第8話 旅の準備
海は、王位継承者シャルロッタ・アイリーンをカレビ帝国まで届けるため、街の売り場で旅の準備をしていた。
海の隣には、楽しそうにスキップしながら歩くシャルロッタがいた。
「海!海!いったいあれは何?」
「あれは・・・・・見ちゃいけません!!」
シャルロッタは王室暮らしが長かったため、街中にはほとんど来たことがなく、
見るものすべてに興味を示していた。シャルロッタが、今何に指さしたかは言わないでおこう。
そして、またシャルロッタが...
「海、海あれは...「わっかたから、少し大人しくしようか」
シャルロッタの質問が面度くさくなってきた海は、別の話題を振ることにした。
「シャルちゃん、カレビ帝国から来たってっ言ってたけど、国の場所分かる?」
「シャ、シャルちゃん!?何よその呼び名!私はもう、15歳よ!」
シャルちゃんは、顔を赤らめて反論してきた。海は、prprしたいのを押さえて質問する。
「で?シャルちゃん、どうなの?」
「分からないわ!なんせ、国から出たのは初めてですもの!」
シャルロッタは、ない胸を突き出しそう言った。海は、胸を揉みし抱きたいのを、押さえて質問する。
「そんな、自信満々に言われても...王家のくせに、お国の勉強とかしなかったの?」
「全然してないわ!毎日楽しく過ごすのに、勉強なんていらないもの!」
海は頭を抱えた。シャルロッタを王位継承させたくない連中の気持ちが分かってしまったのだ。
「シャルちゃん、そんなんだから拉致られるんだよ...」
「そんなんてっ何よ!」
海はため息をつき、目的の場所にたどり着いたので話を中断して、店内に入った。
「いらしゃい!まぁきれいなお連れさんですね、今日は彼女さんにプレゼント?」
いきなり、店の店員が海に話しかけてきた、海が入った場所は、ブティックだった。旅をするには、何着かシャルロッタの服を買ってやる必要があると思い、海は嫌々店内に入った。
「か、彼女!?」
シャルロッタは、顔を赤らめ海をチラチラと見ていた。海は、シャルロッタに凸ピンする。そして、海は冷静に言った。
「違います。彼女の旅用の服がほしいと思ってここに寄りました。」
「そうですか、お客さん、それをプレゼントというのですよ!」
「違います、後で10倍にして返してもらいます。」
「ひどい!」
シャルロッタは海の冗談にシュンとした。
「それでしたら、こちらの服なんかはいかがでしょうか?」
店員が出してきたのは、茶色を基調とした性能重視の旅人の服だった。
「じゃあ、それで」
「早っ!、ちょ、ちょっと待って私そんなダサい服、嫌よ!」
「今の服より、マシだろ」
シャルロッタの服は、盗賊に襲われ、ところどころ破れていた。海は、その目のやり場に困る素晴らしい、ドレスのような破れた服をみて言った。
「で、でも...もっと可愛いのがいいわ!」
「わがままな奴だな...じゃあこれなんかはどうだ」
海が手にしたのは、見えるか見えないか、きわどいラインの水着だった。
「そ、そんなの、街中で着たら痴女じゃない!」
「仕方ない奴だな...じゃあ、自分で選ぶといいよ」
「さ、最初からそう言いなさいよ、もう!」
シャルロッタはうれしそうな顔で、服を選び始めた。海は、店の空気が遭わないので、外に出て待つことにする。
30分後...
