第36話 シャルロッタたちの怒り

残酷描写あり、苦手な方はお控えください




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海たちが、水族館に行った数日後...

海は、自分の土地の整備を行っていた。何故、海がそんなめんどくさいことを態々しているかというと、親子たちが、最低限自給自足できるように農作業をしたいと言い出したからだ。

そして、海は、親子たちを解放した責任を果たす為、渋々田んぼを耕していた。


「オラオラオラオラオラ!」


気合を入れて耕す海...


そして昼時…

海が、一生懸命農作業をしていると、1児の母、レソが海のためにおにぎりを持ってきてくれる。


「海さん、少し休憩したらいかがですか?」

「あぁ、そうさせて貰う」


海は、近くにあった木の木陰に腰かけて、レソのおにぎりを食べる…


「平和だな~」


海が、平和をかみしめていると、レソが何かに気付いたように、手を伸ばす。


「海さん、お弁当付いてますよ」


優しく笑うレソ、そして、海の頬についていた、ご飯粒を取り、そのまま自分の口の中に入れる。その動作を見た海は、興奮した...

海が興奮するのも仕方ない、レソは、まだ23歳の若さで、圧倒的な色気と母性を兼ね備えている、そして、髪型はおさげで黒色、美人で素晴らしいおっぱい...グッジョブ!


そして、レソは改まった風に言ってきた


「あの、海さん、奴隷の皆さんを代表してお礼を言わせてください、私たちを解放してくださって、ありがとうございました、このご恩は一生忘れません」


三つ指をついてお礼してくるレソ、それを聞いた海は、恥ずかしかったので、誤魔化すようにを言う


「僕は、ただ欲望に従っただけだ、そして、たまたまその先にお前たちがいただけ、一々礼をする必要はない、この件の礼は今回限りでいい、礼を一々言うのは疲れるだろ?僕もめんどくさい、最後に一つだけ、お前たちは、もう奴隷じゃない、自由に生きるといいよ、一応救った責任として、できる限りのサポートはするつもりだ...いらないならそれでいい」


海は、それだけ告げると立ち上がり作業に戻ろうとする。


「待って下さい、海さん!」

「なんだ?」


海は振り向く


「私と結婚してくれませんか?...」

「はっ?」


海は、すっとんきょんな声を出す、そして続けるレソ


「私、海さんのこと好きになってしまいました...海さんなら私のこと好きにしても構いません、むしろ奴隷でも構いません!奴隷にしてください!」

「落ち着け!」


海は、レソを落ち着かせる。それでも、迫ってくるレソ


「レソ、ちょっと落ち着いて...」


しかし、レソは海の腕を引っ張り、押し倒した。


「もう、止まりません…既成事実を作ればいいのです...」

「ちょ、待っ!」


馬乗りになったレソは、海の制止を無視し、指をなぞる様にして、胸のあたりを彷徨わせる...

そして、レソの艶めかしい唇が海の唇に近づいてくる...海は、あきらめたように目を瞑った...


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どうしてこうなった...

ことを終えてしまった海は賢者モードの頭で考える。そして、心なしか艶々したレソがつぶやく...


「海さん、責任いえ、別に奴隷でも構いません、貰ってくださいね...」

「あっ、はい」


海は、ぼっーとする頭で答えた。そして質問する


「なんでこんなことしたの?」


海は、尋問する警察のように言う、それに顔を赤くして答えるレソ


「海さん、自由に生きろって言ったじゃないですか...」

「自由過ぎでしょ!」

「でも、気持ちよかったんでしょ?」

「あっ、はい」


海は、黙って農作業の続きをすることにした...


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そして、日もだいぶ落ちてきたころ...

海は、片づけをして屋敷に戻ろうとしていた...そこに招かれざる客が海を見て叫ぶ


「見つけたぞ!鈴木海!」

「はっ?」


海を呼ぶのは、イケメンカイムどうやらまた因縁をつけに来たらしい。海は言う


「なんですか?うちは新聞はお断りです」

「違う、どう見たら新聞売り込みに見える!」


海は、カイムを無視して、屋敷へと歩みを進める。しかし、それを粘着質に止めるカイム


「待て、と言ってるだろう」


カイムが海の肩を掴む


「なに俺の肩触ってんの?お触り禁止なんだけど?」

「黙れ鈴木海!森の精霊王レナ様をどこにやった!」


海は、カイムの手を振り払い適当なことを答える


「レナは僕のだ!昔の男のおまえに、とやかく言われる筋合いはない!」

「ち、違う私たちは、そういう関係ではない!いいからレナ様を出せ!」

「やっべ、久しぶりに男と喋ってたら蕁麻疹出てきたわ、じゃ、そう言うことで!」


海は、適当なところで話を切り上げようとしたが...


