揚げ、から揚げ、から揚げ、から揚げ、から揚げ、から揚げ、から揚げ、から揚げ、から揚げ、から揚げ、から揚げ、から揚げ、から揚げ、から揚げ、から揚げ、から揚げ、から揚げ、から揚げ、から揚げ、から揚げ、から揚げ、から揚げ

全部から揚げだ。さらにその唐揚げは、生首を囲む等にして、タワーの様に積み重なっている、それを見た海


「こんな大量の唐揚げ誰が食べるんじゃ!胃もたれするわボケ!」

「文句を言うなら、食べなければいい、私は戴くぞ!」


サカナがそう言うと、椅子に座ろうとしたその時…


「イタッ!」


サカナは転倒した。海がサカナの椅子を収納したからだ


「何をする!鈴木!」

「ムカついたからやった、悪いとは思っていない...」

「なにおおおおおおおおお!」


激高するサカナそこにシャルロッタ。


「喧嘩は、やめて食事にしましょ!お腹がすいて気が立っているのよ...」

「そうか…ではいただくとしよう」


海は、席についてから揚げをいただくことにする。


「おい鈴木!私の椅子を返せ!」

「嫌だお」


海は、から揚げを食べる、食べ続ける…そして飽きる…


「シャルちゃんさすがに作りすぎ、ってええっ!」


海は、隣に座っているドロップを見た。するとそこには、すごい勢いでから揚げを食べている。


「ムシャ、ムシャ、ムシャ、ムシャ、ムシャ、ムシャ、ムシャ、ムシャ、ムシャ、ムシャ、ムシャ」

「おい、腹壊しても知らんぞ...」

「大丈夫です!普段はセーブして食べてないですけどこれぐらいの量なら、余裕です!」


口を油でギトギトにして言うドロップ。


「そ、そうか」


海は、シャルロッタの方を見た。シャルロッタもドロップと同じスピードでから揚げを食べていた。海は何も言わずに目の前のから揚げを食べることにした。


1時間後…

タワーのように連なったから揚げだったが、すべてシャルロッタたちのおかげで、完食した。そして、シャルロッタが満足げに言う


「もうさすがにお腹いっぱいだわ、これ以上食べたら太りそう…」

「から揚げ、30キロ分食って、何を言うのやら…」

「なんか言った?」

「いえ、何でも・・・」


海は、シャルロタに睨まれたので押し黙る。そして、顔中テカテカのドロップが言う。


「お腹いっぱいです~お風呂に入って寝たいです~」

「そうね!いい考えね!この辺火山地帯だし温泉くらいありそう、海探してきて!」

「あっ、はい」


海は、シャルロッタの無茶ぶりに答えるため。温泉を探すことにした。


海は、飛行して空から温泉を探す。そう簡単に見つかるはづもない、そう思っていた。しかし、どこからともなく硫黄のようなにおいがする。海は、匂いのする方に行くことにした。


硫黄の匂いのもとにたどり着くと、普通に温泉があった。


「おい!」


海は、都合の良すぎる出来事に突っ込みを入れる。温泉は、石で囲ってありまるで誰かが手をかけて作ったかのように見えた。海は、早速温泉のもとに降り、水を確かめてみる。水に手を入れた海、すると…


「ぎゃあああああああああああああああああ!」


水に入れた手が溶けてなくなった…海は、急いで超回復水で治療する。手は元通り元に戻った。海は、謎の水を鑑定の書で調べる。


酸の温泉・・・火の精霊王が管理する温泉。どんな物だろうと溶かす。


海は、火の精霊王のパワースポットを見つけたようだ。海は迷わず半分くらい収納した。

結局海は、その後温泉を見つけることが出来ず、シャルロッタのたちの所に戻った。


シャルロッタの所に戻った海は、シャルロッタの前で地面に頭をつけ、声高らかに報告する。


「何の成果も得られませんでした!!!!」

「駆逐してやろうかしら」


海は、シャルロッタの冷たすぎる眼差しにビビりつつも言う


「今日は、大人しく寝ましょうよ...」

「嫌よ!汗くさいの!鶏肉臭いの!お風呂に入りたいの!」


地面に寝っ転がり駄々をこねるシャルロッタ。海は、ムカついたので先ほど手に入れた酸の温泉をかけてやろうかと思ったが、やめておいた。海は仕方ないので全員分の綺麗な布を取り出して渡す


「今日は、これで我慢してください…」

「仕方ないわね...」


シャルロッタは、渋々という様子で布を受け取る。ほかのみんなは何も言わない一応旅だから風呂には入れないだろうと覚悟ぐらいしていたのだろう。海は、全員に布を配り終わった後、さっさとテントの中に入って寝ることにした。


「じゃあ、俺先に寝るから」


テントの方に向かっていこうとする海を見て、シャルロッタが言う。


「何処に行くの、私の体拭いてくれるんでしょ?」

「いや、そんな約束した覚えないけど…」

「拭いて!」

「はい…」


すかさずドロップと楓が言う。


「お兄ちゃん私も拭いてほしいな、ダメ?」

「私もお願いしてもいいですか?」

「分かった」

「私は、自分で拭く!!!!!!!!」

「知ってた」


サカナが両手を上につきだして、高らかに叫んでいたのを軽く無視して。4人でテントの中に入って体を拭くことにした。


テントに入ったシャルロッタたちは、早速服を脱ぎだす。海のあばれん坊将軍が卍解しそうだったがなんとか耐える。まずは、シャルロッタの体から拭いていく。

海は、シャルロッタの体をまじまじと見た。線は細いが、とても美しい体をしている。肌は透き通るような白色で今すぐにでも触りたい。乳首は手で恥ずかしそうに隠していたが、そこが逆にエロい!海は、首の方からシャルロッタを拭いて行く。


「あっ…」


布が首元に当たったシャルロッタは、なまめかしい声を出す。海は感想を聞く。


「どう?」

「うん、気持ちいい…」


その後もシャルロッタを隈なく拭いて行く…


10分後…

拭き終わった海の下半身は裸だ。何があったかは知らない。そして、ドロップも拭いて行く。


15分後…

拭き終わった海、なぜか裸でゲッソリしている。何があったかは知らない。続いては、楓を拭く


20分後…

拭き終わった海は、ひもで手足を縛られ、裸の状態で地面に転がっていた。何があったかは、本当に知らない。


シャルロッタたちの肌は、なぜか艶々している。しっかりと布で拭いたからだと思うことにする。それ以外は知らない。そして、満足したのかそれぞれテントの中で、適当に横になり寝たのであった。


海も虚脱感の中、縛られたまま眠りに入ったのであった…














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