「長い!」
海は、しびれを切らして、店内に入り、シャルロッタに早くするよう催促することにした。
「シャルちゃんまだかね?」
「ちょっと待って、あとちょっとだから、この二つで悩んでいるの、海どっちがいいと思う?」
シャルロッタが出したのは、2つともワンピースで、一つは白一色の、腰の部分にリボンがついたもので、二つ目は、襟の部分が白、腰の部分がキュッとなっており、黒を基調としたワンピースだった。海は、どっちでも良くねぇ?と思いながらも決めてあげることにした。そして、海は迷わず告げる。
「じゃあ、この旅人の服で!」
「ちょ、ちょっと、話聞いてた!」
「分かったから、どっちも買えばいいんだろ!札束パンチ!!」
海は、適当なことを言いながらワンピース2つと、旅人の服を持ち、レジに向かった。
「お買い上げありがとうございました、又のお越しをお待ちしております。」
海と、シャルロッタは店員に見送られながら、ブティックを後にする。
「海、ありがと、」
「お、おう、」
シャルロッタに、上目遣いで、満面の笑顔のお礼を言われてしまったので、海は、その無邪気な可愛さに赤面してしまった。
「それで、この服どうかな?」
シャルロッタは、元々と着ていた服がボロボロだったため買った服を店内で着替え、さっそく、白のワンピースを着ていたのだ。
「お、おう」
「おう、ってなによ、さっきから、おう、しか言ってないじゃない...もしかして似合ってなかった...」
「に、似合ってるよ...」
「そう、よかったわ!」
シャルロッタは、嬉しそうにまるでダンスでも踊るように、街中を歩いていた。
海は、それに見とれてしまったが、気持ちを切り替え旅の準備を再開しするため、食べ物売り場に向かうことにした。
「シャルちゃん、旅の途中食べたいものはない?」
「え~とね、私は、スニカペドが食べたいわ!」
「なにその、不味そうな名前の食べ物...」
「不味そうとは失礼ね、野菜とお肉がたくさん詰まった白くておいしいものなのよ!」
「あ~あ、シチューか」
「し、ちゅー?何それ?」
「いや、こっちの話だ。」
「そ、そう」
海は、シチューもとい、スニカペドの材料求めて、食べ物売り場に入った。
「お!、お二人さん新婚かい?」
「し、新婚!?」
「違います、旅の食料を確保するため寄りました」
シャルロッタは顔を真っ赤にしていたが、海は、店主の言葉をすぐに否定し、食材を選び始めた。
「そうか、旅の食料か、なら、食材は限られてくるな、このトカゲの干物なんかはどうだい!栄養面では、ばっちりだよ!」
「ひぃ!」
「結構です、別の食材を選ぶので...」
海には、アイテムボックスがある為、食材が痛む心配がないので、自由に買い物をすることができる。
海は、野菜類と、肉類と、魚類を適当に選び購入した。ついでに、調理器具も購入しておいた。
「あんちゃん、そんなに生ものばっかたくさん買って大丈夫か?」
「大丈夫です」
海は、そう言って、食材を店主の見えないところでアイテムボックスに収納して、売り場を後にした。
「海、さっきから思ってたんだけどさ、買った物ってどこに行ったの」
「全部食べた」
「ウソっ!?」
「冗談だ、俺にはアイテムボックスという魔法の収納スペースがあり、何でもしまうことができるのだよ!」
「何それ便利!」
シャルロッタは、目を輝かせてそう言った。
「そう言えば海、カレビ帝国までどうやって行くか、知ってるの?」
「あ、聞くの忘れてた...」
「バカね、じゃあ次の目的地で聞いてみましょう」
「分かった、次の目的地は、馬車売り場だ、そこなら旅人がよく集まりそうだから、誰か知ってそうだな」
「そうね、いきましょう!」
海と、シャルロッタは、馬車売り場に向かった。
そして目的の、馬車売り場に到着した。
海がなぜ馬車売り場に来たかというと、海単独なら、飛行でカレビ帝国まで一っ跳びだが、シャルロッタを抱えてとなると厳しくなるので、馬車を買うことにしたのだ。
「いらしゃい、どんな馬をお求めだい」
馬売り場のおっさんが、海にNPCみたいなのセリフで話しかけてきた。とりあえず海は、カレビ王国までの行き方を聞いてみる。
「すいません、カレビ帝国まで行きたいんだけど、どうやって行くか分かります?」
「おっ、君カレビ帝国に行きたいのかい、今はやめといた方がいいよ~、今は、
なんせ姫様がいなくなったとかで、国中大騒ぎでね、行っても入国できるか分からないよ」
「そうなんですか、初めて知りました。でも、絶対に行かなきゃならないんです、