「フレイム!」


突如魔法が飛んできた。海はそれを収納する


「お前、何すんの?喧嘩売ってんの?ちんこ捥ぐぞ?」


海のそれは、ドキュンと同じ対応であったが、カイムは答える。


「言葉が通じない猿には、お仕置きが必要だろ?」

「カチーン、もう完全に怒った、お前はこの畑の肥やしにしてやんよ!」


海とカイムは激突した...


戦いは、2秒くらいで終わった、海が消える、カムイを殴る、気絶する、お終い…


「俺TUEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!」

「うるさいわよ!近所を迷惑考えなさい!」

「はい...」


海は、雄たけびを上げたが、どこかのおばちゃんに怒られて、シュンとする。


「どうすっかな、こいつ...」


海は、気絶しているカイムを見て言う。正直もう、追われるのがめんどくさい、なので家に連れていくことにした。



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家に戻った海…

フリルのエプロンを着たシャルロッタが、出迎えてくれる。もちろん下は着ている。ちっ!


「おかえり海、お風呂にする、ご飯にする、それとも、わ・た・し?」

「おう、まずこの男をロープで縛っておいてくれ」


海は、そう言うと担いでいた、カイムをポイする。シャルロッタは驚きの声を上げる


「ちょっと、待ってこの人どうしたの?」

「道に落ちてた」

「ウソよね!絶対ウソよね!じゃあなんでロープで縛るの?」

「臭いから」

「確かに臭いわ、縛っておきましょう...」


シャルロッタは、どこからともなくロープを持ち出し、カイムを縛り付けた。それはもう、見事な亀甲縛り...どこで覚えたんだ、とは言わない海...


海は、亀甲縛りで吊るされるカイムを見て合掌...


そして、家の中に入る...


海がリビングに行くとなぜか、レソが楓とドロップ、と寛いでいた。


そして今日もいるサカナ


海は、帰ってきたら言うセリフは決まっていた。


「帰れ!サカナ!」

「拒否する!ここは私の家だ!キサマにとやかく言われる筋合いはない!」

「僕の家なんですけど...」


海は、呆れて追及するのをやめた、そしてレソになぜいるか質問する


「レソさんは、なぜいらしゃるのかしらん?」

「え、今日から私たち夫婦じゃないですか...お忘れですか?」

「・・・・・・・・・・・えっ、あっ、はい」


戸惑う海、そこに


「パ~パ~」


と、抱き着いてくる男の子...


「あら、シュナイゼル、挨拶もなしに抱き着いちゃだめよ...」


どうやら、レソの息子らしい、そして逃げ場をなくした海...


「紹介しますね、今日からあなたの息子になるシュナイゼルです」

「よ~ろ~し~くお~ね~が~いします!」


シュナイゼルが無邪気に言う、海には逆にそれが怖い...


(考えろ鈴木海!この軽くホラーな状況を打開する手段を!)


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


海は考えた、考えた末、考えるのをやめた...


「よっしゃーシュナイゼル!今日からお前は、鈴木シュナイゼルだ!よろしく頼むな!」

「うん、よろしくパパ!」


海は、やけくそ気味に言い、シュナイゼルを抱き上げ、ぐるぐるする

しかし、海は考える、楓たちは、この状況に対してなぜ何も言わないのかと...


「おい、楓文句はないのか?」

「あ゛ぁ゛!?」

「ひっ!」


かつてないほどの楓の怒りを、目の当たりにし、ビビる海、一応ドロップにも話しかける。


「ドロップさん、文句はありませんかね?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「ドロップさ~ん?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」


完全無視、ドロップの目はどこか虚ろで海を居ないものとしているようだ...

これは、不味いと思う海、そしてちゃんと玄関で出迎えてくれた、シャルロッタなら大丈夫だろうと思い、シャルロッタの所に向かう。

シャルロッタはキッチンで料理をしていた。海は、気軽に声をかける


「あっ、シャルちゃん、僕に何か言いたいことない?」

「忘れてたわ、海!」


海が質問すると、シャルロッタは、切っていた魚を放置して、包丁を持ってこちらに駆け寄ってくる…

そして、海の正面まで近づいてきたシャルロッタは、言う


「死んで頂戴...」

「!?」


シャルロッタは、ほぼノーアクションで、海の腹部目掛けて腕を振る…


「・・・・・・・」


海は、恐る恐る自分の腹部を見る、そこには、板前包丁が深々と刺さっていた...