行き方教えてくれませんか?」
海は、すっとぼけてもう一度聞いてみた。
「分かったよ、ならここを東にまっすぐ行って、砂漠を越えなきゃならんな、もし行くとなると、普通の馬車では無理だな」
「そうなんですか、そうなると、馬車以外に乗り物があるんですか?」
「おうとも!ついてきな!」
おっさんが、奥に行ったので海もそのあとを追った。
「どうだ、これが砂漠横断用の魔物ククララだ!」
おっさんが、自慢げに紹介したのは、豚の顔をしたラクダだった。
「気持ちわる!!」
海は、思わず本音が出てしまった。
「失礼な!ククララは、口から水を出してくれるし、走るのだって速い、砂漠渡りには、欠かせない乗り物なんだぞ!」
海はなんだか納得できない気持ちもあったが、ククララとククララ用の荷台を買うことにした。
「まいどあり!」
ククララを買い旅の準備が整った。
「よし、シャルちゃん準備が整ったぞ!」
「うん、でも今日はもう遅いし、宿に泊まって明日の朝、出発しましょ」
「そうだな」
そして、海とシャルロッタは、宿に向かった。予約してなっかたので、適当な宿を選び中に入った。
「いらしゃい、2名様ね」
宿に入ると、若いお姉さんが出迎えてくれた。
「できれば、別々の部屋でお願いしたいんだけど...」
「ごめんなさい、実は今空いている部屋が一つしかないのよ...だから相部屋って形になるんだけど、いいかしら?」
「べ、別にいいわ!」
シャルロッタは、恥ずかしそうにそう言った。
「ホントにいいのか?」
「いいって言ってるでしょ、それにお世話になりっぱなしで、悪いもの」
「え、じゃあ夜は期待してもいいってことですかね!」
「何のことか分からないけど、期待していいわ!」
「よっしゃー、その言葉忘れんなよ!」
「う、うん?」
シャルロッタは、何のことだか分かってなさそうだったが、海は胸を躍らせ宿を一部屋、借ることにした。
「じゃあ、相部屋でかまいませんのでお願いします」
「分かりました、お食事もご一緒されます?」
「お願いします」
「やった~、私お腹ペコペコだよ~」
「じゃあ最初は、飯にするか」
「うん!」
シャルロッタは、笑顔で頷いた。
「では、お食事を用意させていただきますね!」
お姉さんは、厨房へと消えていった。
海とシャルロッタはテーブル席に座り料理を待つことにした。
「そういえば、シャルちゃん食材いっぱい買ったけど料理は作れるのかい?」
「作れるわよ、私、料理大好きですもの」
「そうなんだ、じゃあ旅の途中お願いしてもいい?」
「お安い御用よ!」
海がシャルロッタと会話をしていると、食事が運ばれてきた。
「お待たせしました、ククララ炒めと、マイマイです」
目の前に出されたのはお米だった。ククララは置いておいて、海は久しぶりに見るお米に感動した。さっそく海とシャルロッタは、ご飯を食べることにした。
「うまい!」
「ホント、おいしいわね!」
ククララは、少し抵抗があったが、食べてみるとただの豚肉だった。
そして、海とシャルロッタは、ご飯をお腹いっぱい食べた。
そして夜...
海たちは、泊まる部屋に案内され、部屋の扉を開けた。するとそこは、シンプルな作りの、清潔感漂うとてもいい部屋だった。ただし一点を除いては...
そう、ベットが一つしかなかったのである。
「店員さん、ちょっと」
「何ですか、シャワーでしたら入って右にありますよ?」
「そうじゃなくて」
「か、海、私は構わないわ...」
「えっ!」
「では、ごゆっくり...」
店員は、そそくさと逃げていき、海とシャルロッタは取り残され、
微妙な雰囲気の中、部屋に入った。
「じゃ、じゃ、じゃあシャ、シャルちゃんシャワー浴びてきなよ」
「い、いいわ、先に海が浴びてきて!」
「ワ、ワッカタ」
海は、悶々としながらシャワー室に入っる。そして、入念に体を洗い、特に下半身を念入りに洗い、シャワー室を出た。
「シャルちゃん、シャワー終わったよ~」
「・・・」
海が期待して戻ると、ベットにはとても心地よさそうに眠っている、シャルロッタの姿があった。
「やっぱり、そういうオチか...」
海は一瞬、襲ってやろうかとも考えたが、そう焦ることもないと思い、シャルロッタの乳を一揉みしてから、海は床で寝ることにした。悶々したので、自分で抜いて寝た。
次の日...
海とシャルロッタは、遂にカレビ帝国に向けて出発したのであった...
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