「ぎゃあああああああああああああああああああああああああ!」


海は、突然の痛みで悲鳴を上げる。そして、滴る血…


「ちょっと待ってシャルちゃん、話を聞いて…」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


海は、膝を突きながらシャルロッタに必死に懇願する、しかしシャルロッタは、ゆっくりと腹部に手を伸ばしてくる...


「・・・・・・・・・・・・・・・」


そして、海の腹部に刺さる包丁の柄を静かに持ち、海の腹を抉る様にかき混ぜる…

グチョ、グチョ、グチョ、グチョ、グチョ、グチョ…

海の大腸や小腸が引きちぎれる音が聞こえる…


「死ぬうううううううううううううう!逝くうううううううううううううう!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


海は、倒れる…

朦朧とする意識の中、海は超回復水を飲む...しかし


「・・・・・・・・・・・・・・・」


傷が癒えても、シャルロッタが包丁を放さない、包丁になぜか魔力が流れている...海が無理やり、抜こうとしても抜けない...


「いがああああああああああああああああああああああああああ」


海は、痛みで悲鳴を上げる、いくら傷が癒えても痛みまでは、消せないのだ...


(死ぬ、殺される...)


海は、異世界に来て、初めて死の恐怖を感じた。今までモンスターと戦っていてもどこかで、勝てると思っていた。ほとんど舐めプだった。まさか、シャルロッタに刺されて最期を迎えるとは、思っていなかった海。


海の意識は、段々途絶えそうになり、限界が近づいてくる...


「あ゛ぁ゛・・・・・・・・・」

「・・・・・・・う゛ぅ゛、グスッ・・・・・・・・・・・・」


倒れている海は、頬に冷たいものが当たるのを感じた...

海は頭を上げて、シャルロッタの顔を見る

シャルロッタは泣いていたのだ...海は最後の力を振り絞って言う


「ごめん…シャルちゃん、ついムラムラして、やってしまったんだ...」


さらに、突き刺さる包丁


「ぐはっ!ちょ待っ!今のは冗談...え~とシャルちゃんの時の方が良かったよ!」


回転する包丁


「ぎゃああああああああ、ストップ!ストップ!死ぬ!死ぬ!...」


海は、余計なことを言うのをやめた。そして、包丁がさらに奥に突き刺さるの覚悟で、シャルロッタを抱きしめることを考える。


(覚悟はある!ピキーン!)


海は、シャルロッタを抱きしめる。


「がはっ!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


案の定、海の腹に包丁がさらに深く刺さる…

長い沈黙のあと、シャルロッタは包丁を海から引き抜いてくれる、飛び散る鮮血…


「おべぇ!」


そして、シャルロッタが口を開く


「海なんで、浮気するの...?」

「今回は、半分襲われたんだよ...」

「そうなんだ、抵抗はしたの...」

「勿論してない!」


血にまみれた包丁が海に迫ってくる...


「ちょっと、待ってくれ、いや待ってくださいシャルロッタ様」

「・・・・・・・」


海は最強の必殺技、DOGEZAをする。


「今回のことは、申し訳ないと思っています。どうか、許していただけませんか?」

「・・・・・・・・・・・・」


海のDOGEZAを見て、シャルロッタは考えるように言う。


「今回、何が悪かったか分かったいるの?」

「巨乳が増えたことですかね...」


海の、首元に包丁が近づく


「ひっ!」


海は、背中に冷たい汗が流れるのを感じながら、ふざけるのをやめて、真面目に考える。そして、海は答えにたどり着く、そして、恐る恐るそれを言う。


「子供ですか...」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・正解よ…」


シャルロッタは、長い沈黙の後答える


「私より先に海の子供がいることが、許せなかったの、だから海を殺すことにしたわ」


シャルロッタは、真顔で恐ろしいことを言う


「それで、僕のことは、許してくれるのですか...」

「そうね、正解したし、私の中でゴキブリのうんこからゴキブリに昇格したわ」

「やったぜ!」

「何ふざけてるの?刺すわよ…」

「はい…」

「今回、限り許してあげる・・・」


そう言うと、シャルロッタは静かに料理に戻って行った。


海は、女の怖さをマジマジと体験したのであった...

しかし、この程度で反省する海ではない…





























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